1999年3月20日発売
ピ-タ-・パン探しピ-タ-・パン探し
昭和前期、戦争へと転回していく時代のなかで「赤い鳥」の連載童話『私のピーター・パン』と出逢って以来六十年、イギリスから東北の山中までピーター・パンを追いかける表題作ほか、忘れ得ぬ書物に人生の記憶を重ねた「大事の小型聖書」「トッテンコーローの話」「七十一歳のシェイクスピア」、献体というかたちで「神様に肉の体をお返しした」兄の生涯を描く「夏の月」「兄の帰還」「くじらの骨」の七篇を収録。
しあわせなリタイアメントしあわせなリタイアメント
フェアエーカー村の学校の元校長ミス・リードは、健康上の問題から定年まで数年を残して退職したが、思い描いていた平和な暮らしと現実は大分違っていた。リタイア後も、おなじみのボブ・ウィレットは庭の手入れに、ミセス・プリングルは掃除の手伝いにと通ってきたは、フェアエーカー村のゴシップに余念がない。友人のヘンリー・モーンの家庭問題、ジョン・ジェンキンズの習慣化した求婚などミス・リードの身辺もにぎやか。そして、手すさびにと、ものを書くことを勧められたミス・リードは、新しい目標に挑戦するのだが…。半世紀にわたって数多くの田園物語で欧米の読者を魅了しつづけてきたミス・リードの英国田園物語最新作。
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