1988年発売
京都在住の大月信平・エリ子夫妻には子供ができない。だが信平は36歳。若い。交際誌で『私たちの夫婦生活を見て!』という記事を読み、名古屋の神田夫妻を訪問。さらに松本夫妻と交際し,鑑賞より実践が迷路を聞くことを悟った。そこに快感未体験の八木夫妻も加わりスワッピングは盛り上がる。鬼才が性を通して人間の業を描く。
赤垣美晴は美しい未亡人。レッド・ウイドウ相談室のカウンセラーだが、実は警視庁の特別秘密捜査官でもある。ある日、夫の不能を相談に来た人妻が全裸で殺され、その後、次々と殺人が。股間に残された写真の謎!危機一髪、美晴の拳銃は火を噴くか!?ヒット作「赤い闇の未亡人」シリーズ第2弾書下ろし長編力作!
TV編成局長、宗城雄一郎の妻香子は、婚前に青い目の混血児を生み、養子に出していた。妻の秘密を知った雄一郎は、娘・美香のバレエ仲間で黒人少年ジョーを家に引き取って陰湿な復讐を。一方、香子は不幸な混血児が母を呪う血盟団の結成を知る。ところが香子が彼らに捕えられて処刑場へ駆り出された。香子の運命は?
推理トリック研究家・久我京介と助手・明夫、その女友達の洋子は、瀬戸内海の別荘に招待されて夏のバカンスを楽しんでいた。「あっ、首がない!」無人島の浜辺に、まるで日光浴でもするかのように横たわる、男の首なし死体。続いて起こる密室殺人。本書主人公同様、推理トリックに造詣深い著者が放つ長編第2弾。
横地邦生の婚約者、河内三枝子は、一人旅に出た水上温泉で他殺体で発見された。邦生は、三枝子の親友、桃谷順子とともに、犯人探しを始める。意外にも数多い男性関係の中に、一人の男が浮かび上がった。そして、彼女は過去、見知らぬ男女の殺人事件にも関係が!意外な結末を迎える、男と女の謎に挑む、著者渾身の書下ろし。
韓国の国家的威信を失墜させる謀略“テロのオリンピック”計画が発覚した。ハイジャック、暗殺、さまざまな妨害工作、そのすべてを表面化させては、テロリストの思うつぼだ。砦洋介二佐率いる特殊部隊員たちは、密かに行動を開始した。ソウル五輪の聖火は無事に点ったか?世界的視野をもって描く、シリーズ第4弾。
若き戦士、五条友彦に危険な仕事が舞い込んだ。九州宮崎を根城に大躍進する「神州教」が、実は武力革命で日本制圧を狙っているという。この恐るべき指導者は公文剛。一匹狼の五条と陰謀グループの血みどろの対決で、「神州教」の要塞は遂に落ちる。だが五条の知らないところで、新しい危機が!活字が劇画を超える俊英の野心作。
密命を帯びた福は伊勢参宮と清水寺詣でにと上洛して禁中に参内。従三位春日局の称号を賜った福は、家光の幕閣作りに参画し、大奥では家光の男色を直して多くの側室を配し、徳川の天下を築いていく。波瀾万丈の完結編。
この物語には、そうザラに居ないようなふたりの男が登場する。ひとりは今年45歳の笹田昇介。もうひとりは、28歳が終わろうとしている大滝一郎。笹田昇介は、都心を縄張りにする一家の最高幹部にのしあがり、自分の組を率いて親分と呼ばれたほどの男だ。大滝一郎も、大阪の球団からドラフト1位に指名され、新人王まで取ってしまった。住んだ世界が違っても、ふたりとも異能の男といえるだろう。元ヤクザの親分と元プロ野球選手の男の誓いは“塀の中”から始まった。2人が狙う標的は男2人と女1人。武器は“パイナップル”。方法は奇想天外!“塀の中”で絵図はできあがった。
“善意”から生じた悲劇は、“悪意”から生じたそれよりも、よりいっそう恐ろしいものだ。天才探偵神津恭介は、ある日、美しい婦人の訪問を受けた。愁い顔の彼女が語るのは、2年前の恐ろしい殺人事件だった。犯人はすでに死刑の宣告を受け、刑の執行される日を無実を絶叫しながら待っている。神津は女の話から真犯人を推理した。しかし、何らの証拠もない。彼は婦人に、真犯人へ“決闘”を申し込ませるーという大時代奇想天外な策をさずけたのだった…!?(「私は殺される」)-表題作のほか、伝説の女魔術師松菊斎天章が住んだという屋敷で起こった怪奇殺人事件(「鏡の部屋」)など、戦後の不安定な世相を舞台にしてくりひろげられる鬼才神津恭介の、快刀乱麻を断つ名推理のかずかず!
世はあげて財テクブーム。警視庁捜査一課を5年前に定年退職した祖父の元警部矢車彦之進と2人暮らしのユカは、ちょっとおっちょこちょいだが明るく活発な京北女子大の英文科2年に席をおく美人女子大生だ。ユカのクラスでもいま財テクが大流行、なかでも、親友の庄子と奈緒は夢中。2人は庄子が帰省のおり知り合った証券会社の新入社員西野の紹介で買った株で大儲けし、すっかり味をしめてユカにまで財テクをうるさく押しつける。が、間もなく大暴落。なけなしの資金を無にした2人は西野を責め立てた。その庄子が何者かに殺され、解剖の結果、意外や庄子は妊娠2ヵ月、そしてまた殺人が追っかける。-財テクとセックス、清純なお嬢さん探偵ユカは完全な“迷路”にはまり込んだ。
「生贄を連れて来なさい」一夜、知り合った奇妙な男ケイに、なぜか小野寺慶吉は逆らえない。ケイは、相手の意思を封殺する計り知れない力を持っていた。命じられるままに生贄を送り込む慶吉。さらにケイは、恋人麻耶子まで狙っているらしい。慶吉は、すべてを麻耶子に打ち明けた。だが、摩耶子は驚くべきセリフを口にした…。長篇恐怖推理。
国の東西を秀吉勢に挟まれた、越中富山城主佐々成政の一行は、密かに厳冬の飛騨山脈に挑んだ。家康に援軍を求めるためである。だが自然の猛威にさらされて、兵たちは次々と倒れていった。無謀とも言うべきこの飛騨雪中行を、彼はなぜ敢行せねばならなかったのか?やがて明らかになる驚愕の真相とは?知将成政の数奇な冒険を描く歴史推理の傑作。
SF界にニューウェーブ旋風を巻きおこし、現代SFをリードしたJ・G・バラード。「私は、宇宙ものに背を向け、宇宙の果てをのぞくのを終わりにして、視線をこんどは人間の内部に向け、心のなかや神秘的な時間の問題というまったく新しい方向に出発した」と宣言する著者の自選短篇コレクション。「時間が語りかけてくる」「強制収容都市」ほかバラード自身によるメニューは、その手法を知り、その作品世界を楽しむための最良のテキストだ。序文としてバラードの文学宣言、また各作品ごとに自身の解説を付す。