1998年1月16日発売
カフカ寓話集カフカ寓話集
「カフカ伝説」といったものがある。世の名声を願わず、常に謙虚で、死が近づいたとき友人に作品一切の焼却を依頼したカフカー。だが、くわしく生涯をみていくと、べつの肖像が浮かんでくる。一見、謙虚な人物とつかずはなれず、いずれ自分の時代がくると、固く心に期していたもの書きであって、いわば野心家カフカである。
ふたりの信康とふたりの徳姫ふたりの信康とふたりの徳姫
室町幕府第五代将軍足利義量の時代に幕府首脳部の一員として重きをなした一色満範が没すると、一色家は二つに分れた。丹後を領する喜多一色家を嗣いだ一色信康の死については多くの異説が伝わっている。信康は、同じ日、永享九年五月十四日に、別々の場所で殺されたというのだ。
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