2001年12月発売
「百物語の夜」から20年後。ふたたび干ばつで湖底から現われた廃校に、かつての事件関係者たちが思い出を語り合うために集った。が、彼らを待ち受けていたのは、信じがたい悪夢の再現だった!クラスメートを一人また一人と屠っていく“復讐者”とはだれか、その動機は?“折原ワールド”の全ガジェットが総動員され、深まる謎。前作『沈黙の教室』を上まわる複雑極まりない叙述トリックが生み出す眩暈と戦慄の傑作。
1881年10月26日。歴史に残るガンファイトがアリゾナ州トゥムストーンの町で行なわれた。クラントン兄弟を中心としたカウボーイたちと、町の治安を預かるアープ兄弟が、正面から激突したのだ。決闘の場となったOKコラルは銃声と硝煙、そして血に覆われた…歴史に名高い「OKコラルの決闘」。その中心となった伝説の男、ワイアット・アープの真実の姿を、スペンサー・シリーズの巨匠が、史実と自由な発想を交えて描く、入魂の本格ウエスタン。
東京湾から英国人女性の死体が!日本で暮らした気鋭の女性作家が甘美な罠を仕掛ける心理サスペンス。ルーシーによって語られる禎司、リリーとの恋愛をめぐる歪んだ感情と悲劇。そしてその語りの中に仕掛けられた甘美な罠。東京を舞台に描く芳醇な心理サスペンス。2001年度英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作。
ビルから墜落死したOL。だが妊娠していたはずの彼女の胎児は消失し、現場にはなぜか蛇の死骸が残されていた。さらに彼女の脳には何ものかに寄生されていた痕跡がー。捜査に当たる落合刑事の前に現れるおぞましき邪霊の影。
広告代理店に勤めている由紀恵は、渋谷近くの格安のマンションに引っ越した。かつてその部屋でOLが殺されたことがあったのだ。入居する折、大家に「部屋に鏡を置かないこと」という忠告を受けるが、一ヶ月後に姿見を買ってしまう。そんなある夜、鏡に“OLの凄絶な殺人現場”が映る。一方、同居人の八重は人が変わったように男を連れ込むようになった。その部屋には女と男の深い悲しみと怨みが残っていたー。恐怖と感動の結末、書き下ろし長篇ホラーの傑作。
香治完四郎。旗本の次男でお玉が池の千葉道場の目録まで進んでいる。しかし、今は竹光を腰に古本屋「藤由」の居候だ。藤由こと藤岡屋由蔵は「広目屋」もやっている。巷の噂を売り買いする、今で言えば広告代理店。完四郎と藤由が組んで幕末の江戸の噂や怪事を解いていく。文を書くのは仮名垣魯文。絵を描くのは浮世絵師・一恵斎芳幾。変格捕物帖の新シリーズ。
人の中に徳がある。土の中に徳がある。厳しい人生経験から生まれた、独自の仕法で、小田原藩名家を再興した二宮金次郎。その才能を藩主・大久保忠真に見込まれた彼は、荒廃した桜町復興という、大事業を引き受けるのだった。-大地と共に生きた静かなる革命家・二宮金次郎の人生を掘り起こした感動巨篇。全一冊・決定版。
棟梁に褒められ有頂天になる大工、盗賊としての過去を隠した扇職人、対人恐怖症で五千石を棒に振った旗本の次男坊、玉の輿に乗る娘など、この江戸下町の長屋にはさまざまな人たちが暮らす。そして彼らを助ける証源寺の住職忍専。ふりかかる事件にも自分たちの知恵で切り抜けていく。そんな長屋住人たちを闊達な筆で描きだす人情時代小説。第六回柴田錬三郎賞受賞作。
OLからホステスへ。失恋をきっかけに「銀座」に足を踏み入れたリュウ。競争。嫉妬。いじめ。女たちの愛と野望が渦巻く世界で、しだいに「銀座の女」になっていくリュウが見たものは。著者初の長編小説。
暦作りを巡る秘法・利権に対立する朝廷と幕閣。両者の綱引きの手駒として利用された吉良、浅野。権力者の思惑に引き裂かれる和算への情熱、武士の意地、恋の行方-。華麗な元禄を駆け抜ける青春像。
警視庁の片山刑事は、夜の盛り場で女子高生・立石千恵と出会った。以来、悪い遊びを返上し変身した千恵は、勝手に片山の「彼女」に。千恵の父で売れっ子漫画家だったみつぐは、マンションの改装工事計画推進のため利用され…。一方、窓際編集者・平栗悟士は、リニューアル雑誌の編集長に突然抜擢された!三つの大改装の陰にはー!?超人気シリーズ第34弾。
織田作之助賞を受賞しデビュー。以後、動物と人間の交流を描き、高い評価を得る著者の感動長編、ついに文庫化。沢雅人の盟友ともいうべき犬リキがヤクザに連れ去られた!沢は空手を武器に奴らを倒し、闘犬として売られた事実を知るが…すでに勇猛なリキは厳寒の東北路へと逃走していた。やがて舞台は日本を離れアフリカへー。壮大な冒険ロマン。
ビートルズが死んだ1970年の聖夜、火は導火線を走り出した-十年ごとに彼らを脅かす謎と戦慄の男。4人を迎える結末は破滅か、奇跡か-三十年の時が裂ける。綺想のマエストロ、2年ぶりの最新長編。
金融不祥事の危機を辛くも乗り切ったものの、依然火種を抱える大手都銀の協立銀行。不良債権の回収と処理に奔走する営業本部プロジェクト推進部副部長の竹中治夫は、銀行の責任を追及する住宅金融債権管理機構との対応を命じられる。住管機構との対決、上層部の対立、検察による元MOF担の取り調べと、再び銀行は揺れ始め、竹中自身も、大物フィクサーへの新たな不整融資に心ならずもかかわることになる。さらに竹中を襲う家庭崩壊の危機。社外からの攻撃と銀行の論理の狭間で再生に向けて苦闘するミドルの姿を描き、多くの共感を呼んだ問題作。
大阪梅田駅前支店長に転出した竹中治夫は、「貸し剥がし」とさえいわれる過酷な資金回収の現実に直面した。優良取引先からも強引に資金を引き上げる銀行の論理の前に、個人の無力を痛感する。やがて広報部長として本社に復帰した竹中を待っていたのは、激化する上層部の抗争だった。現実に危機感を覚え改革を目指す頭取側と、傍若無人に振る舞う旧勢力の前会長側の対立に、分裂の危機に陥った協立銀行。危機的状況を前に竹中たちミドルが立ち上がる!果たして銀行は再生できるのか?金融界の現実を圧倒的な迫力で描いた衝撃の力作長編。
小説家志望のフリーター・菊川真、大学院で地球物理学を専攻する茂木太郎、卜占術師・赤道目子、女子中学生・立花やよい、そして高校三年でスポーツ青年の山野透。何の共通点もない彼らは、ある日突然、Jと名乗る見えない存在の意思によって集められた。Jは言う。「あなたの助けが必要です」。Jとは何者なのか?何もわからぬまま行動を開始した五人組だが、Jとの対話を続けながら意外な真実に近づいていく。Jが握っている未来、それはー。長編ファンタジック・ミステリー。