2002年8月発売
世界には歯があり、油断していると噛みつかれるー。ボストン・レッドソックスのリリーフ・ピッチャー、トム・ゴードンに憧れる、少女トリシアは、9歳でそのことを学んだ。両親は離婚したばかりで、母と兄との3人暮らしだけれど、いがみ合ってばかりいる二人には、正直いって、うんざり。ある6月の朝、アパラチア自然遊歩道へと家族ピクニックに連れ出されるが、母と兄の毎度毎度の口論に辟易としていたトリシアは、尿意をもよおしてコースをはずれ、みんなとはぐれてしまう。広大な原野のなかに一人とり残された彼女を、薮蚊の猛攻、乏しくなる食料、夜の冷気、下痢、発熱といった災難が襲う。憧れのトム・ゴードンとの空想での会話だけを心の支えにして、知恵と気力をふりしぼって、原野からの脱出を試みようとするが…。9日間にわたる少女の決死の冒険を圧倒的なリアリティで描き、家族のあり方まで問う、少女サバイバル小説の名編。
異端にして孤高の民俗学者・蓮丈那智の元に「『特殊な形状の神』を調査して欲しい」との手紙が届いた。神とは「即身仏」のことらしい。類例のない情報に興味を示し、現地に赴いた那智と助手の三国だが、村での調査を終えたのち、手紙の差し出し人が謎の失踪を遂げてしまう-(表題作)。日本人の根底にある原風景を掘り起こす「本格民俗学ミステリ」。待望の第二弾。
唯一の肉親イアン叔父さんが、交通事故死にみせかけて殺された。悲しみに暮れる間もなく、14歳のアレックス・ライダーは、叔父さんがMI6(英国の諜報機関)の特殊工作員だったという事実を知る。MI6にスカウトされた彼は、全身傷だらけになりながらも地獄の訓練に耐え抜いた。敵は、正体不明のコンピューター王だった。やがて、リベンジ作戦が開始された…痛快アクション・ファンタジー。
最後に一つだけ、必ず願いごとを叶えてくれる人物がいる。そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは…『MISSING』の新鋭が奏でる物語のシンフォニー。
細胞の老化は防げるのか?世界各地に驚異的に長命の人々が点在するという。生命をつかさどるものは何か?テロメア、テロメラーゼ、ES細胞、クローン…古今東西人々が求めつづけた不老不死とは-天才日系科学者を主人公にドイツ、アメリカ、アマゾン、ヴァチカンと壮大なスケールで描くダイナミックなノンストップ冒険小説。