1989年発売
アメリカ南部ジョージア州のタバコ地帯を舞台に、社会の発展に取り残され荒廃したプア・ホワイトとよばれる農民達の貪欲・無知・背徳の生活を描き、コールドウェルの名を一躍世界的にした傑作。
カナダを訪れたアンジェリクは、30年ぶりに長兄ジョスランと再会した。だが、その喜びもつかの間、ケベック警察の執拗な追及の手が彼女に迫る。しかも、3年前アカディアの森で殺された筈の魔女モードリブール夫人が今も生きているという新しい疑惑が、アンジェリクを恐怖におとしいれた…。
あの信濃譲二が劇団〈神技〉に参加したとき、「殺人者」が緻密にそして大胆に作りあげた「仕掛け」はすでに作動していた。劇中で三人の命を奪うために用意されたナイフが、公演初日、本物の血を吸ったのだ!作中に巧妙に隠されたダイイングメッセージが信濃によって解読されたとき、読者は言葉を失うことだろう。
超能力ジャズカルテットが活躍するライブハウスの傍で殺人事件発生。カルテットのメンバーのひとり比嘉隆晶は、何かに怯える金髪の少女に助けを求められた。少女の持つ超能力を軍事利用して、世界制覇を狙う国際テロリスト団の存在を知った若きジャズメンは、敢然と彼らに立ち向かう。痛快アクション小説。
現存世界の背後に潜む幽冥な魔窟シャンバラに謎の女・紅孔雀を捜しに火雷厳道が現われた。この地で春をひさぐ女たちの魂を救う火雷厳道の底知れぬ熱力に、シャンバラの支配者や魑魅魍魎は怯えた。妖しい美女との淫楽、羅刹の座をめぐる凄惨な戦い!官能とバイオレンスが噴出する傑作シリーズ第1弾。
岩手県で1年間にわたり、UFOの目撃者が続出、そして奇怪な焼死体さえも!だが、このUFO騒動には黒い魔手が存在するらしい。疑惑を抱く超能力者霧神顕たちは、怖るべきパワーの魔手と闘い、傷つきながらも、ついに魔の本拠・総門谷に潜入した。そこで目にした驚愕の光景とは?構想15年を費したSF伝奇超大作。
世の中が、ずっと貧しかった頃。クリーネックス・ティシューもまだ日本に入ってきていなかった、そんな時代にひたすらアメリカに焦がれ続けた青年重吉と、演劇に熱中した娘椙枝。愛と希望だけが頼りの、そのふたりのひたむきな生、揺れ動く心の襞を、鮮やかに浮かびあがらせた、直木賞受賞の名品集。
美人宝石デザイナーの死を、警察は自殺と断定したが、義理の息子・俊彦は死因に疑問を持ち、独自に調査を始める。俊彦は義母と不義の関係があった。嫉妬に狂った父の犯行か?調査を進めると、義母が莫大な借金をしていたことや有名俳優との不倫の関係が明らかになる。バイオレンス・エロスの輪舞劇。
“生と死”とドラマチックに描く短編小説集。処刑を目前にした死刑囚と面接委員との心の交流を鮮やかに描いた「メロンと鳩」、毎月数十数人もの自殺者が飛びこむ断崖をひかえた村を舞台に、“その瞬間”を警察官の子供の眼からとらえた「島の春」など、吉村昭の多彩な小説世界のエッセンス10編を収録する。
魔女がかいた肖像画からぬけだして、わがままばかりいうおばあさん(「エバリーン夫人のふしぎな肖像」)、雪深い温泉宿で起こる奇妙な光景を見ようと、露天ぶろにでかける月子のおばあちゃん(「ふしぎな忘年会」)-など、ふしぎなおばあちゃんがいっぱい登場する、柏葉幸子のファンタジックワールド。楽しくてユーモアあふれる12の短編を収録。
幼少からの孤立感、“悪い仲間”との交遊、“やましさ”の自覚、父母との“関係”のまぎらわしさ、そして脊椎カリエス。様々な難問のさなかに居ながら、軽妙に立ち上る存在感。精妙な“文体”によって捉えられた、しなやかな魂の世界。出世作「ガラスの靴」をはじめ、芥川賞受賞「悪い仲間」「陰気な愉しみ」ほか初期名品集。
突然、泉が街なかにできて、その中に入った男が、引きこまれるように沈んだ…。そんなことを知らない人々は〈愛の泉〉と称して新名所に浮かれていたが、エリカはその泉に、なにか得体の知れぬ邪悪なものの存在を感じていた。だれかの陰謀?それとも呪い!クロツクとエリカの活躍が始まった。表題作の他に「ある吸血鬼の肖像」を収録。
その日、学校で、すばらしくすてきなことがあった。同じクラスでバスケット部のエースの上杉和典ーチアガールをキャアキャア言わせてる彼から、デートに誘われた。「今夜、天満宮の宵宮、いっしょに行かないか」って。あたしは、ゆかたで出かけることにした。しかし、夕方、大変なことが起きた。母が倒れたのだ。あたしは宵宮ではなく、病院の待ち合い室で、うつむいたまますわっていた。
高校生ながらもコピーライターとして活躍する、お元気少女パセリ。ある日広告プロダクション〈アド・バルーン〉を訪れると、そこにはブラジャーを着けた男の姿が…!「ギャワッ」と叫んでしまったパセリだけどフロント・ホックのブラのキャンペーンが次の仕事と聞いてホッ…。ブラのコピーを考えながら、陰険な部長・深雪のいる文芸部の合宿に行ったパセリだが。大好評HB物語第2弾。
近々“青い猫”をいただきにあがります。怪盗紅真っ赤ーミチオクンの家に遊びにいったとき、赤いキス・マーク入りの手紙が届いた。ミチオクンは10年ぶりにアメリカから帰国したいとこ。青い猫って、すごい価値ある名画なの。でも、あたしはミチオクンの家で出会った有川ひとみってコが気になって、小学校の同級生・大助クンに相談してみた。と、またしても明石刑事と北野刑事が出現した。怪盗・紅真っ赤シリーズ2。
由季はデイリー・タイムスの記者。高校の同窓会で後輩の瑛子から、行方不明の父、洋介の捜索を頼まれた。彼は宝石デザイナー。ちょうどそんな時、世界を股にかける怪盗チャンス・ローリーがダイヤ、RAYブロックを狙って日本に来た。洋介の行方不明の背後には何があるの?ダイヤはどこに?宝石密輸組織って何?由季を中心に記者仲間や友人、後輩達が、東京と神戸を舞台に大活躍。
ムフフ…あー、顔がにやついちゃうな。あたし(八彦沢リサ)って、ホントはとてもカワイイ女の子だったのね。だって今日、16歳にして、なんと3人の男性から「プロポーズ」されちゃったんだよ。さっそく“青山グルメガールズ”の仲よし歌子とめぐ、そしてライバルの銀四郎にも報告したのだけど、ね!やせたい女の子も必読。恋とゴチソウが、いっぱいのおいしい物語。
あたし、小原舞子、18歳。人気マンガ家神月センセのアシスタント兼駆けだしの新人マンガ家なの。同志でBFのトオルくんとは、コミケ(同人誌の展示即売会ね)で一緒にがんばったりといいムードだし、初の長編の原稿依頼もきて、絶好調の日々。ところが、ライバルの桐生さんがアシ仲間に加わってからというもの、なんだか心がもやもやしはじめて…。好評舞ちゃんシリーズ、第3弾。