1999年3月25日発売
いよよ華やぐ(上)いよよ華やぐ(上)
俳人にして小料理屋の女将・藤木阿紗九十二歳。きもの研究家・浅井ゆき八十四歳。スナックのママ・杉本珠子七十二歳。阿紗の娘・薫六十四歳。人生の激しい軌跡を刻み、齢を重ねた今だからこそ、見えてくるものがある。一途な恋、激しい愛、生そして死…。岡本かの子の歌そのままに、「いよよ華やぐ」女たちの、「生命」に溢れた長篇小説。
青らむ空のうつろのなかに青らむ空のうつろのなかに
その子の眼に光が宿るのは、施設で飼っている豚の世話をする時だけだった。そして、食用とするためにその豚が連れ去られた時…。どこかで何かをかけちがってしまった現代日本。その病巣が、ミステリアスな幻想の矢となって忍び寄り、あなたをぐさりと突き刺す-。
キキ新装版キキ新装版
ブルゴーニュ生まれの私生児、「キキ」ことアリス・プラン。12歳でパリに出た彼女はやがてキスリングのモデルとなり、一夜にしてパリのセックス・シンボルとなる。フジタ、ピカソらエコール・ド・パリの画家たちは競ってキキを描き、愛人マン・レイ、ブラッサイは、その独特の美を写真に写し、ツァラ、デュシャンらシュルレアリストたちは、彼女の奔放さを愛しつづけた。「モンパルナスの女王」と謳われ、栄光の道を歩みながらも、キャバレーで歌い踊る、無邪気な少女でありつづけたキキ-。彼女の純粋さゆえの栄光と悲惨の生涯に、モデルでジャーナリストの新鋭モルガールが迫る、初の本格的伝記ロマン。
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