1997年8月15日発売
昭和四十三年十月十一日、東京プリンスホテルでガードマン射殺ー。次いで京都、函館、名古屋と、日本列島を震撼させた連続射殺魔・永山則夫。獄中で執筆した『無知の涙』、獄中結婚、そして死刑確定。これらを通して、永山則夫の“人間”と事件の全貌を鮮烈に描いた、ノンフィクション・ノベルの話題作。
出張途上、スーパーひたち3号の車中から忽然と姿を消した部長。失踪か、それとも何者かに拉致されたのか?しかもライバル企業の担当者まで消息を絶った。社内で起きた事件を担当する総務の「社立探偵」海老寺が難事件に挑む。ハイテク特急でしかありえないトリック、真犯人の予想外の動機…戦慄のミステリー。
幽閉されていたモリタトールの智者シェコヌが救出された。かれの言によれば、タケル艦隊5000隻が封鎖するレイケオ星系の一惑星がタケル人の侵攻計画の要であるらしい。だが厳重に封鎖されたその惑星への侵入は、スペース=ジェットをもってしても不可能だ…かくして、ハール・デフィン率いるサンダーボルト・チームに白羽の矢が立った。だが首尾よく侵入を果たしたかれらが耳にしたのはなんと、ガンヨ再臨の噂だった。
藤堂京太の仕事は人体ロボットの開発。もちろん仕事上は、工業用の溶接ロボットや医学用の人体研究ロボットなど様々だが目下個人的に凝っているのが究極のヴィーナスロボットだ。美しく官能的なロボットを製作するため、彼は週末の休日を返上して、最高の女性を探求すべくソープ嬢から未亡人、人妻から金髪女性まで調査を始めたが…。エロチカ怪傑作。
五歳の息子サミーを一人で育てるワーキング・ウーマンのメラニー。野外授業の当日、サミーはジャックのせいで船に乗り遅れてしまう。メラニーは今日がビッグ・プロジェクトのプレゼンで、人気コラムニストのジャックは五時までに市長収賄記事の証拠を用意しなくてはならない。たがいに反感を持ちながらも、ふたりは大事な一日を乗り切るため協力することに…。都会の大人のロマンティック・コメディ。
「かわいそうに、ディグナム!」-リアポウルド・ブルームは長い一日の放浪に旅立つ!6月16日の朝、ブルーム氏は猫にミルクをやり、肉屋の店頭で隣家の女の尻に見蕩れ、妻のモリーに朝食を作り、密かな文通相手マーサの手紙を受け取り、友人ディグナムの葬儀に加わる。-最も偉大な平凡人ブルームがそのリアルな姿を現す、スリリングな旋律に満ちた第二部冒頭三挿話の正確無比の演奏。
昭和20年5月18日、サイパン島に地鳴りが響きわたる。米艦隊による艦砲射撃の凄まじき轟音であった。容赦のない鉄のスコールが日本軍に降りそそぐ。マリアナ諸島を守備する中部太平洋方面艦隊司令長官、山口多聞中将の顔色も冴えない。頼みの綱であった連合艦隊は、横須賀ですでに壊滅していた。孤立無援-それが、中部太平洋艦隊の置かれた状況であった。反撃もままならぬまま、同月21日未明、山口司令長官は唇を噛みしめ、サイパン島をあとにした。マリアナ諸島は米軍に制圧され、新たなる強兵の配備が開始された。それは、日本軍の誰も目にしたことのない、巨大な爆撃機であった。
喫茶店「花隈」の従業員・小野季夫は経営者の佐久間玉恵から店舗を引き継ごうとして、契約を焦るあまり、不動産屋と弁護士の甘言にはまり、訳のわからない即決和解に同意してしまった。小野が騙されたと気づいたのは、それから二年後、店舗の明け渡しを求める内容証明を送りつけられた時だった。このままでは店が…。小野は悪徳弁護士に孤独な闘いを挑む…。