2002年発売
私は呪ってやる 幸福を邪魔してやるわ 呪いの言葉を残して死んだピアニスト。怪異は三姉妹もまきこんで。 天才ピアニスト・高田恭二は、師であり愛人でもあった、深野須美子を捨て、若い恋人と駆け落ちした。須美子は恭二への恨みを綴った遺書を残して自殺した。須美子の呪詛に怯え、東京から逃れた2人は、雪深い温泉地で三姉妹と出会った。須美子の「呪い」は、三姉妹をも巻き込んでいく。殺人と怪異、果たしてその真相は。
山神大地は、陸上部の部室で結ばれた同級生・淳子とふたたび愛を交わす。新任の川上先生には進路指導室やマンションの浴室で“指導”を受ける。レコード店の若奥様の幸子とは倉庫で抱き合い、別のクラスの雪乃にはやさしく接するー「週刊現代」で大好評の官能巨編・シリーズ第6弾。
前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。同性同士の愛の極北を描く、山本周五郎賞受賞作家による傑作長篇。
紅花問屋“佐渡屋”の手代・富蔵が盗賊の一味として処刑された。決め手となったのは、手引きをした女中・お里の自供。そんな折り、富蔵と肩を並べていた卯之助が一の手代に抜擢され、お里は喜びを同囚に語ったというのだ…。怨んだ相手の足を引っぱり、秘かに誅伐を加えてくれるという〈足引き寺〉の住職・宗徳ら四人と一匹の仕事師が事の真相に迫る。表題作他、大好評の足引き寺閻魔帳シリーズ第二弾。
1802年、王妃マリア・ルイーサと権勢を張り合うスペイン第一の貴族アルバ公爵夫人カイエターナは、宴を開いたその夜、謎に満ちた死を遂げる。自殺なのか、あるいは、愛人関係にあった青年宰相ゴドイ、その愛人ペピータ、クーデターを企む皇太子、宮廷画家ゴヤら客の誰かが毒を盛ったのか?そしてさらに、その背後にはもう一つの謎が隠されていた。ゴヤだけが知る、名画「裸のマハ」をめぐる秘密が…。
緑深い北鎌倉の屋敷に暮らす若き女主人。魔性の女に翻弄される男の行く末は…。表題作「ひぐらし荘の女主人」他、「花ざかりの家」「彼なりの美学」妖しい官能美にあふれた3篇。 (解説・皆川博子)
犯罪記録、週刊誌報道、手記、供述調書…。ある猟奇殺人をめぐる様々な文書。果して「言葉」は真実を写せるのだろうか!? “藪の中形式"でコトバ社会の闇に挑む、問題提起ミステリー。(解説・茶木則雄)
1498年フランス。国王が王妃に対して離婚裁判を起こした。田舎弁護士フランソワは、その不正な裁判に義憤にかられ、孤立無援の王妃の弁護を引き受ける……。第121回直木賞受賞作。 (解説/池上冬樹)
横浜テレビの看板レポーター山名めぐみが殺された。最後に取材したVTRを見た浅見光彦は彼女のインタビューが事件の鍵を握ると睨む。「赤い靴」と「青い眼の人形」、二つの童謡に隠された謎とは?また金沢八景で死んでいた会社員浜路恵一と事件の関連とは?異国情緒漂う横浜の街を舞台に、テレビスタッフの藤本紅子、浜路の娘智子、浅見の三人が事件の真相を追う。
純白のタキシードとウェディングドレスに身を包んだ新郎新婦が登場した途端、映画〈卒業〉のように花嫁が連れ去られて……表題作のほか、「衣装戸棚」「招待席」「幽霊船」「噂話」の四篇を収録。
名探偵はなるのではない、存在であり意志であるーー名探偵巫弓彦に出会った姫宮あゆみは、彼の記録者になった。そして猛暑の下町、雨の上野、雪の京都で二人は、哀しくも残酷な三つの事件に遭遇する……。
「私は断じて愉快犯ではない」-世間を恐怖に陥れている連続婦女誘拐殺人事件。少女惨殺の模様を克明に記した犯行声明が新聞社に届けられた。ところが、家族や捜査陣の混乱をよそに、殺されたはずのその少女は無事戻り、犯人とされた男は自殺、事件は終結したかに思われた。しかし、事件はまだ終わっていなかった。捜査を担当している佐原刑事の娘が誘拐されたのだ!しかも、犯人は衆人環視のなかで身代金を運べと要求する…。犯人の目的はいったい何なのか?刑事たちを待ち受ける驚天動地の結末とは!?偉才が放つ奇想のミステリ。
中学一年でサッカー部の僕、両親は結婚15年目、ごく普通の平和な我が家に、謎の人物が5億もの財産を母さんに遺贈したことで、生活が一変。家族の絆を取り戻すため、僕は親友の島崎と、真相究明に乗り出す。
その古銭に触れた者は終わりなき呪いの連鎖に組み込まれ、二度と逃れることは叶わない。親友を、そして自分自身を救うため、八百比丘尼伝説の迷路に迷い込む青年。紀伊、高野山、若狭と彷徨い歩き、青年が得た恐るべき真実とは?妖しく、美しく織りなす夢幻の恐怖。待望の書下ろし長編小説。