1990年11月発売
あたし、28歳の淫乱な女課長なんです。社長をはじめ、部長も、平社員も、あたしのムチムチの肉体が目当てで、舌なめずりして寄ってくるんだけれど。あたし、気の向いたときにしか、このからだを投げ出してやらないんです。でも、仕事がらみだと、イヤな相手にも、つい、させてしまうことが、あるんだけれど。で、あたし、ある建設会社に沖縄のゴルフ場の建設を安く請け負わせるため、その建設会社の実力部長に近づき、彼の沖縄旅行に同行して、熟れきった肉体をフルに使って迫ったんです。あたしの必死のお色気戦術でも陥落しない部長に業を煮やして、あたし、とっておきの奥の手を使ったんです…。
「逃げろ!お前、殺されちまうぞ」それは突然やってきた。正体不明の男たちが、ひたひたあとを追ってくる。次から次と襲ってくる。その数なんと五、六百…。逃げだしたのは岡田遊子、24歳。見かけは平凡なOLだが、実は彼女には秘密がある。悪夢を誘う謎もある。ひょんなことから知り合った2階の男が、救いの手を差し伸べてきたように見えたが…。スリルとユーモア、恋とアクション。読みだしたらとまらない、書き下ろし傑作長編ロマンチック・ミステリー。
花奈の作ったポプリで現代によみがえった、古代レムリアのファシーネ王子。人気アイドルとなって、主演映画を撮ることになったが…。『恋のポプリを抱きしめて』の第2弾。
天野美鈴、高校1年生だけど、剣道の達人。ロスから修業に来てるジミーとは両想い…のはずなのに、ジミーの幼ななじみクリスの出現でー『好きよ!バンカラボーイ』続編。
砂漠のどこかにあるという伝説のピラミッド。その謎を追い、不二子はアマゾンへ飛ぶ。待ち受ける危険も知らず…。いっぽうルパンは秘宝「炎の涙」を盗むべくギリシアにいた。強奪に成功したルパンであったが、敵の追撃に遭い、セスナ機もろとも地中海へ墜落。その事故でルパンは記憶喪失に…。ルパンと銭形、2人の奇妙な脱出行が始まり、舞台は砂漠へと移る。はたしてルパンの記憶の行方は?そしてピラミッドの謎とは一体…!?
燃える船上で盲目の美少女白麗華は、希代の使い手李百姫と対峙した。百姫は相手が凄い拳法の使い手であることを、最初の攻撃を外された瞬間に悟っていた。炎は次第に火勢を増していた。鋭い百姫の蹴りを宙に舞うようにかわすと、それを予測していたように百姫が宙空の麗華に右手のナイフをハッシと投げた。-好評〈少女拳シリーズ〉の第2弾。
アルバイト先で星夫が売ったアイスクリームを客がひと舐めした途端、胸をかきむしり悶死する。その時通りあわせた美女のスカートがめくれ星夫の目はそちらに釘付け。しどろもどろの説明しか出来ず星夫は毒殺犯に間違われる。潔白を証明すべく美女を追って入りこんだ所は母神教本山だった。そこでも後継者争いから怪事件に巻き込まれ四苦八苦…。
川越藩の城代家老・早川主馬は、自分の娘を藩主の妄にさし出し、その妄が生んだ千若を藩のあと継ぎにしようと奸計をめぐらせていた。その陰謀を知った井上伝八郎は、悪家老一味に敢然と立ち向かう。剣をとっては無双、言を吐いては剛直な伝八郎にふりかかる、試練のかずかずー。秘剣、剛剣、妖剣入り乱れる痛快時代娯楽の表題作とほか2編を収録。
平和だった忍の国に、ドクロ将軍率いる悪の忍者軍団が現れた。忍の国を創り上げたラホイは、そのドクロ将軍に石にされてしまったのだ。人々が夢も希望も失いかけていたそんな時だった。雲谷斉というベテラン忍者に育てられた主人公風丸は、ドクロ退治の旅に出ることを決意したのだ。しかし、ドクロを倒すには、5つの巻物を手に入れその謎を解き、最強の忍術を身につけなければならなかった。はたして風丸は忍の国の平和をとりもどすことができるのか?仲間と力を合わせ、必ずやドクロ将軍を倒すのだ。
アメリカとソ連首脳の平和サミットが間近に迫る頃、一隻の中国の原子力潜水艦がひそかにハワイ沖へ向けて出発した。彼らを派遣した将官が目論むのは世界制覇。そのためにサミット初日に米ソ両国をミサイル攻撃して第三次大戦を誘発させるのが艦の使命だつた。情報を察知した米海軍は未曽有の破局を回避すべく、ソ連に協力を要請するが…。深海に展開する米・ソ・中原潜の死闘。ハイテクの粋を駆使して描く軍事スリラーの傑作。
戦後の業界再建に一丸となっていたアイチ自動車が突然の経営危機に陥った。社長の佐一郎は全策に奔走するが…。メインバンクたる関西系都銀の冷酷なあしらいの前に万事休した時、支援の手は意外にも…。日銀の底力と人脈の妙、そして一人の女。トヨタの怨念と15年目の復讐をモデルに描く迫真の経済小説。
私立探偵・萩原が中本澄江から依頼された浮気調査は一流会社に勤める夫とバーのママを別れさせるというありきたりの仕事だった。だがその仕事を受けた直後、萩原の行動を阻止すべく暴力団が動き出し、情報提供者が殺される。事件の裏に陰諜の勾いが?萩原は失踪した中本の行方を追うが、その行く手には凶悪な銃口が立ち塞がっていた…。銃撃戦とカーチェイス。ベトナム帰りの私立探偵・萩原大吾の活躍を描くPART1。
「新しい日本国は俺の頭脳から生まれる」。佐賀鍋島藩のどん底武士の家に生まれた新平は、八面六臂、彗星のように維新政府の司法卿に躍り出ると強烈な自信と学才を駆使して僅か一年で法治国家の礎をつくったが-。官僚制国家を目ざす大久保と、自由民権国家を理想として燃える新平の間の亀裂-「維新の志を忘れ腐敗の限りを尽くす巨悪」にただ一人で挑戦した新平は、佐賀の乱の鎮静のために西下、大久保によって首魁にされ、太政官法廷での大論陣の計画も空しく、暗黒裁判で梟首刑に-。現代の病根の源流に肉迫。
生を少しずつ感知できなくなっていく男の不安と哀しみを描いた「天の声」、日常に欠けたささやかな意外性、創造の発見を求めてパイプを削る「サンライズ・クラブ」など、不可解な笑いの黒い影を淡々とした文体で浮き彫りにした最新作品集。
恐怖と笑い、幻想とリアリズム、痛烈な諧謔ー。稀有の文章で自らの世界を紡いだ百〓@6BE1文学から、『冥途』『旅順入城式』以降に執筆された短篇小説21篇を初めて1冊にまとめ、現代かなづかいにしたアンソロジー。
フランキーが十二歳の夏は、不思議な奇妙な季節だった。背ばかりひょろひょろ伸びてはいるが、友だちらしい友だちもいない孤独な少女フランキーは、兄が結婚することを聞いてある決心を固める。ひと夏の終わりに、多感な少女期の終わりを象徴的に重ね合わせて描いた、マッカラーズの代表作。待望の新訳。
黒魔術の痕跡が色濃く残る孤島を訪れた14歳の少年マイクと父ロバート。ロバートの友人トニーの娘リザは、島にはまだ魔女がいる、義母ジャナインも魔女だ、という。もちろん大人たちはそんなことは信じない。マイクだって信じたくはなかった。だがやがて本当に恐ろしいことが起り始めて…。本邦初訳の恐怖小説の佳編。
いなかの古い館で暮らすことになった13歳の少女マリア。さびしい森にかこまれたその館では不思議なことがつぎつぎとおこります。額に銀の角をもつ伝説の白馬(ユニコーン)に導かれ、マリアはその謎にいどみますが…。幻想豊かなファンタジーの傑作、待望の復刊。第9回カーネギー賞受賞。