1988年4月発売
「超絶の美形で、超A級の精神ダイバー。俺が信用するのは、死体とやらせてくれた女と金だけ」と日頃から豪語する毒島獣太は、ある日、突然不能に陥った。美人女子大生とベッド・インの最中にである。そしてその直後、切断された女の手首が送り付けられ、さらにわけも判らぬまま異様な殺気を放つ男に襲われた。“突然の不能”“女の手首”“襲撃”これら三つの出来事は、いったい何を意味するのか?やがて一連の事件は、二年前、宗教団体黒蓮会の教祖千々岩三風にサイコダイブし、“ある風景”を、毒島が見たことが原因らしいとわかった。眠れる凶人三風の秘密とは?彼を慕う美女八人の思惑とは?事件は巨大な暗黒の顎を開けつつあった。人気絶頂の著者が、鮮烈の人物・毒島獣太と陰陽師ひるこを得た描く精神ダイバー・シリーズの第十弾。
“豪華客船へいあん丸の旅”に参加した、酒場の美人マダム青野瑠璃子が、最初の寄港地沖縄で何者かに襲われた。200人の乗客は、横浜を出発し那覇、マニラを経由して香港を回る2週間余の贅沢な船旅の最中であった。招待客として乗船していた作家・中小路信は、犯人は乗客の中にいると考え調査に乗り出した。やがて青野の愛人の存在が浮かび上がった。平和な旅は一転して不穏な空気に変わり、船は陽光きらめく南シナ海へ。そして、ついに殺人事件が発生した。豪華客船を舞台に交錯する乗客たちの過去。そして惨劇…。綿密な取材に基づき豊かな詩情で実力派作家が贈る初の船旅推理。
渋谷に海があるなんて知らなかった。渋谷の海辺に立つ赤い屋根のホテル。窓から水平線の見える小さなホテルに永遠の宿泊を予約した僕と、僕をめぐる男と女たちの物語。人間と自然への限りない優しさに満ち溢れたTOKYOファンタジー。大型新人の書下ろし処女長編小説。
競馬界に復讐を誓う元調教士。彼は富くじ競馬週間をむかえ大いに湧き立つセンチュリ・オークス競馬場の金庫室に唸っている200万ドルを強奪しようと、強盗のプロ4人とヘリの操縦士を仲間に引き入れ,鉄壁な警備体制を誇る新装なった競馬場を襲撃する綿密な現金強奪計画を立てた、だが…!?鬼才D・R・クーンツの筆が冴えるサスペンス巨編!
カル港第一の奴隷商人サモスに会うためヴォスク川をくだるうち、タール・キャボットは見知らぬ部族の戦士たちに取り巻かれ、捕らえられてしまった。戦士たちを率いる美しい娘がタールに迫る、生き恥をさらして奴隷になるか、それとも誇りある死を選ぶかと。迷ったあげくに、タールは奴隷になる道を選んでしまった。誇りを忘れたタールの運命は?
ファッションモデルのカヤは、過労で倒れたところを獣医の卵である相沢に助けられた。友人の結婚式で偶然再会してから、2人の関係は急速に深まっていった。カヤは、正直で野性的で、かつ優しいと思っていた相沢に、ふとしたことから、影のあることを感じてしまった。彼の婚約者?カヤは愛というものが、男というものが信じられなくなり、ともすると、自分さえー。男と女の愛の痛み。
学校さぼって自動車モトクロスに熱中していた、タダシ、ケン、鏡太郎の悪ガキトリオ。ひょんなきっかけで、奇々怪々な天魔たちを街に解き放ってしまったのだ!さあ、大変!住みなれた袖ケ浦町に無数の物の化があふれ出した。そして、こともあろうに、タダシたちの通う、袖ケ浦小学校を拠点にいすわってしまったのだ。この天魔たちをもとどおり封印できるのは、悪ガキトリオの3人だけ。凄絶、愉快の大冒険物語の、始まりだあっ!
ウルムの月が、へびの星座にかかったときに生まれた4人の少年たち。運命を背負ったトーイ、ロム、マレク、ギアを導いたもの、それは、光の巫女の祝福を受けたクリスタルだった。光をのみこむ黒い影があらわれ、世界は再び闇の魔物でみちた。恐怖と混乱、邪悪と破壊が訪れ戦死は立ち上がる。力を合わせ光を取りもどすのだ!君が開くそのページに拡がる大ファンタジーアドベンチャーゾーン。さあ、真の勇者になるのは君だ。
伝説の勇者・イアソンによって封印されていたバァンドゥラの通路が開かれてしまった!異次元に続くこの通路は、次々と凶暴な魔獣たちを吐きだしてくる。平和だったアルカス公国も異次元獣に攻撃され、今や壊滅寸前。この国を救う、たったひとつの方法は、異次元獣たちに奪われた“覇邪の封印”をとりもどすことだ。俺・アーガスと3人の仲間は、アルカシア王の命を受けて旅立った。
かつて禁酒法時代、シカゴはギャング達の街だった。現在、シカゴは猥雑で、心優しい人々が蠢いている。民主党シカゴ27区の地区班長ジミー・フラナリーはマシーン政治の一翼を担って地区住民の面倒をみていたが、堕胎診療所爆破事件で老婆と若い娼婦が犠牲になったために真相解明に乗りだす。爆破事件は政治がらみか、それとも殺しを隠蔽するためか?MWA最優秀ペーパーバック賞受賞作。
ゾラの大作『ルーゴン・マッカール叢書』の内包する基本構造を広範な歴史的・社会的コンテクストにおいて読み解き、物語の源泉としての同時代の科学ー熱力学とトポロジー、火、モーター、循環ーを語りつつ文学・科学・神話を横断する新たな批評の領野をひらく。
舞台はヨークシャーの古城。といっても内部は改装され豪奢なヘルス・クリニック。その保養所に集った脛に傷もつ客たち。妻との離婚が決定的となった中年医師。落ち目のTVプロデューサーとその母親。彼の恋人。英国に敵意を抱くアイルランド娘。筋骨隆々のオランダ人等々-。事件は中年医師が到着すると起きた。オランダ人が室内プールの底から死体で発見されたのだ。そして、元税務調査官の経歴を持つ私立探偵プリングル氏が飄々と登場する…。
アラバマ州の小さな町、キャサリン市のゴミ捨て場で警察本部長バリントンが殺されていた。額に丸い石を撃ちこまれて。つづいて市長が市役所内でこめかみに丸い石を撃ちこまれて死んでいた。凶器は何か?そして動機は?地元紙の社会部長キール・セント・ジェイムスのもとへ“リトル・デビッド”と名乗り男が怪電話をかけてきた。張りこみ中のキールを謎の男が襲う。軽快なユーモアとシャープな語り口で展開するアメリカン・ローカル・ミステリー。
若き薬学者・皆川洪志が、謎の秘薬・冬虫夏草を探して蔵王へ出かけたまま、消息を絶った。自宅に残された多額の通帳に、犯罪の臭いを感じた婚約者の桂木由美子は、皆川の行方を追うが、その矢先、失踪の鍵を握る男が、奇怪な姿で殺されてしまった。皆川の生死も不明のまま、由美子は再び蔵王へ発つ。だが、そこでは第二の殺人が!謎の連続殺人に挑む長篇本格ミステリー。