1990年9月発売
女子大生探偵亜由美のところに、わずか13歳の花嫁が助けを求めてきた。小さな町で起こった2つの大地主の抗争で、その少女は、なんと55歳の男と結婚させられそうになり、逃げだしてきたのだ。おかげで女の子好きのダックスフント、ドン・ファンはしっぽをふりふり大喜び、花嫁を取り返しにやってくる男たちに立ち向かう大活躍!ところが思わぬところで殺人事件が発生して、花嫁は失踪…彼女の将来どうなる?
大正14年、百万の読者を目ざして創刊された「キング」に発表されたこの作品で、従来の筆名に別れを告げ、新たに吉川英治が誕生した。-美男で剣を見るのさえ身体がふるえる春日新九郎が、兄の仇、富田三家随一の名人、鐘巻自斎を相手に戦うまでの数々の辛苦と、剣難女難。
美しい玉日の代りに善信(親鸞)が得たものは、宗門を挙げての非難、迫害であった。それは法然、滋円、親族にも及ぶ糾弾であった。遠流も辞せずー善信の不退転の決意は揺るぐことなく、未曽有の法難に耐えぬく。
みごとな仕上がりで、思わず息をのませる短編の名品佳作。-江戸を荒しまわった揚句、上方に高飛びしてほとぼりの冷めるのを待っていた鼠小僧。ムズムズしてきた例の手くせと持ち前の義侠心が、女のことから暴発した表題作「治郎吉格子」。-ほかに「増長天王」、「醤油仏」、「八寒道中」、「野槌の百」、「銀河まつり」、「無宿人国記」、「雲霧閻魔帳」の7編を精選して収録する短編名作集。
様々な素材と趣向とテクニック。著者の才華がほとばしる短編の数々。-柳生流は無刀を兵法の極意とする。しかし宗家但馬守は、現実においては大目付の職権をもって諸大名を糾弾し、彼らの怨嗟を一身に浴びていた。家にあっては4人の子息の父。だが、その放蕩柔弱を嘆く師父でもあった。剣聖の波瀾の心中を描く「柳生月影抄」のほか、「下頭橋由来」、「大谷刑部」、「鬼」など8編を収録。
苛酷な訓練をくぐり抜けた屈指の精鋭たちで構成される米海軍特殊部隊SEAL。その一員の冷静沈着なカラン大尉、血気盛んなホーキンズ中尉ら7名は、中東で囚われの身となったアメリカ人を救出した。が、その際に突き止めたのは、過激派テロ軍団がアメリカ製の高性能ミサイルを保有している事実。カランたちはミサイルを奪還もしくは破壊すべく決死の作戦を敢行するが…。硝煙渦巻く緊迫の中東に展開される話題の軍事アクション。