1988年1月発売
現実、フィクションを問わず、多くの殺人事件の舞台になってきたロサンゼルス。この映画界のメッカ、人種のるつぼ、光と色彩あふれる街にまた事件が起こる。解決にあたるのはハリウッドの若き“ミス・マープル”、アルメニア系の元ボクサー、かつてのスター、心霊研究者、メキシコ系の刑事…。8人のロス在住作家が地元を舞台にペンを競う書き下ろしミステリー短編集。
大津巡遊中のロシア皇太子を巡査津田三蔵が襲った。津田の死刑、暗殺を叫ぶ伊藤博文、西郷従道ら政府高官、司法の独立のみに走った児島惟謙、一躍時の人となった二人の車夫、クリスチャン教誨師原胤昭と津田の出会い…。事件の推移と渦中の人々の行動を見据えつつ明治国家の実像に迫る。
ヴェガ星系ピゲルの地下ステーションで、レッドホース少佐らテラナー6人は、レーザー蛇の群れに追いつめられていた。ほかに逃げ道のなかった6人は、どこに通じているかもわからぬ転送機に跳びこんだ。ジャンプを終えた6人の前には、銃を手にしたテフローダー10人が待っていた。しかもテラナーたちの背後には、同時に転送されたレーザー蛇が迫っていたのだ!
32世紀を迎え、人類文明は繁栄と爛熟のきわみにあった。その拠点のひとつ、プレアデス連邦の権力者ローク・フォン・レイは生涯の仇敵プリンス・レッドを破滅の淵に追いこむべく、途方もない冒険に乗りだした。稀少な超エネルギー資源イリュリオンを大量に採取し、プリンスを出し抜こうというのだ。だが銀河広しといえども、多量のイリュリオンが存在する場所はただひとつー大爆発をおこしてノヴァになる瞬間の恒星の中心部のみ!かくてロークとその奇妙な部下は一路ノヴァを目指すが…華麗な神話的宇宙を織りあげて、現代SFの頂点をきわめたディレイニーの最高傑作。
2061年、エドマンド・ハレー号は、近日点通過のあと再び太陽系外へと向かうハレー彗星核とのランデブーに成功した。調査隊400人のメンバーは、これから彗星に乗って、約80年におよぶ調査研究の旅にでるのだ!地下における居住・研究施設の建設、旅のほとんどを隊員が眠ってすごすためのスリープ・スロット、および軌道制御用ランチャーの設置…。やるべき仕事は山のようにあった。だが、ほとんどの隊員が無事眠りにつき、第一当直が万事順調にスタートしたと思われたまさにその時、怖るべき災厄が隊員たちを襲った。現代米SF界を代表する二人による傑作ハードSF巨篇。
2092年、ハレー彗星調査隊は絶滅の危機に瀕していた。遺伝子改造を受けた新人類である“パーセル”とそうでない人類“オーソ”間の対立による調査隊の分裂、彗星土着生物による疫病のためにつぎつぎと斃れていく隊員たち、地球へ帰還するためにはぜひとも必要な軌道制御用〈小突き〉ランチャー建設の遅れ…しかも、彗星生物に汚染された調査隊の帰還を望まない地球政府は、ひそかにハレー彗星破壊のための陰謀をめぐらしていたのである!現代アメリカSF界を代表する二人が、最新の科学データをもとに見事に描きあげた、スリルとアクションに満ちた傑作ハードSF巨篇。
この世が創造されて間もない頃、世界制覇の力を宿す宝石をめぐって神々が熾烈な闘いを繰り広げていた。この争いは魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒して終局を迎えた。だが、いつの日か邪神トラクは宝石を求めて再びこの世に現われるという…農園で平隠な日々を送るガリオン少年にとって、神々の争いや宝石など単なる神話でしかなかった。だが、謎の語り部ウルフが現われた時から、ガリオンの生活は激変した。彼はウルフに導かれるまま何かを避けるように、また何かを追うようにして旅立つが…。全米でベストセラーのシリーズ、逐に登場!
邪神の呪いを解いたタリオンに光と音と言葉が戻った!レヴィ王女を奪還したフォルタ団長一行とも合流する。さらには老戦士ポーロの告白により、驚くべき自らの出自をも知る。帝国との北辺の戦い。ポーロ率いるタスク族の裏切りとトロビト村の虐殺。唯一人生き残った赤子…すべては皇帝の奸計によるものだった。新たな怒りに燃えるタリオン。折しも、センペカの捕虜五百人の処刑の日が迫りつつあった。感慨に浸る暇もなく、タリオンらは捕虜奪還のため、妖魔の末裔たる皇帝と教皇が待ち受ける神都スメラルドに、勇躍乗り込まんとしていた!
「くび!」ラテルは自分の耳が信じられなかった。くそいまいましい黒猫型宇宙人アプロだけでなく、自分も広域宇宙警察をくびになるとは。だが無情にも、対海賊課チーフ・バスターは、二人がいるきかぎり対海賊課の評判は落ちる一方、損害賠償は増える一方、といいはなった。仕方なく、チーフ・バスターからもらった再就職の推薦状の宛先へ出向いた一匹と一人だったが…待ちうけるのは稀代の宇宙海賊・〓冥、そして恐るべき武器は人間もコンピュータも“猫”にしてしまうCATシステムだった!てんやわんやのアプロとラテルの活躍、第2弾!
アパルトヘイト政策のもと、人種差別がおし進められる南アフリカ共和国。地方紙の編集長を務めるドナルド・ウッズはある日、若き黒人指導者ビコに出会う。白人との協力を拒むビコの姿勢にウッズは反発を覚えたが、その人柄を知るにつれ人種をこえた友情で結ばれていく。だが、危険を冒して活動を続けるビコは、ついに公安警察に捕えられ、拷問の末、虐殺された。自身も脅迫を受けたウッズは、友の死の真相を世界に伝えるべく、家族と共に国外脱出を決意する。!実話を基に描く友情と戦いの叙事詩。アカデミー賞監督アッテンボローが大型映画化。
サンディはハイスクールに通うごく普通の少女だった。この夏までは。そのサンディがショットガンを持って家出した。前科者の恋人、デイヴィと一緒に違いないので連れ戻してほしいとのサンディの両親の依頼を受け、アーチャーは、デイヴィのアパートを訪ねた。だがサンディとディヴィはアーチャーのすきをつき、ショットガンを手に姿をくらましてしまった。あとには、サンディの父の雇主ハケットの広大な地所を示す地図が残されていた。2人の狙いは何か?事件を追うアーチャーが見た、富めるものと貧しき家族の生んだ悲劇を描く円熟期の異色作。
匿名の電話の主は私にどんな話をしようとしたのか。私が指定のバーに赴いたときには、それが誰で、どんな話だったのかは、わからなくなっていた。何者かのマシンガンが、そのときバーにいた全員の生命を奪った後だったのだ。犠牲者のなかには元上院議院の町の実力者オーギュスト・ルモアンも含まれていた。私が呼び出されたこととこの惨状には、どんな繋りが…一介の新聞記者ウェス・コルヴィンがたどりついた、謎に覆われた虐殺事件の意外な全貌とは?独特のムードをたたえる古都ニューオーリンズを舞台に放つ話題の新シリーズ第1弾。
雑誌編集長ジョージは、彼の会社の社長ジャノスの愛人ポーリンと深い仲になっていた。ある夜、彼女をアパートへ送ったジョージは、そこでジャノスの姿を見かけた。翌朝、ポーリンの死体が発見される。犯人はジャノスにまちがいなかった。ところが、何者かに目撃された事に気づいたジャノスが部下を動員し、ひそかに目撃者探しを開始したのだ。彼がその指揮者に指名したのは、こともあろうにジョージだった!調査の方向をそらそうという努力もむなしく、彼はしだいに追いつめられる…息づまる筆致と意表をつく構成で描く傑作サスペンス!
じゃじゃ〜ん、スイート・ヴァレーにナゾのプリンス登場。その名はジャック…。建築現場で働く少年に、なんとあのライラがポッ!ホントは労働者なんかお呼びじゃないけど、どことなくナゾめいてるし、めちゃカッコイイし、とにかくステキ!そんな男の子をジェシカが見のがすわけがない。ライラのことなどおかまいなしに、アタック開始!さぁご注目、スノッブ娘とトラブル娘の対決よ!でも、かんじんのジャックが、どうもあやしげなんだよネ。
宇宙国家連合の中でもっとも古い歴史を持つ惑星ソラリアから、いつのまにかすべての人間が消え失せた。ロボット工学の発達により、他人と接触する必要もなくなったソラリア人は、広大な敷地でそれぞれ1人あたり4万ものロボットにかしずかれ、孤立した生活を営んでいた。それが1人残らず姿を消したのだ!調査をすべくソラリアに着陸した2隻の宇宙船は何者かに破壊されてしまった。そこで新たに派遣される調査隊には、ソラリア生まれのグレディアが同行するように要請された。彼女はただちにロボットのダニール・オリヴォー、ジスカルドらとともにソラリアをめざし旅立った…。
札幌女子大学国際学部三年の高梨夏美は、家庭の事情で1年間休学し東京に帰る決心をして、学内の旅行研究会主催のイベント列車〈レジャーエクスプレス〉を利用した“弘前りんごがりツアー”に参加することにした。留学生二人を含む女子大生87人名の夢を乗せて列車は札幌から函館へ、そして廃止が決まっている青函連絡船で青森を経て目的地の弘前へと向かった。ところが、JR東部日本に、この列車ごと女子大生たちを誘拐したとの脅迫状が届いて大騒ぎになった。犯人たちの目的は?前代未聞の事件はこうして始まった!