1989年発売
影地球、東洋暦12世紀。ピョウー族とハラー族は永遠のライバルとして天下の実権をめぐり血で血を洗う戦いを展開していた。しかし、その裏には、影地球を魔空界のものにせんとする妖魔たちの陰謀が渦巻いていた。血気盛んなサムライ少年ウシワカは打倒、ピョウー族にもえるが、少しずつその背後に隠れた、虚眼憎正をはじめとする巨大な邪悪の力に気づき始める。勇気りんりん、無鉄砲で、女にコにはからきし弱いウシワカは、海乃善尼の指示で兄のイマワカ、オトワカと出会うために旅立つが、行く手には無数の妖魔が待ちうけているのだ。
アラビア海に浮かぶ小島で米国がミサイル基地を建造しているのを、ソ連の偵察衛星がキャッチ。激怒したクレムリン首脳はソ連海軍インド洋艦隊をアラビア海に派遣するが、米国は空母ニミッツを旗艦とする58機動部隊でこれを迎え撃とうとする。第三次世界大戦の危機が高まる中、レーザー兵器によって米ソ両国の偵察衛星が破壊され、ついに史上初の米ソ両艦隊の直接戦闘が勃発!エスカレートする米ソのパワー・ゲームの結末は?
東京の高級住宅街広尾。雨あがりの児童公園で初老の男性の他殺体が発見された。被害者は、出稼ぎの地下鉄工事従事者。第一発見者となった渋谷暑の新米刑事・清水は、現場に残された車輪の跡を手掛りに、営団地下鉄より派遣されたエリート広報課員藤林の協力を得て、捜査を開始する。その直後、同じ広尾でサラリーマンが殺される事件が発生。その妻の意外な証言から、二つの事件は微妙に絡まりあってきた…。地下鉄道網を舞台に錯綜した人間関係をサスペンスタッチで描く書下ろし長篇推理。
「お前の母親は、実は殺されたのだ…」十九歳の美津子が、今はの際の祖父の口から聞いた思いもよらぬその言葉…。だが、事実関係を質す間もなく、彼女は父と継母、それに夫の手によって強引に室外へと連れ出されていた。この時を境に、十六年前の真相を求める美津子と大手観光会社を経営する一族との間に激しい不信の渦が巻き起こり、そして新たな惨劇が…。長編サスペンスミテスリー。
推理作家荒木康之の妻智子が信州安曇野の別荘で絞殺された。死体の第一発見者となった編集者・笹谷美緒ははからずも事件に巻きこまれる。同じころ奥多摩山中でも若い女性の絞殺死体が発見された。全く別個の殺人と思われたこの二つの事件…。だが、被害者同士の行動が微妙に絡みあった時、浮かんだ容疑者には、鉄壁のアリバイが…。御存知名探偵コンビ美緒とその恋人が大トリックに挑む長篇推理。
少女の若草のような甘い香りが青年の心を狂わせる。可憐な紅唇を脹らみかけた乳房を生え揃わぬ陰毛を恥ずかしげに顔を出す肉芽を啜り、舐め回し、貪り尽くす。青年の剛直が羞恥に震える粘膜を割ったとき愛らしい少女は淫らな性奴へと変貌する…。
合唱団で美しい歌声を響かせる美貌の人妻。その美しい音色に淫獣たちは引き寄せられる。ガレージで、公衆トイレでいつもと違う淫戯に抗いながらも、いつしか熟れた秘唇から甘い濡蜜をしたたらせ美しいソプラノで歓喜の声をあげる。
人々が寝静まった深夜のロンドン。あらゆる物質的快楽に倦み果てた者たちが集まる秘密のクラブで、世にも残酷な死のゲームが繰り広げられる。享楽の果ての退廃した人間の姿を仮借なくあばき出した表題作のほか、美しい1個のダイヤモンドをめぐって次々に起こる奇怪な事件を描いた「ラージャのダイヤモンド」の2篇を収める。
時は昭和12年、所は満州。アカシアの木立ちの梢越しに見え隠れした、巨大な無限軌道車の上に乗ったカラクリ人形のような怪物機械の出現が、遊星人類と地球とのファースト・コンタクトであり、地球人類の代表たる日本軍は、未曾有の混乱を起こし…その星狄来襲に立ち向かう“新・昭和遊撃隊”の活躍は…。