1989年5月発売
ど、どうしてそうなるんだ。シャンディ教授はうめいた。ホースフォール農場で起こった怪しげな事故死。他殺の線を考えていたら、近所にある冴えない石碑が正真正銘ヴァイキングの遺跡らしいと知れたとたん、事件もその呪イのせいにされてしまったのだ。悪夢のように押しよせる野次馬の群れのなか、果して捜査は行えるのか?好評ユーモア第三弾。
ソビエトが月軌道上に建設した巨大な宇宙島。ソ連政府当局は、これこそ彼らの宇宙計画の平和的目標の象徴であると主張した。しかし、合衆国国防総省の見方は違っていた。この宇宙島には強力なX線レーザーが積み込まれているに違いない。平和目的どころか、これこそ究極の攻撃兵器なのだ。この謎を解くため、二人のエージェントが送り込まれたが…。
監視の目をくぐって監房を抜け出したマッケインたちは、〈テレシコワ〉内部の偵察に乗り出した。だが、武器のたぐいはいっさい発見できない。では、〈テレシコワ〉はソ連のいうとおりに平和目的のスペース・コロニーなのだろうか?しかし、マッケインたちは、それでもどこか心にひっかかるものを感じていた。このコロニーはどこかが狂っている。
暴力をふるう夫を、レズビアンの恋人と謀って毒殺した実際の事件を基に、夫との出会いから裁判に至るまでの、刻一刻の女の心理を鮮やかに描き出す。『ベルリン・アレクサンダー広場』で大都市小説の金字塔を打ち建てた奇才デープリーン異色の実験作。
秀吉の死、家康の独断専行ー危機的状況の中で、主家の滅亡を防ぎ天下を安堵するため、一身を捨てて立ち上がる三成。そのやむにやまれぬ行動を、淀殿との人間的ふれあいを折り込みながら、ダイナミックに描く長編小説。策士・奸賊という従来の三成観をくつがえす、著者渾身の力作。
新宿のドヤをねぐらにしている加藤剛介は、探偵が本業だが、あまり仕事熱心とはいえない。その剛介に、もと美容師をしていた娘の行方を捜す、という仕事が舞いこんだ。早速、調査を開始すると、かつて同僚だったルミ子が剛介に好意以上のものを示し、アシスタント役を務めてくれた。調査が進むにつれ、美容師の単なる行方不明事件だけでなく、同僚が何人も死んでいることが判明し、背後には凶悪な犯罪が潜んでいる臭いがぷんぷんとしていた。剛介自身の生命も危機にさらされ、また警察からもマークされ、剛介は退くに退けぬ状況に追いつめられていった。大都会新宿を舞台に正義派の著者が渾身の力でペンを揮う書き下ろし長編バイオレンス。
おれは、必ず有名人になる。もしその才能がなければ、金持ちになって名声を手にしてやる。拝原欣次はこうして財産のある女性を狙う。志摩子はレストラン・チェーンの女社長。豪華な邸宅に住み、伊豆と軽井沢に別荘を持っている。年齢は一回り上の44歳だが何、構うものか、金のためだ!こうして拝原は志摩子と結婚する。ところが夢は無残に破れて拝原は僅かな金を受け取るだけ。裏切られた思いの拝原に殺意が芽生える。完全なアリバイを設定し、妻が在宅なのを確かめて寝室に忍び込んで殺そうとするが意外や意外そこには…。緻密な、二重三重に用意されたトリック、絶対失敗のない殺人計画、それが何故?本格派の巨匠がサスペンスを充分に盛り込んだ書き下ろし傑作長編。
夏休み中のある夜、光風学園高校の敷地内にある紫水殿から仏像が盗まれた。宿直は大苗先生だった。その先生、犬や猫の言葉を理解できるので犬猫先生と呼ばれていた。その後も殺人、誘拐など事件は続発し先生は苦境に立たされる。それを助けるのが愛犬スージー、愛猫トミー、それに教え子のモッペル君、彼らの協力を得て先生は犯人を追いつめていく。
19時25分新宿駅4番ホームに到着した〈あずさ18号〉から、最後の乗客が下り立っても夫は現われなかった。首をかしげながら車内に入った妻は、座席で寝入っている夫を発見、肩を叩いた。その瞬間、夫の体はくずおれた。口からアーモンドのような甘い香りを漂わせて。-列車内の死者は無差別殺人の犠姓者か、それとも?著者渾身の長編ミステリー。
竜崎三四郎、自称はみだし刑事ーところがどっこい特別製の45口径拳銃を扱わせては天下一、おまけに男っぷりと気っぷが良く柔道空手の高段者。そんな凄腕野郎が悪のグループ群れる名静市に乗りこんできた。暴力団、密輸屋、暴走族といずれ劣らぬ悪ども相手に鉄拳が唸り拳銃が火を噴く。ただし泣き所もあって女と酒にはメチャ弱い、変ったヤツ!
ラシーク対アリサ。あの壮絶な戦いから、およそ1000年の月日が流れた。その後アルゴル太陽系はさらに発展し続け、巨大なコンピュータ・マザーブレインが総ての星を管理し、平和で豊かな暮らしを築き上げるにいたった。だが、ある日、アルゴル太陽系に不気味な怪物が出現した。バイオモンスター。バイオシステムの作り出した悪性動物だ。ヤツらは、平和な暮らしに慣れきった人々を襲い始めた!総督から、バイオモンスターの秘密を探るように命令されたユーシスは、妹ネイを連れてバイオシステムへと旅出った!!
オレは流れ者の魔物バスター。名前はない。ただ、ひとはオレをファイターとよぶ。ある日のことだ。ここコーネリア国をおさめるアルデ4世からお呼びがかかった。「この世の魔王ブレードひきいる魔物どもに、おびやかされている。世界に平和をとりもどすために、コーネリアの古い伝説に語られる、悪しきものを打ち倒すという破邪の宝玉ーアライの玉をさがしてもらえないだろうか」魔物どもには、いろいろ借りもあることだし、よろこんでひきうけることにした。
トロントの老舗出版社の社主が地下鉄にひかれて死亡し、その数日後、ニューヨークの大手出版社の社長が殺された。彼らと面識のあった女性ジャーナリスト、ジュディスは友人の出版社社員マーシャと共に調査を始め、死んだふたりが同一の原稿の出版を計画していたことを知る。が、問題の原稿は消え失せていた。しかも、その行方を追ってロンドンへ飛んだマーシャを待つのは第三の死。果たして幻の原稿に秘められた恐るべき陰謀とは?
エスキモーとヨーロッパ人捕鯨船員の共同生活が徐々に破局へと至る物語を通して、19世紀末エスキモーの独自な社会構造を、勇壮な狩猟生活を、おおらかな性を、詩情豊かに生き生きと描き切る。
エリック・リーベンー天才的な遺伝子工学者。彼はその才能を武器にベンチャー・ビジネスを成功させ、莫大な財を築いていたが、別居中の妻レイチエルと口論した直後、自動車にはねられて即死した。しかし、奇怪なことに彼の死体が、市の死体公示所から忽然と消失した。この報せをうけたレイチェルはあることに思い当たったが、それはあまりにも恐ろしい想像だった。信頼する恋人ベンとともに極秘の調査を開始したレイチェルの前に、謎の追手が立ちふさがる。一方、エリックが手がけていたプロジェクト〈ワイルドカード〉の機密流出を恐れた防衛保安情報局の高官アンスン・シャープも二人に対する追跡を開始した。〈ワイルドカード〉とはいったい何なのか?エリックになにがおこったのか?日本でも人気集中、モダンホラーの鬼才クーンツが放つ、超大型サスペンス。
不老不死を実現する野望に取りつかれた天才的遺伝子工学者、エリック・リーベンは自らに施した遺伝子工学的処置〈ワイルドカード〉によって死から蘇った。しかしその副作用は激烈だった。暴走する遺伝子は彼を怪物へと変容させた。額に角が盛り上がり、尻尾が生え、体に鱗が生じた。彼は地上に現れたこともない爬虫類の怪物へと変容していったのだ。だが、エリックは怪物と化しながらも、自分から離れていった妻への復讐の念に燃え、レイチェルを追う。また、情報局の高官シャープ、そして正義派の警官たちが三つ巴、四つ巴となって彼らを追いつづける。奸計により、指名手配されラスベカズへ向かって砂漠を移動するレイチェルに、もはや人間の姿をとどめなくなったエリックが襲いかかったー。鬼才クーンツがくりだすストーリーは最後まであなたを絶対に離さない。