1997年7月15日発売
日本海に浮かぶ小島、象島。大学を出たばかりの青年木苺淳一は、かの地の私立プラトン学園に、新任の英語教師として赴任した…崖から“転落死”した前任者の代わりとして…。「面白くなければ小説ではない」と言い切る著者が放つ、会心の長篇小説。クリックから始まる震撼のサイコ・ミステリ。
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。
横浜の閑静な高級住宅街で、大物弁護士・西垣文雄が惨殺された。横浜地検の美人検察官・岩崎紀美子は、捜査を進めるほど、事件の裏に大きな闇を感じる。日弁連と検察庁、警察庁そして県警の確執…。現役弁護士作家が法曹界のタブーを鋭くえぐった、第40回江戸川乱歩賞受賞の傑作リーガル・サスペンス。
絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。留学先の南アフリカで直面した驚くべき黒人差別に怒り、貧しき人々を救うため正義の闘いに命をかける。証拠品の国外持ち出しは成功するか!?山本周五郎賞受賞作家が描く傑作長編冒険サスペンス。
ニューオーリンズ伝統のジャズ・フェスティヴァルを数日後に控えた四月のある夜、祭りのプロデューサーであるハム・ブロカートが自宅で刺殺体となって発見された。気さくな人柄で誰からも愛されていた彼をいったい誰が?それと時を同じくしてハムの異母妹メロディが忽然と姿を消した。彼女が兄を殺した犯人なのか?それとも殺人を目撃して犯人に拉致されたのか?メロディの行方を捜す女刑事スキップは、やがてブロカート一族にまつわる過去の痛ましい出来事を掘り返すことに。
燃える惑星モラケシュを軽巡CMP=1でからくも脱出したローダンだったが、六千のモリタトール難民を抱えた艦は身動きもままならない。背後にタケル艦隊が迫る四面楚歌の状況で、彼らのいつ終わるともしれぬ逃避行がはじまった。一方「マルコ・ポーロ」で別行動をとっていたアトランも、ローダンからの連絡が絶えたのを不審に思い、ピュソマ星系に引き返す。だが旗艦を待ちうけていたのは、タケル艦隊の猛砲火だった。
星から星へ渡り歩き、どの星系にも属さない宇宙キャラバンのひとつマグファイヤ・キャラバンが破壊された。居住船を兼ねた司令船を中心に数十から数百という動力付コンテナをほとんど破壊しつくすというのは、並大抵のものではない。海賊課は宇宙刑事セレスタンに遭難原因の究明を命じた。ところがそこに、ラテルチームの宿敵が乗り出してきたのだ。-新キャラクターを加えて、シリーズますます快調。
いとこのターシャがわたしに仕事を依頼してきた。カリフォルニアで三本の指に入る大手建設会社、マレック建設の経営者バーダー・マレックが亡くなり、四人の息子が遺産を相続することになったのだが、そのうちのひとりで、十八年ものあいだ行方知れずになっている次男のガイを捜しだしてほしいというのだ。わたしは簡単にガイを見つけだした。かつて一家の厄介者だったガイは、今ではすっかり更生していて、過去の罪を償うべく教会でボランティアをつとめる真面目で実直な人間に生まれ変わっていた。しかし、父の死をきっかけに家族との壊れた関係を修復しようと一家に戻ってきたガイは、就寝中に殴殺され、無残な死体となって発見されてしまう。わたしがガイを見つけだし、連れ帰ってきたのは間違いだったのだろうか?言葉にならない罪悪感と哀しみに心引き裂かれながらも、女探偵キンジー・ミルホーンの孤独な調査がはじまった…。
ともに恋人を失った友人同士、夏子と冬子は退社して、京都でスナックを開店することに決めた。その準備のために整形し、大阪のスナックに勤め始めた二人は、スポンサーの存在が必要不可欠と実感する。ほどなく、夏子は輸入花扱業者の男をつかまえ、冬子は病院長の夕山とホテルへ。しかし、夕山は、そのホテルで毒物死してしまった!殺人事件で翻弄される女の友情と愛の遍歴を描く、会心の長篇本格推理。
クラブを経営するラリー・フリントは会員向けニュースレターの成功から、ポルノ雑誌『ハスラー』を創刊。そのセンセーショナルなヌード写真、破壊的精神の風刺マンガとブラック・ユーモアが保守派の反感と嫌悪を買い告訴される。モラルを無視して巨万の富を築いたポルノの帝王と“モラルの番人”の法廷闘争はいつしか、表現の自由を勝ち取りアメリカの自由精神を守るための崇高な闘争となっていった…。