1988年発売
アメリカがもっとも活力にあふれた時代を迎えようとしていた1945年。卓越したアイデアと未来を予測する非凡な才能で、全米を支配する自動車産業界に挑戦した男がいた。男の名はプレストン・タッカー。楽天的で明るく実行力に富み、何よりも自由を求める男…しかし彼を恐れた米国財政界は、強力な力で次々と卑劣な妨害を始めた。すべてを賭けた未来の車で巨大な敵の陰謀にただひとり挑むタッカー!時代は彼を求めていた…。ジョージ・ルーカス製作総指揮、フランシス・コッポラ監督で映画化。
満月の夜、東京・麻布の高級住宅街で、美人モデルが、首を鋭利な刃物で横一文字に掻き切られて殺された。それよりひと月ほど前にも、やはり麻布で若い美人ばかりが、心臓と性器を抉り取られて殺された。信じがたいことだが、娘たちは“悪魔の生け贄、悪魔の花嫁”として殺されたのだ。そしていま、こともあろうに緋沙子と恋人・翔の2人にも悪霊が取り憑いてしまった。突然、部屋の壁がさざ波のようにくねり出して、そこから生きた蛇がポトッ、ポトッ…。2人の裸身を這いまわり、ついには黒い蛇の群れにも埋もれてしまった。美貌のホラー・クィーンが、「血のピアス」に続いて贈る待望の“血のシリーズ”第2弾。
高校1年生の折尾久美古は、試験のヤマが当るという霊感?少女。ある日、帰宅した途端、玄関の壁のなかから声がする。唐突に“友達になって下さい”というのは幽霊少年!最初は恐怖に震えた久美古も、少年が頻繁に現れるので、不思議と慣れてきた。そして、幽霊少年の正体が気になってくる。“あなたは誰?”久美古が担任で憧れの山口先生に相談すると、霊に詳しい先生は、古着屋で買ったGジャンが怪しいという。で、2人は古着屋のある原宿へー。霊感少女のちょっぴりせつない初恋を描くロマンチックホラー。
ワンピースの裾を捲り上げ、白い臀部を剥き出しにして、犬這いの格好で交わる新妻・有紀美と実の兄・五郎。背徳の蜜の味を知り、夫の目を盗んで逢瀬を重ねる二人は、だが、官能の波に翻弄され、肉欲の果てに待ち受ける陥穽に気づく暇もなく、新たな絶頂へと昇りつめていく…。
1926年アラゴン29歳の作品。シュルレアリスト時代最後の小説で、頂点を示すと同時に次の段階への道程を暗示している。青年の幻想を夢を、現実生活を通して描く詩的作品。20年代のパリを描く、実験的な都市小説。
“不可避の死”の運命を背負った死の武器・特殊潜航艇乗員の坂田少尉と稲田二等兵曹。果たしてこの若者二人は真の勇者なのか、演技の英雄なのか-刻々とその時が近づく。軍港・呉から密かに特潜を運ぶ伊号24潜水艦内は、ハワイが近づくにつれ切迫した重い空気と狂気性が満ちてきた!。真珠湾奇襲まで単独航行1ヵ月。密室艦内に飛び交う鮮烈な男の死生観とエロチシズム。そして緊迫感-。三島由紀夫氏が絶賛した20年前の名作-今甦える!
自分は誰とも一体になれないのか。-狂人と健常者の狭間に身を置き、他者を求めながらも得られずに自ら死を選ぶ男の狂気を内側から描いて、現代人の意識に通底する絶対的な孤絶を表出した待望の純文学長篇。
アフガニスタンのカブール、カンダハル、更に昔から蓮の花の都とされたパキスタンのペシャワール、この近辺に近代国家が定めた国境を国境と認めないように幾多の遊牧の部族が住んでいる。宗派は色々あるがいずれも敬虔なイスラム教徒であり、敵には勇猛果敢な聖戦士である。当然のことながら友愛厚く誇り高い。農耕定住の日本から旅すればことごとくが違い、たちまち眩暈に陥る。シルク・ロードの自然とイスラムの民を吹き過ぎる、豊潤にして苛烈、悠遠な音調につつまれた物語の数々。
88年、夏。鈴鹿。NESCAFE AMERICANA RACING TEAM No.10、キャサリン・コバーン。鈴鹿8時間耐久レースでは、トニー・シャープレスとともに初の女性だけによる〈ネスカフェ・アメリカーナ・レーシング・チーム〉の第1ライダートシテ出場。クラッシュでトニーが鎖骨骨折というアクシデントに見舞われたが、キャサリンは棄権せず1人で走り抜き、チッカーフラッグを受けた。彼女が教えてくれたのは勇気、そして…。
「留守番電話」って知ってる?バカにしないでよ、という顔をしたあなた、あなたは本当に「留守番電話」を知っているのか?自信がぐらついた人はこの本を読んでみよう。ほかにもあなたの知らなかったことがどんどん出てくることは、この私が保証する。15の不思議な味が楽しめる、ときめきの世界へ、さあ、どうぞ。
名門の御曹司との結婚を間近に控え、幸福の絶頂にあったトレイシー・ホイットニーにかかってきた1本の電話。急いで帰郷した彼女を持ち受けていたのは、極悪人どもが仕組んだ非道極まる陥穽だった…。息もつかせぬスピーディな展開で読者を完全にトリコにしてしまうアメリカの超ベストセラー作家シドニィ・シェルダンの傑作、堂々の登場。
“余は偉大なる落伍者となって、歴史のなかによみがえる”雪の国・新潟の教室の机に彫って上京し、あえて、孤独な自己鍛練の世界に彷徨する、“精神の巨人”坂口安吾の繊細にして豪放、聖にして俗の、ダイナミックな自伝世界。
養父たちを焦土で奮われた苛烈な体験を忘れることなく、ニセの“安寧・平穏”をきびしく峻拒する野性の魂。名作『火垂るの墓』の原点を、さらに抉りかえす、持続する“挑戦の精神”。野坂昭如の文学を代表する“もう一つの”秀作。
10歳の沙江子を襲った性の暴力。性は愛しあうためにあるのなら、なぜそれが暴と共に襲いかかるのか。思春期を迎えても、彼女には愛と性の接点が見出せない。愛されたい、でも支配されたくない。“植物の性”を夢見る孤独な心は癒されるのか。すばる文学賞受賞の著者が描く、性と愛の世界。
ドイツを旅行する、片山刑事、妹の晴美、石津刑事と、お馴じみ三毛猫ホームズの一行。ある夜、古城ホテルに泊まったのだが、とんでもないことが次々と起こった。若い女性が乱暴されて、片山が犯人にされたり、子供が噴水で殺されかけたり…。やがて、一行の前に「幽霊クラブ」という正体不明のものがあらわれ、ついに殺人事件が発生!でも、そこは三毛猫ホームズたちのこと。絶妙のチームワーク(?)で果敢に謎に挑戦。ドイツより愛と恐怖をこめて、絶好調、人気シリーズを贈ります。