1996年発売
ルームメイトで親友で、そしてそれ以上の存在として俺が思う相手、榊原祐二。その存在感が、希薄になった。浮世離れした容貌の彼が見つめているのは-空だ。苛立ちとも不安とも言い得ない不安感を抱えて俺は、『何か』から彼を奪い取ろうとした。そして、訪れた結果は-。オール書き下ろしで贈る月夜野亮のメルヘンチックなロマンス。
超怖がりなのに、なぜかお化けを引き寄せちゃう体質の拓哉。そんな彼をいつも守ってくれていた、誰よりも強くてカッコイイ凌馬が、三年間の修行を終えてついに帰ってきた。でも二人の入った高校には、拓哉を狙って次々と魑魅魍魎の皆様方が…。満員御霊オカルト・ラブコメディ、書き下ろし番外編を加えてBBNに見参。
ねねは栄耀栄華にほとんど関心がなかったが、夫秀吉は大変な野心家で、あれよあれよという間に長浜12万石の大名になってしまった。以前は戦国の世であっても夫に抱かれて死ねればいいと考えていたが、今では夫の仕事に参加して、それに身をゆだねた上で、死を覚悟せねばならなくなったことに夫婦の絆を感じて…。
油問屋の伜・喜八郎は、根岸村にある六地蔵の前で、死客人・お藍に女房の敵討を依頼した。女房のお稲が五間堀の万蔵という岡っ引に弄ばれて、縊死をした恨をはらしてくれというのである…。お藍こと紅白粉行商人の藍三郎は、殺し屋稼業に身を置きながら、惨殺された両親の仇敵を探しているのだ。凄絶な殺陣と濃厚なエロチシズムの中で描く異色の時代小説。
自分のことにしか興味が持てない著者が、現実との感覚のずれに逆上して『怒りの薔薇くい姫』と化し、渾然一体となった虚構と現実が奇妙な味わいを醸し出す「薔薇くい姫」、男同士の禁断の愛を純粋な官能美の世界にまで昇華させた「枯葉の寝床」「日曜日には僕は行かない」の三篇を収録。
女に取り憑かれて…。娼婦、ドラッグディーラー、ポルノグラファー、ポン引き、手錠フェチ。現代アメリカのオブセッションを描く、若き鬼才の傑作遂に邦訳。
酒酔い運転のトラックが店に突っ込むという事故の現場に居合わせたレイ。美晴の話から、同じような事故がチャイナタウンで続発しており、しかも運転手はみな心臓麻痺で死亡していることを知る。そして背後には住民を無視して進められる街の再開発計画がー。チャイナタウンを守るために立ち上がる決意を固めたレイの前に現れたのは、美晴の従兄で大財閥の御曹司リオンだった。美晴に想いを寄せるリオンは、かつて彼女と暮らしていた頃のレイに、嫌がらせをし続けた男だった…。
待ちに待った夏休み。プレップ・スクールの英語教師アマンダにとっては、生徒たちから解放され、思う存分羽をのばせる絶好のチャンスだ。折りも折り、親友の写真家サシャが撮影でアトランティック・シティへ行くという。費用は一切合切クライアント持ちという甘い言葉に誘われて、アマンダは彼女に同行することに。ところが、宿泊先のホテルのスイートから見ず知らずの男の死体が発見されたから、さあ大変。おまけにサシャらしき女と被害者が連れだってスイートに入っていくのを見たという目撃者まで現われる始末だ。被害者は投資コンサルタントで老人たちから大金を騙し取るなどかなり悪どい商売をやっていたらしいのだが…。親友の容疑を晴らすために真犯人探しを始めたアマンダを、次なる殺人事件が待ち受けていた。美人英語教師アマンダ・ペッパーの、ロマンティックでちょっぴり危ない夏休みを描く人気シリーズ第五弾。