2000年6月発売
慶長五年九月、関ケ原の合戦は東軍の大勝に終わる。小早川秀秋の寝返りが西軍を崩壊させた。このとき秀秋、十九歳。家康への報恩と石田三成への不信感が天下の行方を左右した。論功行賞は備前、美作五十一万石。だが、秀秋には荷が重すぎた。日本一の裏切者の、知られざる“その後”を描く長編歴史小説。
セージは、この地球上で自然発生したのだ。歌をうたうために。ぼくは、そんなセージについて、そして彼をリーダーとするぼくたちのバンド、世界のすべてと言ってもいいNEXUSについて君に語りたい…READY?魂がシャウトする衝撃のロックン・ロール小説。
スペインの小さな田舎町で教鞭を執る29歳の女性ピラールは、12年ぶりに再会した幼なじみの男性から愛を告白される。病を治す力をもつ修道士の彼は、彼女に自分と一緒に来てほしいという。今の暮らしを捨てる決心がつかずに悩むピラールだったが、彼との旅を通して、真実の愛と神の力を再発見していく…。危険を冒すことを恐れていては、人生は何も変わらない。人の一生を左右する“魔法の瞬間”を見逃さないようにして正しい道を選べば、誰の人生も幸福へと辿りつくことを教えてくれる『愛の癒し』を描いた世界的ベストセラー。
短時間、正座しただけで骨折する「骨粗鬆症」。美人と言われてトイレにも立てなくなる「便秘」。恋人からの電話を待って夜も眠れない「睡眠障害」。月に一度、些細なことで苛々する女の「生理痛」。フードコーディネーターを突然、襲う「味覚異常」…。恋が、仕事が、家庭が、女たちの心と体を蝕んでゆく。現代女性をとりまくストレス・シンドロームと、それに立ち向かい、再生する姿を描く10話。
スキーシーズンも盛りのペンション村。その中心からはずれた位置にある白銀荘…。スキー客で賑わうこのペンションに、血腥い殺人鬼の匂いを纏った客が紛れ込んだ。多重人格に悩む彼女は、ある目的を果たすため、連続殺人をもくろんでいた!おりしも、豪雪により白銀荘は外界と遮断され密室状態に!殺戮への胎動に身を委ね始めた彼女だが…。さらなる悪夢が、白銀荘を覆っていた!今、血の惨劇の幕が開く!!謎が謎を呼ぶサイコ・ミステリー異色作、著名作家二人による超合作として、カッパ・ノベルスに登場!二人の覆面作家は誰か。
あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいにーバニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。無防備に出遭ってしまい、心に織りこまれてしまった事ども。おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
新完訳「赤毛のアン」(集英社文庫)によって、原作にちりばめられた英米文学の引用を解き明かした著者が、さらに進める新次元の探究。19世紀末という時代背景、新興カナダという社会的要因、随所に描写されるおびただしい花々、草木。そして、作者モンゴメリの、知られざる人生。画期的解読に満ちたファン必読の書。一歩踏み込んだ、大人のための「赤毛のアン」読本。
時は平安時代。西域の血を引く超能力者の少年楽師とともに、二十代半ばの藤原道長が大活躍。どの話にも雅楽の珍しい楽器が登場し、物の怪が引き起こす事件の解決に重要な役割を果たします。桜の老木の精が摂政兼家の生気を奪う「花と楽人」から、「春の館」まで全十篇。著者会心の王朝伝奇小説。
沖縄本島北部のひなびた漁村に、ある時“火葬場建設”という名目で海岸埋め立て計画が持ち込まれた。小さな集落は賛成・反対に分かれてさまざまな軋轢の舞台となり、ついには住民投票で計画の是非が問われることに…“基地の島”沖縄のリアリティを、痛みと哀しみ、そして独特のユーモア感覚に包み込んで描く人間喜劇。芥川賞作家、待望の長編。
1958年、ロングアイランド。4歳の少女ルースは、母がアルバイトの少年エディとベッドにいるところを目撃する。死んだ兄たちの写真におおわれた家。絵本作家で女ったらしの父。悲しみに凍りついたままの母は、息子たちの写真だけもって姿を消う。母を失ったルースと、恋を失ったエディがのこされた。夏が終わろうとしていた-。母の情事を目撃してから37年。こわれた家族とひとつの純愛の行きつく先は?『ガープの世界』以来の傑作と各紙誌絶賛。20世紀最後のアーヴィング最新長篇。
1990年、ニューヨーク。いまや世界的人気作家のルースは、冴えない小説家のエディと再会する。アムステルダムで彼女は、父の絵本のモグラ男そっくりの犯人が、娼婦を殺害するのを見てしまう。5年後。ルースは幼子を抱えた未亡人。エディは相も変わらぬ独身暮らし。謎のカナダ人作家の存在が二人をゆすぶり、オランダ人の警官まであらわれて…。遠い夏の日から37年。毀れた家族と一つの純愛の行きつく先は?圧倒的ストーリー展開、忘られぬ人物造形、緻密なディテール、胸を打つエピソード、そして登場人物の手になる小説内小説-。長篇小説の愉しみのすべてがここにある。
復讐を誓ったカリガリ少年がひきおこす、恐怖の灼熱地獄。火だるまになった13人の牧師さん。愛車とともににっこり燃えつきた老夫婦。炎の川にじゅっとのまれたテレビクルー。犠牲者は300人。このままで、すむと思うかカリガリ少年?神経にビリビリひびく、ナンセンスでグロテスクな笑い、凄まじくファニーな英国ホラーファンタジー、日本上陸!しびれるイラスト満載。