2000年7月発売
突出した眉と顎、大きな舌-末端肥大症の症状を呈する男たち。それがすべての始まりだった。「奇病」の謎を追う日本人医師・佐倉に次々と危険が降りかかり、ブラジル奥地に拉致された佐倉は、ついに謎の人物に対面する。身を隠していた一人の天才科学者が語る人類改造計画とは何か?不気味な巨人兵士を従え、ついに始動した恐怖の計画を、佐倉は阻止できるのか-?南米を熱く揺るがす冒険サスペンス巨編。
刑事の塚崎が、何とAV界のアイドル男優・翔也に一目惚れっ!?純白のレースが翻るような可憐な微笑に、琥珀色にきらめく勝気な瞳。気まぐれな猫のような翔也に、思わずココロもカラダもとらわれて…!?書き下ろしではふたりのラブラブ新婚生活に加え、ジュニア同士の初恋も読めちゃう。愛もHもいっぱいのキュート・ラブ登場。
ふとしたことから、貴重な古本を手にしたジル。すぐに売りとばして中古バイクを買った彼女だが、それがあらゆるトラブルの始まりだった。かくして24時間以内に本を取り戻さなければならなくなった彼女の前に本を狙う奇妙な輩が次々と現れ、ジルのタフな旅は続く…タランティーノ世代によるキュートなハードボイルド。大型新人のデビュー作、映画化決定。
始まりと終わりの町、ローグタウン。海賊王G・ロジャーが生まれ、そして処刑された場所。そこに“悪魔の実”の能力者が集結した。強敵出現に、ルフィ、絶体絶命のピンチ!ゾロが斬る、ウソップが撃つ、ナミが走る、サンジが蹴る!海賊、海軍、賞金稼ぎが大乱戦!オリジナル・キャラクターも登場、原作コミックとはひと味ちがう、白熱のローグタウン編ノベライズ。
二十五歳の女性ピアニストが巻き込まれたトラブルの解決に、片山刑事らが奔走する“三毛猫ホームズ”シリーズの「三毛猫ホームズの殺人協奏曲」、“天使と悪魔”シリーズの「天使の寄り道」、“三姉妹探偵団”シリーズの「晴れ姿三姉妹」、“幽霊”シリーズの「幽霊親睦会」、“マザコン刑事”シリーズの「マザコン刑事の大晦日」と、赤川作品の人気キャラクターが一冊に大集合!あの名探偵たちが活躍する、豪華ラインナップの作品集。
実乃に中学二年の夏休みがやって来た。特に変わったこともない静かな町で、便利屋の父親を手伝っていたそんな時、実乃が密かに心を寄せる永春さんの同級生、ロック歌手の黒木洋介のコンサートが開かれることになるが…。何かすばらしいことがあるかも知れない、そんな少女の季節を描いた、清々しくほろ苦い青春物語。
大陸では微妙な力関係で五国のバランスが保たれていた。楽天は一番の小国である。その楽天に大国・奉金より盟約を結びたいとの申し入れがあった。条件は人質の交換。しかし、その裏には各々の国家の、そして重鎮たちの思惑が渦巻いていたのだ。世俗にまみれ、人生に翻弄され、それでもなお愛と勇気を武器に真摯に生きる若者を大スケールで描く感動巨編。
南仏の古代遺跡に眠る遺物の発掘。謎の宗教団体からの依頼を受けたレイハンター青山譲は、聖地レンヌ=ル=シャトーへと向かう。彼がかつて発掘に成功し、封印したその石棺をふたたび暴くために。遺物の正体とは、はたして何なのか。世界の王、レックス・ムンディの復活を預言するのは…。膨大な資料と想像力のもと、ヨーロッパ文明最大の謎とタブーに挑む、アドベンチャー・ホラー長編。
牛丼屋でアルバイトをするシュンペイにはフリーターのヨーノスケと、パチプロ並の腕を持つイッカクという同居人がいる。ヨーノスケはまだ開発途上だが超能力者である。その噂を聞きつけ、なぜか美女たちが次々と事件解決の相談に訪れる。ミステリ小説ファンのイッカクの論理的な推理をしり目に、ヨーノスケの能力は、鮮やかにしかも意外な真相を導き出す。
アメリカ、メーン州の沖にひっそりと佇むノコギリ島の洞窟には、世界中を震えあがらせた海賊、“レッド・ネッド・オッカム(血塗れ)”の遺した莫大な財宝が眠っている。時価20億ドル以上といわれる財宝への欲望に憑かれ、幾人もの宝探しがこの島を訪れたが、洞窟の奥から突如噴出する海水に阻まれ、その夢を散らしてきた。洞窟はいつしか“水地獄”と呼ばれ、恐れられた。その“水地獄”に、今、最先端のテクノロジーとコンピュータで武装した専門家集団が挑む。暗号、罠、呪い、裏切り、原因不明の病。はたして宝物を手にすることはできるのか。驚愕のラストまで物語は突っ走る-。「宝島」の胸高鳴る思いと、「インディ・ジョーンズ」のスリルの融合。血沸き肉踊る、冒険小説の最高傑作。
ある夏休みに私は、友人とあの山に登ることにした。私が幼い頃、あの山に一人入って消息を絶った母親の遺体を探すためだ。山には古い言い伝えがあった。曰く「石ノ目様にあったら、目を見てはいけない。見ると石になってしまう」と。そして、私たちは遭難した…。斬新な文体で新しいホラー界を切り開く乙一の短編集。書き下ろしを含め四編、ここに登場。
1298年、ジェノヴァの牢獄。マルコの口から奔出する「東方の記憶」。驚異にして脅威の話を“私”は書き写す。語られる物語は、やがて“私”の筆の中で、もう一つの物語へと胎動し始め…。
死のぎりぎりの瀬戸際で「生」に目覚めた片目の捨て猫。その存在の輝きが見事に結晶した「生きる歓び」。故・田中小実昌との懐かしい交流をもとに、「死者」をめぐる回想と批評の混淆空間を開示する異色の追悼小説「小実昌さんのこと」。生の中の死を見つめ、死の中の生を描く二編。