2003年7月25日発売
化学者ばかりが狙われる連続密室殺人事件が発生。恐怖にひきつった遺体の表情は事件の凄惨さを伝えていた。孤独な警視メリエスと人間嫌いの美貌の記者レティシアは、秘策を用いて謎の事件を追う。アリの都市ベル・オ・カンでは人間によってもちこまれた“神”の概念をめぐり二つの勢力が激しく対立。女王アリはついに、諸悪の根源である人間を倒すために十字軍の派遣を決意する。しかしそこには極秘の使命“マーキュリー・ミッション”を負ったスパイがまぎれこんでいたのだー。怒涛の知識が織りなす、めくるめく驚異の物語。フランスの鬼才ウェルベルの最高傑作。
本書は、2002年に小説誌等に発表された数多くの短篇ミステリーの中から、日本推理作家協会が最も優れた20篇を厳選した、決定版アンソロジーです。推理小説界2002年の概説、ミステリー各賞の歴代受賞リストもついて、資料としても充実しています。50年を越える歴史を誇る唯一無二の推理年鑑です。
険しい山に囲まれ、悠久なる大河が流れる王国。長年続く野賊との内戦を終らせ、祖国に平和をもたらすー正義を胸に、理想を貫き、どんな状況でも、「生」を信じ、国を愛し闘い続けた大佐・テミズ。この男が人生を賭け、夢見たものは…。人々を愛し、孤高の生を全うした男の壮大で波乱に富んだ人生を描く、新鋭による圧巻の長編小説。
人との距離がうまく測れず、引きこもりがちな大瀬崎亜紀、22歳。「このままじゃダメ人間だ!」と心機一転、バイトをはじめるも、“鬼シャチョー”にこき使われ、とほほ状態に。それでもシャチョーにほのかな恋心を抱き始める…。
盗賊仲間に裏切られて大火傷を負い、死んだはずの男。座頭組織の長・髑髏検校に拾われた男は、暗殺者として裏社会に生きる覚悟を決めた。光を奪われ、座頭として表・裏社会の二重生活を送り始める男-。だが運命は男を、さらなる修羅へと向かわせた。
癌で入院中の父親と寝たきりの祖父の面倒を一人でみる村尾柊一。彼は善意より殺意を必要とした…。あの日、雨が降っていなければ、誰も殺されなかった。必死だけど可笑しくて、実直ゆえに我がままで、優しいくせに傷つける-デビュー15周年を迎えた樋口有介の真骨頂、とにかく切ない物語。
騎士バルロが出撃する。叔父マグダネル卿を討つためにー!サヴォア一族の内紛とは王家失脚を企む卿と、その陰謀を阻止せんとするバルロの対立だったのだ。卿の背後にはデルフィニアを狙う隣国タンガとパラストが蠢いていた。この国を揺るがす危機をウォルそしてリィはいかに乗りきるのか。
青墨色の闇の中、“邪宝剣”八支刀三柄剣が十賊色に輝き、殺戮と焼尽の幕が切って落とされた-。終わらない旱天に流行病、続発する民衆の暴動。時は正長元年、南朝復興を叫ぶ伊勢国司・北畠満雅は、伊勢裡宮に伝わる秘法により次代の帝・彦仁王の魂魄を抜き取った!彦仁王の魂は、“器”と定められた虚丸の肉体に憑依する。放浪の僧・一休宗純は二人の少年を救うべく、伊勢裡宮へと旅立つ。“黒衣の宰相”三宝院満斎、北畠満雅、“旧司等”の神々を祀る裡宮の血族…。それぞれの陰謀と一休の戦いを壮大なスケールで描く、シリーズ最高傑作ここに誕生。
元広域窃盗犯にして寺男の有馬次郎と、穏やかな相貌と鋭い観察眼をあわせもつ住職の二人が、みやこ新聞の自称「エース記者」折原けいや、京都府警の碇屋警部と共に、難事件の謎に迫る!京の風情と人情と、密やかな悪意と。傑作本格推理。