1996年5月30日発売
ムーミン童話(トーベ・ヤンソン著、全8巻)の主要登場人物、語句、フィンランドの自然および文化的事項等について解説したもの。排列は見出し語の五十音順。解説文中の引用箇所および作品と関連する箇所には、その作品名の略名と章数を示す。底本は青い鳥文庫(講談社)。巻末に事項索引がある。-おとなから子どもまで、すべてのムーミンファン待望の事典。
旅の途中で出会いを重ねた人に言わせれば、僕は変わったらしい旅の途中で彼女を思い出した人に言わせれば、彼女は悪女らしいけれど僕には、「自然」が見てきた。彼と私、二つの遍歴を重ねる野心的長編。
愛は成就されず、成就されるのは愛でないものばかり。十二月の最初の日曜日、十二歳になる侯爵のひとり娘シエルバ・マリアは、市場で、額に白い斑点のある灰色の犬に咬まれた。背丈よりも長い髪の野性の少女は、やがて狂乱する。狂犬病なのか、悪魔にとり憑かれたのか。抑圧された世界に蠢く人々の鬱屈した葛藤を、独特の豊饒なエピソードで描いた、十八世紀半ば、ラテンアメリカ植民地時代のカルタヘーナの物語。
英国ブッカー賞受賞。瀕死のイギリス人患者と若く美しい看護婦ハナ-砂漠の情景から不倫の愛の行方まで、詩的言語に包まれた物語が静かに溢れ出す…カナダ人作家の最高傑作。時は第二次世界大戦の末期である。場所はフィレンツェの北、トスカーナの山腹に立つサン・ジロラーモ屋敷。ここで、四人の男女が出会う。若いカナダ人の看護婦は、ハナ。…ハナの父親の友人で、泥棒のカラバッジョ。…インド人でシーク教徒のキップは、爆弾処理を専門にする工兵。…そして、ベッドに寝たきりながら、その発揮する強大な求心力に三人をつつんでいるイギリス人患者。…心の内にそれぞれの物語を抱え込んだ四人が、互いに相手の物語を読もうとし、そこにすばらしい小説世界が出現する。
大学教授ジョン・マクガワンは、とくに信仰に厚い人間ではなかった。長いこと行方知れずだった父が残した「メシア・ストーンズ」の秘密を知るまでは…。物語は人類の終末を予言し、救世主の到来を告げるメシア・ストーンズをめぐり、激しく、ドラマティックに展開する。『インディ・ジョーンズ』のスリルとサスペンス、『聖なる予言』の深遠さをも凌駕したと評される、この全く新しいニューエイジ・ノヴェルは、アーヴィング・ベニグの処女作であり、今、アメリカで最も注目されている話題作である。