2002年8月発売
「われらの名を、アテナに伝えろ。そのために生かしておいてやる。娘をとり戻したくば、シチリアまで来い…われらはギガス!」-古の〈ギガスたちとの戦い(ギガントマキア)〉の伝説がここに、よみがえった!原作の車田ワールドの世界観はそのままに壮大なスケールで幕を開けるオリジナルストーリー、新展開。大人気コミック、待望の初ノベライズ。再びうなれ、ペガサス流星拳。
天皇の死を通して日本近代の成り立ちを追った歴史ミステリー ●天皇崩御の朝に当時最高部数を誇った新聞が、新元号をスクープ。しかし、それは「昭和」ではなく「光文」とされ、すぐに訂正された。この誤報の反響は?そして、担当記者のその後は? ●柩をかつぐ 大葬において重要な役割を担ってきた八瀬童子の運命を、貴重な文献と多くの老人からの聞き取りで解き明かした歴史的にも注目された作品。明治・大正と二代にわたって柩をかついだ老人の証言は圧巻。 ●元号に賭ける 森鴎外の元号に対する思いと、その後を託された吉田増蔵の足跡を追い、「昭和」に決定した経緯を明らかにする。 ●恩赦のいたずら 終戦時に松江市で起こったクーデターの推移と首謀者たちの処遇を追うことで、天皇の大権である「恩赦」「大赦」の機能を浮かび上がらせる。 イデオロギーとしての天皇制ではなく、現代史・民俗誌の観点から天皇の本質に迫った猪瀬直樹の原点。
永遠の故郷喪失者ショパンが目前に迫る死を振り払い、鍵盤の上に奇跡を呼ぶ。“絵画の虐殺者”ドラクロワが恐るべき魂の闇と対峙し、至高の色彩に挑む。小説家サンドがショパンへの愛を超え、革命の夢を追う。激動する十九世紀パリを舞台に、芸術家達の群像を遍く描き尽くす空前絶後の超大作。
世界には歯があり、油断していると噛みつかれるー。ボストン・レッドソックスのリリーフ・ピッチャー、トム・ゴードンに憧れる、少女トリシアは、9歳でそのことを学んだ。両親は離婚したばかりで、母と兄との3人暮らしだけれど、いがみ合ってばかりいる二人には、正直いって、うんざり。ある6月の朝、アパラチア自然遊歩道へと家族ピクニックに連れ出されるが、母と兄の毎度毎度の口論に辟易としていたトリシアは、尿意をもよおしてコースをはずれ、みんなとはぐれてしまう。広大な原野のなかに一人とり残された彼女を、薮蚊の猛攻、乏しくなる食料、夜の冷気、下痢、発熱といった災難が襲う。憧れのトム・ゴードンとの空想での会話だけを心の支えにして、知恵と気力をふりしぼって、原野からの脱出を試みようとするが…。9日間にわたる少女の決死の冒険を圧倒的なリアリティで描き、家族のあり方まで問う、少女サバイバル小説の名編。
異端にして孤高の民俗学者・蓮丈那智の元に「『特殊な形状の神』を調査して欲しい」との手紙が届いた。神とは「即身仏」のことらしい。類例のない情報に興味を示し、現地に赴いた那智と助手の三国だが、村での調査を終えたのち、手紙の差し出し人が謎の失踪を遂げてしまう-(表題作)。日本人の根底にある原風景を掘り起こす「本格民俗学ミステリ」。待望の第二弾。
唯一の肉親イアン叔父さんが、交通事故死にみせかけて殺された。悲しみに暮れる間もなく、14歳のアレックス・ライダーは、叔父さんがMI6(英国の諜報機関)の特殊工作員だったという事実を知る。MI6にスカウトされた彼は、全身傷だらけになりながらも地獄の訓練に耐え抜いた。敵は、正体不明のコンピューター王だった。やがて、リベンジ作戦が開始された…痛快アクション・ファンタジー。
最後に一つだけ、必ず願いごとを叶えてくれる人物がいる。そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは…『MISSING』の新鋭が奏でる物語のシンフォニー。
16世紀イタリア。農夫ウーゴは貧困と飢えに喘いでいた。ある日、絶望のあまり畑で神に祈っていたウーゴは、狩猟中の残虐な領主フェデリーコに出くわす。ウーゴは狩りに失敗した領主に八つ当たりされ、何とか命拾いはしたものの、彼の毒味役を務めさせられることに。愛娘ミランダとともに豪奢な宮殿に連れていかれたウーゴは、今までとは違う生活を期待した。しかし、フェデリーコは大勢の人間から憎まれていて、その食べ物にはいつ毒が盛られるかわからない。皮肉なことに、見たこともないご馳走を前にしてウーゴは生命の危機に直面するはめに陥った。領主を毒殺する動機を持っているのは誰か?料理に毒を入れるとしたらどこでなのか?ウーゴは毒薬や解毒剤の知識や宮廷内の人間関係などの様々な情報を駆使し、恐怖心と闘いながら料理に潜む毒と対決するが…。著者エルブリングが架空の古文書「毒味役ウーゴ・ディフォンテの手記」を翻訳したという特異な設定の歴史小説。料理の蘊蓄や奇抜な風俗をちりばめ、毒味役の波瀾万丈の半生を綴る痛快作。
細胞の老化は防げるのか?世界各地に驚異的に長命の人々が点在するという。生命をつかさどるものは何か?テロメア、テロメラーゼ、ES細胞、クローン…古今東西人々が求めつづけた不老不死とは-天才日系科学者を主人公にドイツ、アメリカ、アマゾン、ヴァチカンと壮大なスケールで描くダイナミックなノンストップ冒険小説。