1988年発売
東大工学部教授が書いた物語に、3人の東大生がイラストの腕を奮う…師弟協力により誕生した異色SFファンタジー。これは、「空飛ぶ絨毯」で大空に開眼し、トップクラスのスペース・レーサーとなり、自家用宇宙船「ルーシー」を駆って宙航レース“ジャパン・カップ”に挑む男と、彼を取り巻く女たちの物語である。
映画、小説と常にアメリカの読書界に話題を投げかけるベストセラー作家キングの多彩な活動を詳細な資料と記録で構成した、本邦初・キング研究書の決定版。キング・オブ・ホラー、スティーヴン・キングの全貌。
機械文明の桎梏を打破し、真に人間として生きるにはいかなる方途があるのか?第1次大戦後の混迷するイギリスとイタリアを舞台に、ヨーロッパ文明に潜む危機と脅威を容赦なく抉り出し、「生」の新たな方途へのヴィジョンを大胆に提示しようとするロレンスの問題作。
アメリカ1920-30年代、マラソン・ダンスが吹き荒れた。ハリウッドに憧れる若い男女が果敢に挑戦するがそこに待っていたものは-。時代の空気を敏感に嗅ぎとりそしてあらがう心模様をクールな文体の中に描き切った傑作。
冬の桑名の月の夜、うどん屋の店先で酒をあおる旅芸人若者は、なぜか夜空に響く按摩の笛に怯えている。やがておかみを前に3年前の因縁話を語りはじめた同じその頃、旅屋湊屋では、芸妓お三重が旅の二老人に薄倖な身の上を明かしていた。二つの語りの交錯が幽艶な陶酔境を現出する鏡花一代の傑作。
この『唐宋伝奇集』は、中国でいう「古小説」のうち、唐、宋の、いわゆる「伝奇」(伝奇物語)から選択して翻訳し、注をつけたものである。この下巻には、唐代中期から唐代末期、五代を経て宋代までの代表的な作品を選んだ。
16歳の香里は友だちから、TVドラマ“ガラスの家”をみているか、ときかれる。登場人物が香里の家族とそっくりだというのである…。ドラマと実在の家庭で起こる事件が同時進行する「理由なき反抗」。妻の身代わりとなって、刑務所に入った男。20年ぶりに出所してみれば、そこはまるで別世界のように驚くことばかりであった。当の妻は事業に精をだして金持ちになっていたし、娘は刑務所の体験を手記にして雑誌に載せるといって、あっけらかんとしていた…。戸惑う男の心理を映しだす「埋もれた青春」。いずれもゆるやかな恐怖を包み込みながら、ユーモアとサスペンスに満ちあふれた“懐かしの名画ミステリー”5編を収録。
青葉繁る杜の都ー仙台。そこで偶然見つけた妻の写真。一緒に写っていたのは、夫の知らない謎の男…。そして、その謎の男の死を知った夫は、妻の過去に疑問を持ち始めるー。一方、父の跡を継ぎ、青葉城址の伊達政宗像の前で観光客の写真を撮る美人カメラマン池野真理子。彼女は、父の事故死に不審を抱いていた。この二つの事件が一つに重なりあった時…。事件は意外な方向へ展開していく。東京ー仙台間を舞台にくりひろげられる、トラベルミステリー。
元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助。定町回り同心石塚宗平の口説きに負けて、何者かに刺殺された島帰りの男の過去を探るはめに。綿密な捜査を進め、二十五年前の三人組押し込み強盗事件に辿りついた時、彼の前に現れたあまりにも意外な犯人と哀切極まりないその動機ー江戸を流れる河に下町の人々の息づかいを鮮やかに映し出す長編時代ミステリー。シリーズ第三弾。
最初の脅迫状にはただ「殺してやる」と記してあった。次に「お前は26日に死ぬ」という予告が届き会社社長は逃げだしたが、特急「にちりん」車内で毒殺された。容疑者には鉄壁のアリバイがある。しかし十津川警部は毒入りジュースの「容器」に突破口があると睨んだ。さまざまな殺意を満載した超A級鉄道推理!
バーゲンの目玉商品は、な、なんと死体と脅迫状!誘拐事件の人質は犯人像について何も語らず。それもそのはず、人質は、な、なんと犬ちゃん!警視庁の名物刑事・香織の迷走ぶりは今度も完壁。あまりの脱線に、娘の理々子がついに乗り出す。超ド級の爆笑エネルギーと大胆トリック、お待たせの逆回転推理第二弾!
キャサリンと恋人の浜口一郎は、京都から2階建て新幹線に乗った。カフェテリアのある個室つき最新鋭車だ。しかし鍵のかかった隣室で証券マンが変死し、連れの若い女は姿をくらました。この新幹線密室殺人につづいて、容疑者の京都ワンルームマンションでも密室殺人が…!キャサリンの鮮やかな四つの推理!
机と椅子がない!からっぽの教室で、コピーの遺書を残し、19歳の圭介は死んだ。窓には錠、ドアには目張り。順也が級友の死の謎を追いつめた時、彼は青春という“密室”の中にたたずむ自分を見つける。周到に張りめぐらされた伏線。たった一日の、三重四重の逆転劇。23歳の処女作にして、これは不朽の名作!
15歳を迎えた年、一三は自ら発心して上京、慶応義塾に入る。作家をこころざすがならず、卒業と同時に三井銀行に就職、だが、そこでの一三は落第サラリーマンでしかなかった。しかし、運命は自ら切り拓くもの、証券会社の支配人職へ勧誘されて彼は断乎決断する。華麗なる財界人への一三の第一歩であった。