1988年発売
夏の全国高校野球大学決勝戦。兵庫の阪神学園と静岡の静光高校の一戦が接戦の末、劇的な幕切れをむかえようとした時、ネット裏で観戦していた一人の女性が急死する。5万人の大観衆のなかで誰が?スコア・ブックのなかに重大な謎が…。表題作の本格野球ミステリーの他、“現代の死角”に挑んだミステリー5篇を収録。
新宿・歌舞伎町にあるポルノの殿堂「ラブ・マシーン」。そのルポを依頼された美人ライター麻沙美は、バニーガールとして潜入する。折しも、取材の帰途、「ラブ・マシーン」の幹部が殺害される現場を目撃する。ひと月前にも幹部が箱根で交通事故死しており、相次ぐ不審死に麻沙美はその謎に迫るが…。
戦乱に明け暮れる日本に、2人の異邦人ー鉄砲商人と宣教師ーが、期待と不安で胸をふくらませながら上陸した。この2人を気前よく雇った男がいた。尾張の若き領主、織田信長である。己が命と夢を託した信長は、桶狭間、三方ケ原、長篠…と、血みどろの戦いを続けながら、自らの壮大な夢を追っていた。信長とその時代を、かつてないスケールで甦らせた異色時代長篇。
どんな激戦に臨んでもいつも生きて還ってくるために、臆病者とさえ誤解されながら、なおも生きつづける兵庫源八郎。その細心にして豪胆な戦いぶりに託して、“玉砕”と叫ばれていた太平洋戦争末期に作者の信ずるところを強く打ち出した。〈日本士道記〉シリーズの表題作。かけ遺った恋に衝撃を受けつつも、剣の道を貫く「藤次郎の恋」。ほかに「立春なみだ橋」「豪傑ばやり」など全12編。
腕は抜群だが星まわりの悪いチャーリーは、ついに、国家への反逆者として懲役14年の刑を宣告されるはめとなった。囚人仲間にいびられながら鬱々として刑務所暮らしに耐えるチャーリー。そこへ英国情報部の工作員サンプソンが投獄されてきた。彼はある日、チャーリーに驚くべき計画をうち明けた…。またもやチャーリーの孤独な闘いが始まる。果たして生きのびることは出来るか?