2004年8月発売
自分が犯したらしい殺人についてご相談したい。そう言ってポアロを訪ねてきた若い娘は、結局何も告げないまま立ち去ってしまった。その午後、事情通のオリヴァ夫人から事情を聞いたポアロは、俄然興味を示し、夫人とともに調査を始める。だが娘の周囲に殺人の匂いはなかった…死体なき殺人の謎をポアロが追う。
ポルトガルの作家で領事でもあったモラエスが愛したふたりの日本人女性への追慕の情を通して描く大正期のニッポン……徳島の人々との暮らしのなかで感じたこと、考えたことを見事に文学に結晶した傑作の増補改訂版 コハル おヨネだろうか…コハルだろうか… 正午の号砲(またもやコハル) 祭日のごちそう 日本の三人心中 日本の異国情調 潮音寺の墓地のごみため 着物? それともお金?-着物 久松は家にいません 無 臭 半分のバナナ ある散歩での感想 風景を最後にひと目 夢をみて 敦盛の墓 笑ったり泣いたり 私の追慕の園で ある日本の諺 訳者解説 「おヨネとコハル」について ヴェンセスラウ・デ・モラエスについて 増補・「おヨネとコハル」の新しい読み方
語 源 抜 粋 第一章 まぼろし 第二章 カーペット・バッグ 第三章 潮吹き亭 第四章 掛けぶとん 第五章 朝 食 第六章 通 り 第七章 教会堂 第八章 説教壇 第九章 説 教 第一〇章 こころの友 第一一章 ナイトガウン 第一二章 おいたち 第一三章 手押し車 第一四章 ナンターケット 第一五章 チャウダー 第一六章 船 第一七章 ラマダーン 第一八章 クイークェグのしるし 第一九章 預言者 第二〇章 出港準備 第二一章 上 船 第二二章 メリー・クリスマス 第二三章 風下の岸 第二四章 弁 護 第二五章 追 記 第二六章 騎士と従者(その一) 第二七章 騎士と従者(その二) 第二八章 エイハブ 第二九章 エイハブ登場、つづいてスタッブ 第三〇章 パイプ 第三一章 夢 魔(クイーン・マブ) 第三二章 鯨 学 第三三章 銛打ち頭(スペックシンダー) 第三四章 船長室の食卓 第三五章 檣頭(マスト・ヘッド) 第三六章 後甲板 第三七章 落 日 第三八章 たそがれ 第三九章 夜直はじめ 第四〇章 深夜の前甲板 第四一章 モービィ・ディック 訳 注
事故で記憶をなくし、目覚めた時に透の時間は六年経っていた-。周囲に愛されていた“もう一人の自分”の影に苦しみ、さらに、誰よりも憎んでいた男・藤島と同居していたことに驚愕する。藤島に見守られ、失くしかけた夢と歳月を取り戻そうとする透だが、藤島の裏切りが明らかになり-!ハート激震、話題沸騰のCOLDシリーズ、ここに完結!加筆&書き下ろしありのこのクライマックスは絶対見逃せない。
皇統をめぐる争いに敗れ、呪詛のうちに流刑の地で没した崇徳上皇。特別養護老人ホームの理事長・栗石は、この貴人を信仰していた。その施設内で、老人の不可解な死が相次いだ。一方、天皇家にまつわる怨霊伝説を追う浅見光彦は、京都で見知らぬ女性から唐突にフィルムを手渡される。現像してみると、そこには驚くべき光景がー!安楽死、老人福祉問題をテーマに、人間の尊厳を真摯に問い直す、感動の長編推理。
自由と開放の地を求め、相棒の黒人ジムとミシシッピ川を下る筏の旅に出るハックルベリ。様々な人種や身分の人々との触れ合いを通して、人間として本当に大切なもの、かけがえのない真実を見出してゆく。
二〇〇一年十二月、米エネルギー企業大手エンロンが破綻した。一介の地方ガス会社は、いかにして世界にエネルギー革命をもたらし、なぜ突如破綻したか?同社と米国政府、ウォール街、会計事務所との癒着とは、いかなるものだったのか?エンロンが駆使した金融工学と会計操作のからくりに徹底的にメスを入れるとともに、貧困家庭から這い上がろうとして戦い、破滅した幹部たちの人間ドラマに光を当てるドキュメント経済小説。
廃寮反対! 僕らの「闘争」が、今はじまる。 薫平19歳、首都大学の寮生。大学側が打ち出した廃寮政策に反発し、自由と自治を守るため、仲間と共に立ち上がるーー。今を生きる、普通の若者達の姿を描く、青春長編小説。(解説・北上次郎)
金貸しを営む銭法師の喜久五郎という男が墓所の近くを歩いていると、衣の裾にしゃべる髑髏が食いついてきた。その口車に乗り大儲けを企てるが、恐るべき復讐に遭い…(「ものいふ髑髏」)ほか、登山事故の入院先で体験した奇妙な出来事や、暴漢に襲われた男が垣間見る悪夢など、平安朝物語から日常に潜む恐怖や不思議現象まで、怖くて妖しい物語10編を収録。
美貌と才能とお金、そして幸せな家庭。全てに恵まれた作家の「私」は、執筆に専念するため、マンションを借りる。それは、担当編集者の三浦くんと甘い蜜の時間を過ごすためでもあった。やがて私は、隣の古アパートに住む、いわくありげな女達をもとに物語を紡ぎ始める。暗い過去を匂わせる101号室の大女。ヒモ男に寄生されている102号室の美女…。妖気と腐臭に満ちた妄執奇譚が、今、幕を開ける。
刑務所内で大がかりな陰謀が進行しているとの内部告発を受け、パリ警察が誇る名予審判事シャルル・ベルトランは、内偵のためタントワーヌ刑務所を訪れた。そこは十字架形の獄舎に長期刑の服役者だけが収監され、断崖に囲まれた脱出不可能の監獄島。囚人の中には国際的な犯罪者で、かつてベルトランが逮捕したアレクセイ・ボールドウィンもいた。密かに調査を始めたベルトランの前に突如、驚愕の事件が巻き起こる。内部から閉ざされた部屋での殺人。そして時計塔から吊り下げられた火だるまの絞殺死体…だが、これもまだ、その後に続く惨劇の幕開きに過ぎなかった。
心臓の骨(ボーン・オブ・ハート)と呼ばれる赤きに赤い魔性の石に魅せられた井之上雅比古博士は、石の所有者である老嬢・小藤祥之と共に南海の孤島アーカムへ、六十年に一度、世にも美しい大潮の祭り見物の旅に出る。冒険家のロレンツォ・オゴタ、ヴァンプ女優の有田万里、その幼い娘マリカらと乗り合わせた雅比古たちは、優雅なヴァカンスどころか大騒動に巻き込まれていく。麻薬密売、発見された死体、密漁団、人質にとられた母娘。雅比古はオゴタらと共に救出に向かうのだが-!いつともどことも知れぬ世界を舞台に描く怪奇幻想冒険譚。いざ行かん、不思議な旅へ。