1990年3月発売
東京・青山にある東洋商事の別館では、様々なオカルト現象に社員たちが頭を抱えていた。一方、経理課では、苗字の最初の音がアからエまでの4人のOLがいたが、その阿妻と入間の2人が屋上から墜落死した。続いて宇田が殺され、あいうえお連続殺人の様相が…。仕組まれた罠か?ビルにまつわる超常現象か?推理ホラー傑作。
燦然と輝く黄金づくりの天冠を額につけた巴御前は、この国を一人でしろしめす院政という名の独裁政治を国民の大衆僉議による新しい国づくりに変えるべく、愛する義仲と共に都入りを果たしたが…。
ロンドンの歓楽街ソーホーの貸しスタジオで発生した大量殺人事件。被害者はカメラマンと助手とモデルの男女。男はボディービルダー、女はアルバイトの女子大生。ボディービル専門誌のグラビア撮影中の惨事だったというが、はたして真相は?犯人の動機は?貴族階級出身の異色警視ペリー・トリソワンが、ネオンの巷に姿を消した犯人を追う。-好評『拷問』に続くシリーズ第2弾。“鋭い切れ味と抜群のユーモアセンス”と英米マスコミ絶賛。
英秘密情報局局員バーナード・サムソンは陰鬱な日々を送っていた。3年前、妻フィオーナがモスクワに亡命して以降、局の同僚や友人の目は冷たい…。そして発覚した莫大な公金紛失事件。妻はこの一件にからんでいるのか?警告を無視して、サムソンは真相を探る決心をした。ワシントン、ロンドン、ベルリン…そしてカリフォルニアで…。-ベストセラー3部作『ゲーム/セット/マッチ/』に続く新3部作『フック/ライン/シンカー』第1弾。
ロッキー山脈に抱かれた町バスティッド・フラッド。カントリーミュージックのスーパースターだったエンジェルは、いまは、酒場の女主人だった。さて、店を閉めることにしよう。そう思いドアの方を見ると、そこには見慣れない男が立っていた。豊かな髪。野性的な体つき。惹かれる心を押さえ、無視しようとすると、「仕方がないな…」男はつぶやくと同時にエンジェルを肩に担ぎ上げ-。
新聞に載っている写真に、ジャズは驚いた。イーサン・ワイルディング。ボストンの名門出身の銀行家。私を泥棒とまちがえた男-。非行少年カウンセラーをしているジャズは、腹を立てていた。まったく言いがかりもはなはだしい。車のホイールキャップを盗んだ少年をさとし、それを元の場所に戻してあげただけ。それなのに、車の持ち主に泥棒と思われてしまうなんて。後日、こんな相手に再び会うことになるとは夢にも思わなかった。
オスカー伯爵の従兄弟と名乗るジャーヴィス。実は彼は、伯爵の財産や爵位をねらっているらしい。伯爵に呪いをかける秘密の儀式を偶然見かけ、ドリナの胸は締めつけられた。ジャーヴィスの策略によって愛する伯爵を見殺しにすることはできない。「愛は奇跡を起こすの」と言った亡き母の声に勇気を得て、ドリナは伯爵のもとに急いだ。
4000人の子分を抱え、全国にその名が轟いた初代篭寅組組長・保良浅之助は、昭和5年、初めて国会に臨んだ。議場は、後に憲政の神様と謳われた尾崎行雄の演説を阻止しようという輩で湧き返っていた。「お前らなんじゃい。こういう年配の人に手を出すという法があるか!」浅之助は大声で一喝した。-こうして数名の重傷者を出した国会乱闘事件を引き起こした彼は、一躍政治家としても名が知れ渡った…。任侠の徒として政治家として、激動の昭和を逞しく生きた男の野望を描く。
警察庁特別監察官・滝田一郎に特捜令が発せられた。それは射殺も含め、手段・方法を選ばず、超法規的行動を可とする非情捜査を意味している。潜入先は塩路市。市議会を牛耳る2大暴力団が激しく対立し、しかもその抗争に地元警察も絡んで利権をほしいままにしている汚染都市であった。滝田は地元警察と暴力団の警戒網をくぐり現地に潜入した。が、意外にも、彼を待ち受けていたのは、美しい女体と官能の罠だった…。飽くなき暴力とエロスが迸るハード・アクション。
大坂城落城から20年。豊臣家再興を画策する真田六文党は、江戸城内に潜入した。目的はただ一つ、秀吉の隠し金4億5千万両の行方を求めるため、その鍵となる『多山銀山埋蔵秘巻』奪取である。目指すは、天海と情を通じる春日局が住まう春日御殿。が、彼らの行く手には、強敵服部半蔵ら伊賀忍者が待ち伏せていた…。『秘巻』をめぐる幕府と外様大名の暗闘。妖僧天海の陰謀と、淫姫千姫やくの一の暗躍…。気鋭の新人が、3年の歳月をかけ壮大なスケールで描く力作時代伝奇巨編。
ピクウィック氏は、そのもちまえの善意から、裁判をはじめ、ごたごたした事件にまきこまれる。もつれにもつれた糸は、はたしてどうとけてゆくのか…。「ピカレスク小説」のおもむくゆたかに、イギリスの一時代の姿を、戯画化しながら生き生きと伝える。
パイロットを辞めた孝太は、徐々に襟子から遠ざかっていく。襟子はそのつらさに押し潰されそうになりながら、なお彼を求めずにいられない。なぜ彼でなくてはだめなのか、なぜこんなにも自分の気持ちに執着せずにいられないのか。終わっていく恋愛に身悶えつつ、彼女は自分が本当に求めているのは何かということを知ろうとする。
男は一枚の記念写真を挑めていた。学生時代、友人グループのメンバー全員で撮ったものだ。ふと男は妙なことに気づいた。なかの一人の姿が薄れかけ、背後の壁が透けて見えるのだ。しかも、それは自分ではないか。と、そのとき、目の前にあるテレビの画面から蛇に似た無数のなにかが這い出し、男をずたずたに引き裂いてしまった。やがて、残ったメンバーたちも次々と化けものに襲われー。恐怖シーンの連続、化けもの満載のローズ第2弾。