1987年発売
軍隊は選ばれた政府の役人である民間人に従ってきた。そうした民間人は必ずしも賢くも正しくもなく、時には必要な力量さえ備えていなかった。しかしその命令に従わねばならないのだ…パイロット・ジェイクは口をとざしたまま、ふたたび死が待ちうける敵地上空に飛び立つ。-闘う男の魂を描いて全米を揺るがした話題作、堂々の初訳。
幕末、泰平の夢やぶる黒船来航と同時に持ちあがった知られざる日米経済戦争。初めて体験する為替レートの複雑に苦慮する幕府の官吏。だが、その複雑さは真実複雑だったのか?その裏に力でゴリ押しする列強の圧力は、また謀略は、なかったか?幕府瓦解の真因に迫り、その真相をさぐる。新田次郎賞を受賞した話題の歴史経済長編小説。
不死身の空の英雄・矢沢高雄、僚友・岩岡、ジャーナリスト・松木たちにCIA特別補佐官ビンセントら影軍団のさらなる陰謀が襲いかかるー。世界を震撼させる秘密を知ってしまった矢沢たちを抹殺しようとする恐るべき数々の手口。ヨーロッパの保養先から“戦場”に復帰した3人の勇者を待ち受ける運命は?
雨の横浜・紅葉坂で、貿易会社の社長が殺された。しかも10日ほど前にはこの社長の出張先名古屋で、車から2千5百万円が強奪されていた。容疑は身近の部下にかけられた。しかしルポライター浦上は、別に真犯人がいると信じる。調べるうち、被害者の謎の過去が次々あばかれてー。俊英による横浜、名古屋、福岡、秋田等を結ぶ本格作。
オートバイは、スペックのなかになど存在しない。オートバイは、陽光と風のなかに、あるいは、たたきつける雨のなかだけに存在するのだ。ライダーたちは、光を受け、風に頬を愛撫され、激しい雨に打たれながら、いつもコーナーの向こう側を見つめている。スピリチュアルな、長編オートバイ小説。
歳月は、人を恋う心の炎を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。17年前、相思相愛だった男と女が、いま再会して露わになる数奇な離別の真相とは(表題作)。愛が憎しみに、悦びが哀しみに、一瞬にして反転しうる心の襞をミステリアスに描く、会心の恋愛推理小説5編を収録。
一流商社に勤務する野々山和夫は、女子寮の風呂場を覗いたとされ、有無をいわさず解雇された。しかしそれは驚くべき巧妙な罠だった。失業した野々山にある日専務から電話があり、仕事を頼みたいというのだったが…。社内抗争の切り札として入社させられた男が辿る凄絶な死!長編バイオレンス・ノベル。
フリーライターの木辺勤とカメラマンの太田俊五のコンビが、グラウンド内外で起こる難事件にアタックする、殺しの連作小説。デッドボールが打者に与える衝撃力は、東京タワーの展望台からボールを落下させるくらいの破壊力を秘め,ヘルメットがなければ頭の骨は粉みじんになってします。牽制球だって、狙えば、凶器になる。ロイヤルズのエース田尻浩二がそのお得意とする剃刀シュートを内角高目に…。誰が見ても、打者を大きくのけぞらせておいて、外角に勝負球を投げこむブラッシュ・オフのテクニックだと思ったが、故意にか、スッポヌケか?速球は打者に向かって吼えた…。
南野マリン、24歳。警視庁捜査一課の美人刑事。“キラー通り殺人事件捜査本部”からアシスタントに応募して、デザイン事務所ARTWORKに潜入する。凶器のナイフが、ここで製作されたものだったからだ。ガイシャの長谷洋子は作詞家の卵。喉をかき切られ、髪にリボンが結えられていた。事務所のマリンに連絡が入る。「たいへんです、またキラー通りでやられました」。新人刑事森和也からだ。「今度のガイシャの髪にもリボンが」。そしてマリンを誘うチーフの久世からのプレゼントにもリボン…。美人デザイナー杉本麗、京極麻衣。原田正一、川上透。スタッフの行動をマークしながらマリンは捜査を続ける。キラー通り一帯は今夜も厳戒シフトが敷かれている…。
吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う“うつけ者”。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
天下を狙う駿府の今川義元は、遂に総力をあげて美々しく上洛の旅についた。尾張など眼中にない。抵抗すればもみ潰せ。屈服か、滅亡覚悟の抗戦か。信長は秘策を胸に動じない。だが義元が桶狭間に入ったと聞くや、者ども続け、と飛び出した。折から暴風雨襲来。天は、革命児・信長に味方した。
今川義元を討った信長の武名は、いちやく天下に轟いたが、諸国はまだ彼の天下統一の野望までは知らない。三河の松平元康(徳川家康)と同盟を結んだ信長は、戦国武将として始めて入洛。堺では大量の鉄砲を仕入れ、次なる敵への配備を固めた。それは美濃稲葉山の斎藤龍興。不落を誇るこの城の攻略法は?
私は貿易会社の美しい同僚木崎初代との恋に燃えあがっていた。ところが初代が殺され、素人探偵の友人も同一犯人の手にかかったことから私は復讐を誓った。私に好意を寄せる医学生の諸戸道雄は、初代が大切にしていた家系図を見ると、気味悪そうに自分の出生を語った。そして郷里の島へ2人は旅立つたー。
男たちの喝采の中で、黒ずくめの衣裳を取り去り、輝くばかりに美しい肉体を見せた暗黒街の女王。左腕の黒蜥蜴を蠢せながら、婉然と笑う美貌の女こそ、稀代の宝石泥棒「黒トカゲ」である。女賊の魔手から、宝石商令嬢を守ろうとする探偵明智小五郎。2人の闘いは、いつしか微妙な恋の香りを放ち始める。
聖武天皇は広嗣の乱を機に遷都を繰返し、大仏建立に情熱を傾ける。阿倍内親王=のちの孝謙女帝をとりこんだ藤原仲麻呂が兵馬の権さえ掌中におさめてしまった。武人として既に昔日の俤もない大伴一族。はがゆさ、切なさを防人達の別離の悲しみに重ね、歌をよみ、万葉集を編む大伴家持。
ある日、イモコン幽霊の勇一は、高校への受験態勢に入りつつある妹の奈々に、あまりかまってもらえないつまらなさから夜中の散歩に出かけた。夜の10時も過ぎれば人通りがなくなるはずのオフィス街。そこで勇一がみつけたものは、煌々と明かりをつけ大勢の子供達の歓声が聞こえる古い木造校舎。えっ、そんなバカな!今は夜中だよ。それにそんなところに学校なんて…!-第1話より。
あたし、法子。イギリスから帰国したばかりのラグビー大好き少女。転入した高校で、さっそくラグビー部へ入部しようとしたら、キャプテンはなんと幼なじみの誠だった。ファースト・キスの約束までした仲だけど「女の子の入部はダメ」と拒否されちゃった。でもそんなことでめげるあたしじゃない。誠を脅迫(!?)して、入部テストにこぎつけた。さあ恋に、ラグビーに、青空に向かって試合開始!
ファイアー・クラッカーって女の子バンド知ってる?ふふ、知ってるワケないか。それって美土里や芽里が作ったロック・バンドなのね。でも、高校生としてはナカナカ、って自信もあるの。だって、サウンド・キッズの中西って人から、スカウトされたのよ!だけど現実って厳しい。中西さんが会社を辞めちゃったり、芽里がバンドを抜けると言いだしたり…。でも美土里はくじけないわ!