1991年発売
「金曜日、家庭教師が殺される」-事件は予告どおりに起きた。最初の犠牲者は、サイパンのプールで、冬物の三つ揃いのスーツ姿で発見された。なぜ常夏の島で、しかも礼儀正しい死体で発見されたのか…。死体発見者の家庭教師・軽井沢純子は、この難解な例題を解くべく行動を開始したが、彼女を待っていたのは、等々力渓谷で発見された不思議な死体だった…。
厳重な警戒にもかかわらず、来日した王妃が羽田空港で何者かに狙撃された。幸い無傷ですんだものの、暗殺者集団はしつように王妃をつけ狙う。王妃をひそかに護衛する、特命武装巡察官の朱雀豪介。暗殺者たちとの間に展開する壮絶な戦いのゆくえは-。傑作官能アクション。
男の恋人からプロポーズされたゲイボーイの純情。かたぎの友人に仁義を通す極道のまごころ。青春の夢と恋を土俵に賭ける力士の情熱-。巧みなユーモアとペーソスでつづる最新小説集。
本書において著者は、詩人でありかつ作家であることがもたらす繊細でやわらかな感受性をはたらかせ、朔太郎の内部と外部をどこまでも正確な緊密さをもって追いかけている。『猫町』を糸口にすると朔太郎はどのように見えてくるか?
アメリカ文学界に決定的衝撃を与え、この一冊によって現在までブロドキーを巨匠と呼ばせる名著中の名著。美しい姉への憧れと、少年の揺れ動く心を静謐な筆致で描いた表題作他、アメリカ青春文学に永遠の輝きを放つ一冊、ついに登場。
核活動を停止させる〈核の毛布〉の発明は、人類に苛酷なエネルギー危機をもたらした。全世界が疲弊し、人々が科学よりも糧を求めた結果、科学者たちは社会から追放された。だがそんな時代にも、星空に耳を傾けることを忘れない一人の天文学者がいた。そしてある日、彼ができあいの個人天文台で受信した天空からの信号は、人類をふたたび宇宙へ船出させる切符となったのである。
人類は極秘裡に、全地球的組織〈パンゲア・コンソーシアム〉を結成していた。彼らは、刻々と太陽系に接近してくる〈送信者〉を出迎えるため、地球軌道上でまったく新しい駆動システムのコンタクト用宇宙船の建造にとりかかる。大宇宙を、ふたたび人間の手に取り戻すのだ。やがて、人類の誇りを賭けた一大プロジェクトは、人類初の恒星間宇宙船を発進させた。迫真の近未来SF。
アメリカ政財界の大物たちの息子ばかりを集めた全寮制学校が、過激な武装テロ・グループに占拠された。人質となった数十名の生徒の親たちがいずれも政府に影響力を持つため、ホワイトハウスはかつてないほど対応に苦慮する。だが、生徒のひとり、ビリー・テッパーは持ち前の才知と勇気を武器に、大胆かつ奇抜なテロリスト掃討作戦を開始した。スリルとサスペンスに富む話題の映画の原作。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールについてはもう語り尽くされていると思うのはまちがいだ。これまでさまざまな出版社から執筆を依頼されてもエレーヌは断りつづけた。しかし、姉亡きいま、エレーヌは姉について、シモーヌという女性について思い出を語った。こうしてできあがったのが本書である。
ある日、一本の悩み相談がラジオ局に寄せられる。だが、その電話の女性は、すでに数週間前に殺されていた。その殺人事件を捜査陣は『目』で追う。放送局のディレクター青木聡美は、死者からの人生相談の謎を『耳』で追う。犯人を追う目と耳の追撃戦。