1998年9月発売
男は39歳、辛口で知られるコラムニスト。離婚歴あり。東京・山の手に、今は独り住まい。内省的な性格。性的な悩みを抱えている。そんな男の前にあらわれた女は27歳、古めかしい言葉をさらりと使う。六本木や西麻布の喧噪が苦手。新潟の出身だというが、その挙動はいたって不可解…。かくて、瀕死の巨大都市「東京」の光と影とに彩られた、物哀しくもユーモラスな恋愛譚が始まる。
ある初雪の朝、13歳の少女グレースは、乗馬中の事故で親友と片足を失った。自責の念と将来への絶望から、彼女は自分の殻に閉じこもる。愛馬ピルグリムは大怪我を負いながらも生き延びたが、人間への不信から手のつけられない凶暴な馬となった。伝説的なカウボーイ、馬に囁く男の存在を知った母アニーは、馬を救うことが娘を癒すことになると確信し、遠路モンタナの牧場へと旅立つ…。
トム・ブッカーは馬の心を知って馬を自在に操れる男、ホース・ウィスパラーだった。雑誌編集長の座を失う危険も顧みず押しかけたアニーの強引さに負け、ピルグリムの治療を引き受ける。モンタナの大自然の中、馬と少女は徐々に心を開いてゆく。アニーはいつしかトムへの激しい愛を感じ、やがてそれは第二の悲劇へとつながっていく…。貴方の心を癒し魂を揺さぶる、真実の愛の物語。
南アフリカの刑務所からテロリストが脱獄した。比類なき有能ぶりから「コードネーム・ゼロ」と呼ばれるこの男は、大富豪ダイスンと共謀し、世界経済を崩壊させる空前の爆弾テロ計画を企てる。一方、離婚後ひとり息子を育てながらFBIの仕事を続ける女性捜査官セーラは、とある娼婦殺害事件をきっかけに彼らの計画を知る。迫り来る爆発時刻ー。ハイテク技術満載の問題作に全米驚愕。
その夜またモスクワの路地裏に転がった死体からは、髪の毛とボタンが奪われていた。民警のダニーロフは、猟奇的な手口から連続殺人犯は異常者だと考える。だが被害者のひとりがアメリカ大使館員の女性だったため、事件にはFBIが介入することになった。風采のあがらぬロシア人刑事ダニーロフと、翳りをおびたFBI捜査官カウリーによる共同捜査が始まったが…。新シリーズ誕生。
七年の服役後、ピアスは最後のヤマを踏んだ。強盗嫁業の誇りを賭けて。襲撃には見事成功するが、最悪の訃報が待っていた。一人娘が、制服の女性を狙った連続快楽殺人の犠牲者になったのだ。ピアスは急いだ、フロリダへ。地元の娼婦を案内役に、灼けつく街をぎらつく執念で、彼は嗅ぎ回った。やがで、被害者の唯一の共通点から、犯人像が焦点を結んだ…。熱き魂が迸るアウトロー・サスペンス。