2001年8月20日発売
本牧亭の鳶本牧亭の鳶
若き講釈師の群像と下足番のじいさんの何気ない交流を描いて涙を誘う名品「本牧亭の鳶」、時代遅れの声帯模写の悲哀を描く「九官鳥」、百面相一筋に生きた芸人の哀れで滑稽な末路を描く「カラスの死に場」、お囃子の女性の切ない転変を写す「老鴬」など、正調吉川節が哀切に響き渡る。色物芸人たちの純粋で愚かな優しさを紡ぐ傑作六編。
眩暈を愛して夢を見よ眩暈を愛して夢を見よ
失踪した元AV女優にして、高校時代の憧れの先輩・柏木美南を追いかけていた須山は、調査を進めるうちに彼女の悲愴な過去を知る。一方、美南をなぶり、卑劣な虐めを繰り返していた関係者たちが、謎の言葉と共に次々と殺されていった。やがて事件は一応の解決を見るが、そこからが本当のミステリの幕開けだった-。
呪いの鈴殺人事件呪いの鈴殺人事件
横島総合病院の若先生に収まった誠は、診察するのが怖い、気弱な性格。当直の夜、急患が運び込まれるが、ほどなく、鈴の音を残して死んでしまう。その夜出会った、妖術師を名乗る大方総八郎は、その患者は呪術で殺されたと断言する。その後、鈴をめぐって怪事件が続発。鈴を操る呪力の正体は!?オカルト、コメディ、ミステリーが一体となって展開する快作。
緑色のカーテン緑色のカーテン
長編小説『白痴』は、どのように構想され熟していったのか。深い洞察力、息を呑む展開、物語のクライマックスへ誘う「一枚の絵」。「緑」をキーワードにスリリングに解き明かす『白痴』の中の謎。
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