2003年9月10日発売
浪々を選びて候浪々を選びて候
永禄十年、日根野弘就三十七歳。美濃斎藤家で勇将として聞こえていたが、主家が織田信長に滅ぼされた。信長に屈することを拒んだ弘就は、一族を連れて関東に下るが、仕える先々で主家が信長に潰されていく。中年になって禄を離れる不安、新しい主君への処世術、家族との葛藤、強大な権力に身をゆだねる喪失感…揺れ動く男の心情を克明に描く。
夕映えの道夕映えの道
ジャンナは高級女性誌の有能でファッショナブルな副編集長。数年前に夫と母を癌で亡くして、彼女の人生は大きく変わった。ひとりぼっちになったジャンナは、もう若くはなく、よりどころもない自分のもろさをはじめて意識する。そんな時、近所の薬局で90歳過ぎの貧しい独り暮らしの老女モーディーと出会い、その独立心旺盛な強い個性に惹かれ、しだいに人間的な絆で結ばれてゆく。老いの孤独と仕事をもつ女性の問題に真摯にむきあい、切なくもしみじみと深く胸を打つ、正真正銘の感動作。
サウンドトラックサウンドトラック
2009年、ヒートアイランド化した東京。神楽坂にはアザーンが流れ、西荻窪ではガイコクジン排斥の嵐が吹き荒れていた。破壊者として、解放者として、あるいは救済者として、生き残る少年/少女たち。これは真実か夢か。『アラビアの夜の種族』の著者が放つ、衝撃の21世紀型青春小説。
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