1998年4月15日発売
日露戦争前後のアメリカ、娼婦となりながらも前向きに生きた日本人女性の旅路。明治30年代のアメリカ。静子は雑貨店経営者の妻として、サンフランシスコで暮らしていた。しかし詐欺師の富井の陰謀で中国人が経営する娼館に売られてしまう。自殺まで考えた静子だったが、やがて本来の明るさをとり戻し、風船のように自由に生きていこうと、“風船お玉”と名のる。富井を追って全米を旅するお玉は、マフィアと戦い、日本人を助けるうち、“義侠娼婦”と呼ばれるようになった。
美しすぎて死神に狙われた室田春代の運命は 美貌の元高校教師・室田春代のまわりには、常に死者の影がつきまとう。継父は教え子に生命維持装置を外されて亡くなったし、教え子は教室から身を投げて自殺。夫は部下に射殺され、その部下も自殺してしまった。春代がすべてを操る犯人!?だが春代は「私は死神に狙われてるの」と国友刑事に異常接近中。
恋愛・結婚・女性観、エロス論、イデア論…。彼は古代ギリシアで、どう生きていたのか。-そうだ、プラトーンに会いに行こう。午睡のあと、ソフィアとカズゥコはタクシーを拾い、神殿へと向かった。
宗教の島・久高島から、本島へ嫁いだ朝子。婚家は誇り高い神女殿内で、接収された軍用地からは莫大な使用料が-幸福を約束されたかに思えた結婚だったが、家の資産を狙うヤクザ者が夫に近づき、朝子の心は次第に“濁った闇”に包まれてゆく…。『日の果てから』『かがやける荒野』に続き、沖縄を代表する作家が、激しく揺れ動く現在の島を舞台に“沖縄の魂”の変貌を描き切った一作。
みんなに愛されていたオカマのマサコちゃんが、全身をめった打ちにされて殺された。やがて、若いころ愛人同士だったという北海道選出の代議士に、スキャンダルを恐れて消されたのではないかという噂が流れはじめる。マサコちゃんの友人だった「俺」は、周囲が脅えて口を閉ざすなか果敢に調査に乗りだすが、身辺に次々と奇怪な出来事が…!ススキノの便利屋探偵がかつてない強敵に挑む、待望の最新作。