1989年4月1日発売
アメリカ・メリーランド州の山中深く埋められた核ミサイル発射基地。難攻不落のこの基地が、謎の集団に占拠された。最新鋭核ミサイルの発射を阻止するためには、基地へ侵入するしかない。ミサイル発射までに残された時間は十数時間。基地奪回に出動した歴戦の勇士プラー大佐率いる特殊部隊デルタ・フォースは世界の終末を救えるのか…。息づまり迫力で描く大型軍事サスペンス。
核ミサイル基地を占拠した謎の集団の正体が明らかになった。彼らはたんなるテロ集団ではなく、激しい訓練を受け、組織された軍隊だったのだ。真正面から彼らに戦いを挑む特殊部隊デルタ・フォース、州兵、レンジャー部隊。そして、廃坑のトンネルから基地侵入を図るベトナム帰還兵ウォールズと元ベトコンの女性戦士ファン。核ミサイル発射へのデッド・リミットは刻々と迫る…。
漫画の神様・手塚治虫のもとに集まった若きアニメーターたち。国産初のTVアニメなんて、ホントにやれるのか?「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」など、数々の名作アニメで人々を魅了した虫プロの興亡を、渦中にいたアニメ演出の第1人者が自ら描く、七転八倒の青春記。貴重な図版資料を多数収録。
輩出する才能、拡がる人種や世代、多様化するテーマやスタイル。今、最も活気にあふれたアメリカ女性作家たちが、この10年に送り出した短編小説の中から、12人の12篇を選り抜いたアンソロジー。
幻想と頽廃の都ウィーン。女たちの虚栄心、華麗な恋の罠、嫉妬、奸計、徘徊する密偵の渦巻くなかで、夫のいるザクセン公妃クレメンスと、若い士官オットーは出会い激しい恋におちた…。めまぐるしく展開するナポレオン戦争を背景に、その戦果に一喜一憂するハプスブルク家の神聖ローマ帝国の消長と、翻弄される一組の男女の悲劇。
作家のベルナールは、20も年の離れた青年のマルクと同棲していた。かつては、同性愛者であることは、世間の除け者として非難の対象だった。だが、今では、ライフ・スタイルの一つとして公認されている。長年、除け者として生き、そのことに衿持すら感じていたベルナールにとって、こうした風潮は喜こばしいどころか、苦々しいものだった。ところが、ある日、ベルナールがエイズ患者であることが判明し、マルクの献身的な看護が続く。しかし、新たに世間の除け者として死んでいきたいというベルナールの願いを入れたマルクは、毒薬を注射器に注入する…。
娘は、後ろ手に手錠を掛けられ、ひざまずいた姿勢で後ろから犯された後、首にまいたチェーンで絞殺されていた。そんな無残な姿で発見されたのは、フィラデルフィアの街から次々と失踪を遂げていた少女のひとり、テリ・ディフランコだった。警察は連続殺人事件として捜査を開始し、やがて、ピーターという謎の男の存在を突き止めた。だが、彼の所在を示す手がかりは何ひとつ見つからず、捜査は暗礁に乗りあげた。警察の不首尾を嘲るかのように、ピーターは残忍な犯行を重ねていくが…。はたしてピーターの正体とは?そしてその異常な行為の裏に隠された秘密とは?歴史に彩られた街フィラデルフィアを舞台に期待の大型作家が放つ、官能とサスペンス溢れるサイコスリラー。
1週間後には死刑が執行される婚約者の無実を証明してほしい-状況からいってもあまりにもきびしい仕事だ。だが、私立探偵アロー・ナジャーは、不思議な魅力を持つ娘キャンディ・アンのたっての頼みを聞き入れることにした。依頼人の婚約者カーティス・コルトは、酒屋の主人の妻を殺した廉で逮捕されていた。ナジャーは目撃者を訪問し、事件の再構成を始めた。が、何者かが彼を尾け回しはじめたばかりか、目撃者の一人が飼猫を惨殺され、無言の警告を受けるという出来事まで起ったのだ。真犯人が別にいるとの確信を強めたナジャーは、身に迫る危険に怯えながらも事件の裏に隠された秘密に近づいていったが…?人間味溢れる探偵ナジャーの魅力がますます輝く第3作。
超音速戦闘機や装甲ホバーに乗りこんで21世紀アメリカの荒廃しきった中西部をつっ走り、危険なブツを命がけで運ぶパンツァーボーイ。その中でも、カウボーイは伝説的存在だった。全身にハイテク機器を埋めこんで、航法コンピュータや攻撃システムと脳を直結できる“ハードワイヤード”として、彼は危険にみちた灼熱の砂漠や夜の闇を疾走する。だが自由を愛する彼の心には、地球を荒廃させておきながら、軌道上で甘い汁を吸うばかりのコンツェルンへの憎悪が、次第にふくらんでくるのだった…。ハイテクとバイオレスあふれる話題の近未来SF。
カウボーイの怒りは爆発した。軌道コンツェルン同士の抗争のあおりをくって、彼の属する運び屋グループが、別の集団に不意うちされたのだ。地球を荒廃させおれたちを食い物にしながら、人工コロニーで安逸な暮らしを送るあいつらに、目にもの見せてやる!かくしてカウボーイは、美人ハードワイヤードで腕ききボディガードのサラと手を組み、仲間たちの力を結集して、圧倒的な戦闘力と経済力をあわせもつコンツエルンを相手どり、乾坤一擲の大勝負にうって出た…。冒険SFの期待の新星が放つファン待望のフルスピード・サイバーアクション。
市井の哲学者、科学者、芸術家を自負する一風変わったメンバーからなるトリスメギストス・クラブに、ある日、盗賊が侵入した。どうやら、エントロピーを逆転する力を持つホムンクルスを狙ってのことらしい。だが、その伝説の小人がどこにいるのやら、当のクラブのメンバーさえ知らないしまつ。あまつさえ、この小人をめぐって暗黒街の黒幕、マッド・サイエンティスト、狂信的な伝道師、はてはゾンビまで現われて、事件は混乱の一途をたどるが…。ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に奇人・変人・狂人が暴れまわる、話題のスチームパンク登場。ディック記念賞受賞。
悪戦苦闘の末にワニたちはカルロスを倒した。だが、カルロスは死んでなお崇るとんでもない奴だった。死体から流れ出る“闇”が人々の超能力を暴走させたのだ。死体を燃やし尽くしていったんは危機を脱したが、呪術を修めたクサフリの破滅への予感は強まる一方。かくて、ワニたちは大陸の西へ赴くことになった。破滅の原因を解明すべく、かつてこの惑星を発見した後、大峡谷に消えた無人探査船の伝説を求めて。だが、マリエや少女アンドロイドらとの珍道中は、途中、奇妙で兇暴な盗賊団との遭遇により、思わぬ道草を食うはめになるのだった…。
軍需品製造会社に勤務する平凡な経理課員ビルソンが、突如失踪した。同社の保安を担当するスタフォードは、早速調査を開始。その結果、彼の父親が1936年にサハラ砂漠で消息を絶った飛行家で、その父を中傷する新聞記事が、ビルソン失踪の原因らしいことをつきとめる。スタフォードは事件が会社と無関係と見て、調査の打ち切りを決定。だがその直後、何者かに警告の襲撃を受けた。事件の背後には、何か秘密が隠されているのか?スタフォードはビルソンの足どりを追ってサハラへ飛ぶ決意を固めた。冒険小説の醍醐味を満喫させる巨匠の会心作。
ニューギニアの奥地で弟が不慮の死を遂げた。-オーストラリアに住む兄ロッドのもとへ訃報と共に柩が届けられるが、奇妙なことに、その中には別の人間の遺骸が入っていた。しかもその柩は、何者かに奪われてしまった。いったい弟の身に何が起きたのか?真相を探るべく、ロッドはニューギニアの奥深くへ踏み込む。だがそこで、彼は思わぬ危機に巻き込まれた。折りしも部族間の血の抗争が勃発、そして欲に憑かれた男たちが、ダイヤモンドの原石をめぐって壮絶な争奪戦を始めたのだ!地上最後の秘境を舞台に、鮮烈な筆致で描く冒険アクション。
演劇評価家ジャドスンは、50年前に一度命を狙われたことがあった。今、深夜に一人で原稿を書いている彼を、老練な俳優スピヴィーが訪ねてきた。そして、かつての狙撃未遂事件の犯人は自分だ、演技を酷評された恨みからやったのだと、冷たい声で告げたのだ、ジャドスンは震えあがった。スピヴィーは、今になって50年も前の恨みをはらそうというのか?それとも他に目的が?…一つの劇評が招いた悲喜劇を描く、上記「イーストポートでの再演」をはじめ、映画、奇術、音楽などエンターテインメントの世界に材をとった、人目をあざむく15の犯罪。
アメリカの神経物理学者アルバート・モリスンは、退屈な学会にあくびをかみ殺していた。全精力を傾注した研究は異端視され、今や出世の望みもない。だが、そんな彼を、ナターリャ・ボラノーワというソビエトの美人科学者が訪れた。彼女はいきなり、こう切り出した-「いっしょにソ連に来てほしい」と。驚きはそれだけではなかった。アメリカでは夢物語と片づけられている“物体のミクロ化”が、ソ連では国家的プロジェクトとなり、しかも実用化されつつあるらしいのだ。興味をひかれながらもソ連行きをしぶるモリスンに、追いうちがかかる。アメリカ政府もソ連の極秘研究には関心をもち、この無限の価値がある技術をモリスンに入手させたがっていたのだ。かくして、誘拐同然にソ連国内へと連行されたモリスンは、そこで想像を遥かに超える物体ミクロ化技術の全貌を、まさしく、身をもって体験させられることになった。名作SF映画から22年、巨匠アシモフが最新の科学知識を縦横に駆使し、構想も新たに放つ驚異の人体アドベンチャー。