1989年3月1日発売
ー1938年9月、戦雲垂れこめるベルリンに集結した各国謀報機関の代表は、謀報員どうしの身の安全を保証する聖域を作ることに合意し、〈アベラール・サンクション〉の契りを結んだ。-敬愛する義父エリオットに育てられた孤児のソールとクリス。だが、成人した二人は養父の恐るべき陰謀を知る。養父の罠にかかり、消されかけたソール。アベラールの掟を破り、組織から追われるクリス。二人は血の復讐を誓った。
ー全米各地から孤児を集め、工作員に仕立上げる…。CIAのNo.2、養父エリオットが描く恐怖のシナリオ。愛は憎悪と化し、復讐に燃える二人の孤児〈黒きバラ〉の執拗な追跡が続く…。ワシントン、マイアミ、ロンドン、パリ、そしてカナダの山中へ…。-フォーサイス、ル・カレ、ラドラム…そして今、ディヴィッド・マレル。映画〈ランボー〉の原作者が放つ長編スパイ・アクション!全米ベストセラー。
1830年、「川の魔女号」はミシシッピ川をナチェズに向かって処女航海をしていた。船主アシュトンと結婚したばかりのリアリンは、深いエメラルド・グリーンの瞳に溢れるばかりの幸福感をたたえ、夫を見つめるのだった。これから二人は、リアリンの父と姉に結婚の報告に行くところだった。そんな静寂をうち破るように船首が騒がしくなった。海賊の急襲だ。激しい応酬のなか、アシュトンはライフルで撃たれてくず折れ、リアリンも船べりに追いつめられ川に転落していく。水面に浮かび、意識が遠のくなか、リアリンは夫の死を覚悟するのだった。
結婚情報サービス会社に登録して、結婚相手を探していたエレクトーン教室の講師が、アパートの自室で全裸で殺された。変質者の犯行か、それとも顔見知りの犯行か-。殺された女性の親友・榊原千亜記は、難航する捜査を尻目に、単独で“敵”を見つけ出そうとするが…。
夫と妻のこと、出産のこと、引越しのこと、職業のこと…。この世のもろもろを引き受けつつ、小説を書きつづける、それはなかなか楽ではない。生活と創作、両方にわたる喜び、悲しみ、ときに怒りもこみ上げる日々を、さりげないユーモアでいろどってつづる、自伝的な長編小説。
若い娘の肉体をすみかにし、映画俳優として成功するハンサムなノミの話、マネキン人形に恋をして身を滅ぼすノイローゼ気味のデパート店員の話etc.-ブラックユーモアと諷刺にあふれた短篇21。プロット・性格を念入りに加工し、複雑奇妙な味に仕立てあげられた作風は、ありきたりの小説に倦きた「すれっからし」の読者にも歯ごたえ十分。
腕っこきの傭兵少佐、ダウ・ステーヴァーズは、たて続けに命を狙われる。やがて犯人から招待状が届き、乗り込んだ先は“重役会”という名で呼ばれる大シンジケートの幹部会だった。世界を支配しようと計画する彼らは、ダウの力を試させてもらったという。彼らが探している品を手に入れられる男かどうかを。その品こそ、人々を思いのままに操る力を持つ宝石、メサイア・ストーン。かつてヒトラーが手にしていたという幻の宝石なのだった。
パナマ運河を閉鎖し、同時にカリブ海の入口となる各海峡を封鎖すれば、アメリカにとって軍事上貿易上大きな意味を持つメキシコ湾は無用の長物と化す。カリブ海沿岸諸国に基地を建設し、アメリカを牽制しようと画策中のソビエトは、キューバ海軍、パナマの革命軍を巻き込んで、1962年のキューバ危機以来の大海上封鎖作戦に出た。元駆逐艦乗りの作者が、自らの経験と最新の軍事情報を駆使して描き出す、ハイテク軍事スリラーの白眉。
最新鋭空母『ハリコフ』を始め、原子力潜水艦、原子力巡洋艦、駆逐艦をずらりと並べたソ連軍が、とうとうカリブ海に侵入。迎え撃つアメリカ軍は、空母『アメリカ』、戦艦『アイオワ』を中心に、原子力潜水艦、イージス艦、駆逐艦、フリゲイトなど数百隻を動員、ここにカリブ海海戦の火蓋は切って落とされた。飛びかうミサイル、音もなく忍び寄る魚雷。はたしてアメリカの生命線、パナマ運河を守り切れるか?迫真の軍事スリラー完結。
彼は15歳のとき家を捨てた。のんだくれで凶暴な父親から逃れるために。そのすぐあと故郷の町は大洪水に襲われて壊滅、父はもとより、やさしかった母も幼い妹も死んでしまった。それから今日まで十数年間、故郷へは帰っていない。「いつ帰ってくるんだね、おまえ」ある晩、父から電話がかかってきた。深い霧が忍び寄る故郷の町に、いま何かが起ころうとしていた。そして霧の中から現われたものは…。新感覚超ハード・ホラーの傑作。
少女メラニーは、雨に濡れる街角を全裸でさまよっていた。少し離れたとある家の実験室には、全身を叩きつぶされた父親の死体が横たわっている。報せを受けてローラは震えた。夫が娘を連れて姿を消してから6年の月日が流れていた。そして再会。だが娘の心は虚ろで口もきけず、ローラのこともわからない。夫は娘を実験台に何かしていたらしい…。その夜、独りぼっちの病室で少女は突然口を開いた。「扉が、12月への扉が…だめえ!」
誰かがメラニーを欲しがっていた。別の誰かは少女の死を望んでいた。そして街を覆う姿なき殺人鬼の影。一見無関係な男たちが、叩きつぶされて次々に惨殺されてゆく。すべての中心にこの9歳の少女メラニーがいた。沈黙を破って少女が叫ぶ。「あれが来る、あれが来てみんなを食べちゃう!」はたしてローラに、娘を守り抜くことができるか!?恐怖は、もうすぐそこまでやって来ている。…。究極のホラー・エンタテイメント超大作!