2005年8月発売
社内抗争に明け暮れる「オヤジども」にもう会社は任せられない!世襲かクーデターか?次期社長の座をめぐる権力闘争。才色兼備のバツイチ広報部員・竹中麻希の闘いが始まった!社内抗争を生き抜く女性の闘いを書き尽くした傑作ビジネス小説。
底知れぬ剣の腕前を持ちながら、土佐藩の階級社会の底辺で喘ぐ男がいた。男の名は岡田以蔵。出世が望めずに苦悩する日々を送る以蔵は、大秀才・南海の墨竜として名高い武市半平太によってその才を見出される。だが、以蔵を待ち受けていたのは、残酷非道な暗黒の世界だった。一方、坂本竜馬と出会い、その人間性に惹かれる以蔵。さらに愛する女・津留との邂逅が、以蔵の運命を大きく変えることになるー。人斬りとしてしか知られぬ岡田以蔵の真実を、桑原譲太郎が熱く描く、傑作時代長篇。
老人世帯で連続する失火による火災。住人は、“不運な偶然が重なって”焼死。赤羽台出張所の若手消防士、大山雄大は出火原因に疑問を持ちはじめていた。「…これは、放火自殺なのか…?」閉塞した世の中を雄大が救う。
父が遺した古いアパート「扇荘」を管理する時子。初婚は死別、再婚は2年で破綻。今は、老人介護のパートのかたわら、母の代わりに、家賃の集金や住人のトラブル処理に気丈に応対する日々だったが…。「このままずっと独りなのかしら…」そんな時子の前に、“彼”は現れた。忘れていたときめき、ゆれる想い、幸せの予感、あふれる涙。38歳、老いた母を助けて暮らす女性を描いた、感涙の物語。
忘れてしまってはいませんか?あの日、あの場所、あの人の、かけがえのない思い出を。東京・下町にあるアカシア商店街。ある時はラーメン屋の前で、またあるときは古本屋の片隅でー。ちょっと不思議な出来事が、傷ついた人々の心を優しく包んでいく。懐かしいメロディと共に、ノスタルジックに展開する七つの奇蹟の物語。
表層に囚われては、未知を射抜くことはできない。理性に拘泥しては、あり得べき真実に至ることはできない。想像を放棄しては、歴史を覆すことはできない。まったく新しい切り口で「あの絵師」の謎に迫る、民俗学ミステリ、シリーズ最新刊。またしても暴かれる歴史の闇。異端の民俗学者が、日本美術史上最大の謎、「あの絵師」に挑む。
「おまえは…私が怖くないのか?」月光に浮かび上がる銀色の馬、逞しい騎士…奈知が学校の沼で出会った銀の騎士の正体は「沼の王」と生徒たちに恐れられる教師・保科だった!冷たち人嫌いの保科だが、奈知はあるきっかけから保科の本当の姿を知り、しだいに惹かれていく。でも教師と生徒の恋は禁じられた関係で…!「今なら引き返せる。これ以上私の中に踏み込む事が怖いと思うなら」甘く熱く、時にミダラな禁断の恋、書き下ろし。
お洒落とはほど遠い学生生活を送ってきた甲斐谷は、大手化粧品会社に入って三年目。ふわりと甘い香りをさせる美貌の男・藤原が上司だ。仕事はできるし、付き合いたがる女の子は数知れぬ藤原だけど、甲斐谷には気障でイヤミな男としか思えない。おまけに新発売の男性化粧品をめぐって藤原と対立。そんな折、藤原がエッチの時にも決して服を脱がないという話を聞いた甲斐谷は…!?大人気シりーズ第2弾。
「初めてだと言うわりには、まあまあよかったよ。相性も悪くなかったしね」一途に好きだった高校時代の先生に大失恋してしまった大学生の掛川。しかも先生の秘密の恋人は、自分の友人だった。なかばやけっぱちに誘った年上の男・橋本は、顔は極上だが性格は最悪。カラダで失恋の痛みを慰めてもらうには、うってつけの相手だったが…。木原音瀬のデビューノベルズ、幻の商業誌未発表作から書き下ろし作品まで含めた完全収録版で登場。
「愛は、水の中の月のように儚い」検事の芹沢は、そのクールな美貌を惜しげもなく男に抱かせていた。-ただしかつて恋人に裏切られた心だけは、もう誰にもやらないと固く決めて。しかし、強烈に雄を感じさせる精悍なヤクザ・竜崎との出会いが、凍りついた芹沢を融かしていく。荒々しい愛撫と目眩く快楽、そして身体を突き抜ける激情-これが真実の愛!?ヤクザと検事。惹かれ合ってはいけないと思うほど、愛に深く惑う…!!大人の男たちの禁断、情熱ラブドラマ。激愛の新婚(?)生活かきおろし。
いかがわしい食用花で財を成した若き社長・宇治谷に引き取られた、高校生の若菜・ある夜彼は、濃密な花の香りの美少年・馨が義父に犯される、蠱惑的な光景を目にする…!「-僕を抱くのが怖いのか?」妖しく微笑む馨を愛してしまった若菜は、背徳に駆られながらも、誇り高い魔性に魅せられるまま欲情し、馨とまぐわう。しかし彼の特殊な「交配」には淫靡な陰謀があった…!!愛する馨を淫らな奈落から救いたいと強く願う若菜だったが!?濃厚耽美な愛欲世界、オール書き下ろし。
警視庁OBの岡田は、山陰への旅の途中で宝石店に勤める北野という青年に出会う。翌日、北野の死体が城崎で発見された。事情聴取を受ける岡田の元へかつての後輩、十津川が現れる。東京で殺された女性の部屋に、北野の名刺が残っていたのだ。岡田が北野の足跡を辿ると、彼から宝石を買おうとしていた地元の名士が連続して不審死していたという事実が分かり…。山陰の温泉町での連続殺人に秘められた、哀しき愛の形とは。
奄美大島の海岸に流れ着いた一枚のフロッピー。そこに記されていたのは奇怪な日記だった。ある大学のサークル一行が古文書を元に、人魚や朱雀、仙人が現れるという伝説の島“沙留覇島”へ渡った調査記録だった。だが、日記の最後に記されていたのは、殺人事件を告げるSOS-フロッピーを拾った写真家の猫田は警察へ届け、大規模な捜索が行われるが、それと思しき島には誰一人いない。猫田は幻の島探しに乗り出すが…絶海の孤島を舞台にした、驚天動地の本格+ネイチャーミステリ。
脳死と判定されながら、月明かりの夜に限り話すことのできる少女・葉月。彼女が最期に望んだのは自らの臓器を、移植を必要とする人々に分け与えることだった。第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
「コースアゲイン」とは「進路を元に戻せ」という船の専門用語だ。男はどこへ向かい、なぜ元に戻ろうとしているのか。この言葉は何を意味しているのか。物語の中には、酒があり葉巻があり、船があり海がある。そして男がいて女がいる。壮年の作家を主人公とした、一作一作が著者の心の傷から滲み出しているような、あたかも私小説とも思える20の短篇が収められている。
東海の小藩で青春を送る筧新吾、花山太郎左衛門、曽根仙之助の三人の青年武士たち。厳格な身分社会の中で、立場や家格の違いをこえて、かたい友情に結ばれた三人だったが、彼等にもやがてそれぞれの道へ進むべき時が訪れる。藩命を受けて江戸へ向かった彼等に、藩をわがものにしようと企む蟠竜公の陰謀が牙をむくー。若き侍たちの旅立ちと胸のすく活躍を描く、青春時代小説の傑作。
新吾は、藩主の菩提寺で謎の遣い手と死闘を繰り広げる。どうやら藩の内部に蟠竜公一派が再び深く根をはりめぐらせているらしい。そのうえ幕府の高官ともつながりを持っているようだ。果たして蟠竜公の狙いは何か?また隠密組織「白十組」も動きだした。江戸藩邸の誰が敵で、誰が味方なのか?新吾、太郎左、仙之助は力を合わせて、陰謀に立ち向かうー。傑作青春時代小説、感動の大団円。
「世界の果ての壁」の謎を追うルーンとフィリエル、ユニコーンを駆り竜退治に赴くユーシス。彼らが辿り着いた南の地には、東の帝国の侵略軍がーグラールの危機に、フィリエルは女王と対峙するため聖神殿へ乗り込む。賢者とは?吟遊詩人とは?わらべ歌や童話に隠された「世界」の秘密がついに明かされる。