2001年発売
英国がまだ戦争の痛手から立ち直れず、不景気と不安が社会を覆っていた1960年代。ロンドンの裏社会でのしあがった一人のギャングがいた。「拷問好き」と綽名され、詐欺、麻薬密売、ポルノ販売、買収、脅迫、さらには殺人にいたるまで、悪いことならなんでもこなし、いまやかのクレイ兄弟と覇を競うまでになった男、ハリー・スタークス。だが、手下たちにも見えにくい意外な顔を、ハリーはまた持ちあわせていた。オペラを聞き、チャーチルを尊敬し、有名人には弱く、愛した青年たちや母親には優しい。その真の姿を知る者はどこにもいない。度胸と奸知と暴力を武器に、次々と敵を消し、金を掻き集め、やがて時代が彼を必要としなくなるまで、ハリーは暗黒街を駆け抜けていく…激動の時代を背景に、一人のギャングが、いままさに伝説となってゆく。
菊山事件-妹をレイプした男を刺殺したとして起訴された矢代昌宣は、警察での自供を翻し、終始無実を訴え続けながら、控訴審中に獄死した。それから十八年。弁護団は、現在も冤罪事件として再審請求に向け活動を続けている。そんななか、事件の裁判長だった滝川実が、ひき逃げされて死亡した。容疑者として逮捕されたのは、現場近くに住む元警部で、かつて矢代を自供に追い込んだ堀内利勝だった。堀内は苛酷な取り調べの末、自供するが…。菊山事件の復讐のために誰かが仕掛けた罠なのか?傑作長篇ミステリー。
リングフィールド卿は障害物競走で命を失った。そのレース前、遺言状を残していた。娘の後見人として、レース主催者であるステヴィントン侯爵を指命したのだ。父の死を招いた人物が後見人とは…バレッタは現実を受け入れられず遺言の確認に、侯爵の屋敷へ赴く。「わたしはきみの後見人なのだ。」その言葉に茫然とするバレッタの前に煙突掃除の少年が転がり落ちてきた。続いて、親分による虐待場面が展開する。バレッタは耐えきれず、侯爵に少年の身を買いあげてくれるよう嘆願する。侯爵の庇護のもと奇妙な同居が始まった。
小学校6年生の村山藍は、品行方正な優等生。名門私立中学の入試をひかえ、母親のお受験熱も高まるばかりだ。しかし、当の藍は、そんな自分に疑問をもちはじめる。ある日、家に帰りたくなかった藍は近所に月光のあたる草原があることを発見する。そこで本当の自分に出会えた気がした藍は、その日を境に豹変した。口応え、不登校…家族はこのまま崩壊してしまうのか。
誰かがどこかで見ていてくれる。神秘的な星のきらめきに似た愛の奇蹟をあなたに…。近未来宇宙でくり広げられるサイエンスミステリー。度重なる危機を幾度も救ってくれる少年との運命的な出会いと悲劇的な別れ。そしてわくわくするスピーディーな展開にも感動を呼ぶ珠玉のSFノベルズ。
ニューヨークとロサンゼルスを舞台に繰り広げられる壮大なラブ・ロマンス。裕福な家庭に育ち、モデルを生業とする主人公リサの前に現れた男の正体は?リサの出生の秘密とは?すべての謎が解き明かされたとき、彼女の選ぶ道は…。