1987年発売
陽光のふり注ぐ、波おだやかな瀬戸内海。海の交通の道として、古代から賑わった山陽・四国の港町、大小の無数の島々、そして九州をのぞむ関門海峡…。煌めく明るい風土と、歴史の裏に流れる奥深い民俗・伝承を背景に、赤江瀑・西村望・寺内大吉・小松左京・横溝正史・佃実夫・連城三紀彦が繰りひろげる謎とき行脚。人生の明暗を映す、罪と罰の万華鏡ー。魅力のミステリー紀行シリーズ第19弾!
スタッフは長身で美貌の戸川弥生局長と、助手の近藤則子の二人だけという東京・原宿の竹の子探偵局。各国要人の子女で構成される竹の子族『世界席捲』のメンバーをしたがえ、知性と大胆な行動力で難事件を解決している。ところが最近、釣りにからむ犯罪が続出して困惑ぎみ。今日も、組織の分裂抗争に歯止めをかけるため、2団体の親分同士が石鯛釣りで決着をつけるので、その秘策を授けてほしいという“極道の妻”が…。
長野県戸倉上山田温泉付近の千曲川にかかる大正橋に立っていた河口日奈子は、水銀灯めがけて襲ってきた蜉蝣の大群に巻き込まれて死亡した。-1年後、フランスから帰国した日奈子の愛人、高比良亮は、彼女の事故死に疑惑を抱き、上山田温泉を訪れて事故当夜の状況を調べだした。そして、日奈子の死の直前まで橋の水銀灯が消えていたことを知った…。事故から1年、亮の調査に触発されたかのように連続殺人が!
高崎のリゾートホテルに潜伏していた強盗殺人犯が逮捕された。そして、犯人の隣りの部屋に宿泊していた櫛田という男が、藤岡市郊外で殺されていた。しかし櫛田には、死亡推定時刻に、部屋で電話をかけていたという厳然たる事実があった!?さらに櫛田は、4年前に起きた謎の焼死事件に関与していたことがわかる。一方、かつてこの焼死事件にかかわっていた推理作家の浅井は、櫛田の死を契機に再び事件の真相を追う。浮かび上がってきた奇怪な事実!そしてまた新たな殺人が…!?アッと驚くトリックの数々!作家生活20年間に蓄積した全てを注ぎこんだ、鬼才渾身の書下ろし長編本格推理小説の傑作!
詐欺商法でのし上がった悪徳会社「シルクハウス」の会長・碓井宗晴が絞殺された。碓井と対立する同社専務・工藤博幸を捜査陣はマーク、殺人の動機をつかんだ。が、工藤には鉄壁のアリバイがあった!有罪を信じる沢月刑事は執念の末アリバイを破り、工藤を逮捕、事件の舞台は法廷に…。さらに公判中、工藤は愛人・篠原紀絵の意外な証言で窮地に追い込まれる。若き美人弁護士・槙村ゆり子と工藤の無実を証明するため、検察側と真っ向から対決するが…。二転三転と息づまる展開のなかに秘められた真実は?アリバイくずしと緊迫の法廷シーンとを見事に融合させた、気鋭の書下ろし本格長編推理の秀作!
「スラヴォニア国王と結婚せよ」女王陛下の命令はあまりにも突然に、ジオーナの将来を決定するものだった。会ったこともない、しかも52歳の相手との政略結婚!猶予はたったの3週間だけだったが、見知らぬ国へ、何も知らないまま嫁ぐことは、ジオーナの自尊心が許さなかった。そこで、スラヴォニア語の勉強を始めるのだが、大使をはじめ、周囲はあまりいい顔をしない。一体、スラヴォニアで何が待っているのか?ジオーナの好奇心は募っていく。やがて、イギリスを旅立ったジオーナはスラヴォニア国内で反乱が起きていることを知る。先頭に立っているのは、前国王の息子で、“見えないひと”と呼ばれている男だった。
教会でたまたま落ち合った男3人、女7人が、毎日1人1話ずつ10日間話した100篇の物語。中世の終末と近代の人間解放を告げる最初の作品の一つといわれる。上巻では精力絶倫の修道士が自分の不行跡に修道院長を引きずり込んで罪をのがれる話、恋多き女が修道院を舞台に巧みに思いをとげる話など、人間本能を哄笑の対象として描く。
ガンマンたちから一目置かれているすご腕の副保安官ロングアーム。今回の使命は、ある町のブタ箱に拘禁されているお尋ね者を、連れもどせというものだった。だが、土地の自警団やミズーリ州のシェリフ、鉄道会社の探偵などが睨み合いを繰り広げている中から、いかに囚人を連れだすことができるか?全米の人気を集める、ニュー・ウェスタンの会心作。
〈七領土〉の法の及ばぬ地,ドライ・タウン。血の色の夕陽を背に、野営する一団の姿があった。彼女らーフリー・アマゾンがアーデス家のロアーナから受けた密命とは、13年前この地の暴君ジャラクに連れ去られた従姉妹メローラを救出することだった…。はたして襲撃は成功するか。運命の子、メローラの娘ジュエルは、このときまだ12歳である…。
大阪府警捜査1課立石兵吉警部には、妻子がいる。そのうえ愛人もいて、ロマンスを夢みるなんて、虫のいい話である。毎日、死体をみたり、暴力団員を脅しあげたりしているのだから、美しい夢をみたくなるのだろう。その夢は、いつも突然、破られる。-「班長、起きてください。緊急連絡です。殺しやそうです」…熟れた30女の体が、ややピンク色に上気して横たわっている。透けたネグリジェごしに下腹部の草むらをみて警部は欲望にかられた。服をぬいだ。が、無類の麺類好き、この時間うどんかそばを伸べないと気がすまない。うどんが警部を呼ぶ、情事に専念できない-。右手に女、左手にうどん、変った警部の推理は冴える!
俺の名は次元大介。10日前、俺はルパンとともにロスにある、とある豪邸から800万ドル相当のダイアのネックレスを盗み出した。が、そのダイアにはマフィアの息が…。重火器で武装した一団からからくも逃れ俺達の逃避行が始まる。しかし、マフィアが相手となるとそれも困難を極める。降りしきる雨と一直線に続くハイウェイ。この先に、さらなる危機が待ち受けることを、次元はまだ知らない。フリーウェイは、血塗られた戦場と化す…。ルパン三世オリジナル短篇小説集。
雨の真夜中。人通りも途絶えたハリウッドの通りで、交通事故で大破したステーション・ワゴンから若い女の首なし死体が転がり落ちた。しかしL.A.市警は、この事件をもみ消してしまった。その数日前、遠くニュー・オルリンズでは、湖で見つかった生首のニュースが新聞を賑わしていた。たまたま交通事故の現場に居合わせた私立探偵ホイスラーは、この二つの事件に興味を持ち、調べ始めるが。
テレビ俳優ホルトはL.A.の高速道路で謎の一団に襲われた。どうやら友人の脚本家ロスが巻きこまれた事件のせいらしい。数ヵ月前、ロスの愛人が殺害され、その罪をロスに着せるため何者かがビデオを使って偽の証拠をでっち上げた。当初は泡を食ったロスだが、今は腹に一物ありげだ。真相を探り始めたホルトがやがて嗅ぎつける大犯罪とは?L・ブロック、J・ゴアズ絶賛の軽妙なサスペンス。