2004年1月30日発売
時は明治末、挿絵画家・野々宮と東北訛りの女中サトは、富士の樹海から地底探検へと旅立った。光る猫、信玄の隠し財宝、謎の宇宙オルガン…。漱石&ヴェルヌの手に汗握るファンタスティックな続編。
匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物-箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞受賞作。
たとえばたとえば。サルスベリの木に惚れられたり。床の間の掛軸から亡友の訪問を受けたり。飼い犬は河瞳と懇意になったり。白木蓮がタツノオトシゴを孕んだり。庭のはずれにマリア様がお出ましになったり。散りぎわの桜が暇乞いに来たり。と、いった次第の本書は、四季おりおりの天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。
舞台は、『灰色の輝ける贈り物』と同じ、スコットランド高地の移民が多く住む、カナダ東端の厳寒の島ケープ・ブレトン。役立たずで力持の金茶色の犬と少年の、猛吹雪の午後の苦い秘密を描く表題作。ただ一度の交わりの記憶を遺して死んだ恋人を胸に、孤島の灯台を黙々と守る一人の女の生涯。白頭鷲の巣近くに住む孤独な「ゲール語民謡最後の歌手」の物語。灰色の大きな犬の伝説を背負った一族の話。人生の美しさと哀しみに満ちた、完璧な宝石のような8篇。
あの日、それはみんな魔法っぽかった。「人間たちは生きものを殺す。わたしは埋める。ハリネズミや小鳥やカエル、それにカタツムリだって」森で出会った小さな人は言った。
砂漠での甘美で衝撃的な出会いから1年ー。愛しきひと…誇り高き青の戦士、トゥアレグ族のミカルとともに再びパリ〜ダカールラリーに挑んだ海。砂漠を知り尽くした頼もしいナビゲーターを得て、順調にゴールを目指していた矢先、そのミカルが突然に姿を消してしまい…!そんな時、呆然とする海に救いの手を差し伸べたのがミカルの双子の弟、ジブリールだった…。
憧れのレコード会社に就職でき、張りきる真言だったが…配属先はなんと苦手なクラシック部門、しかも超傲慢で気難しく、おまけに物凄い経歴の新鋭ピアニスト、曽我部の担当ディレクターにさせられてしまい…。最初の打ち合わせからぶつかり、険悪ムード漂うふたり。だが、独奏会の夜、真言は初めて目にする曽我部の華麗な指先にすっかり魅せられてしまった…。