2005年発売
ファンの想いが結晶した、これが最後の冬ソナ本── KBSメディア公認の「冬のソナタ」モバイル公式サイトに寄せられた、ファンによるオリジナル小説がついに書籍化。ユジンとジュンサンの空白の3年間、不可能な家での再会後の話、じいやとばあやの恋の行方、ジンスクとヨングクの結婚式の一幕、サンヒョクの新しい恋、チェリンのポラリスは?などなど……。誰もが胸に想い描いていたアナザー・ストーリー、もうひとつの「冬のソナタ」がいま、ここに。 第1章 空白の三年間 第2章 雪のかけらたち 第3章 不可能な家で 第4章 春のソナタ 第5章 ポラリスのまわりで 第6章 運命の糸
ぼくらは、ダイビングプールの底で顔が触れ合うぐらい近くにいた。里沙の目を見ると、ぼくの心臓がドクンと大きく鳴った。水の中では地上よりずっとよく音が伝わるんだ。だからぼくは心配だった。里沙に、ドクンって音が聞こえてしまったんじゃないかって。でも、そのときぼくは気付いたんだ。このドクンって音は、ぼくの体の中からだけじゃなく、すぐ近くにいる里沙からも聞こえていたんだってことにー100万部突破のベストセラー『いま、会いにゆきます』の著者が、淡い恋心、家族の絆をやさしく切なく歌いあげる奇蹟の物語。
前作『ウィンドローの呪い』の続編。ウィンドローの呪いは、まだ解けてなかった。ある日、ジョニーは悪い夢で目覚めた。町はずれにある古い校舎に行くと、ゼブルン・ウィンドローと名乗る黒いローブ姿の男に会う。彼はジョニーの脳に直接語りかけ、ウォーレン・ウィンドローの魂がまだ地上をさまよっている、と言う。その夜、ジョニーは昏睡状態に陥った。1880年代に材木業で財をなしたゼブルンは、ハドソン川を見下ろす小高い丘に教会と屋敷を建てた。呪いの原因は、ウィンドロー家に伝わる“契約の箱”とともに消え、ゼブルンが墓に隠したとされる“ウリムとトンミム”に関係がある、とクート教授は推測。チルダーマス教授はジョニーを救うためファーギーと教会のある町をめざした…。
金貨や銀貨と、町民が普段使う文銭とを両替する銭売り。賽蔵は「二分金千両を目の前にして、眉ひとつ動かさなかった男」、「いまどき、カネに転ばない男はめずらしい。心根がいやしくないからこそ、できることだ。目に曇りのないあの男なら、どんな大仕事でもやり遂げるだろう」と言わせる男だった。江戸庶民のたつきを生き生きと描く長編時代小説。
太古の昔、莫大な力を秘めた宝石“珠”をめぐって神々が熾烈な戦いを繰り広げた。争いの末に魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒し、その復活の日まで争いにひとまず終止符を打ったのだった…老人ウルフの語る神話は、平和な農園で暮らす少年ガリオンの一番の楽しみだった。しかし少年の人生はある日を境に一変する。世界の命運を賭け、予言を成就する冒険の旅に連れだされたのだ!大好評ファンタジイ巨篇、新装版登場。
ピカックスに新しい住人セルマがやってきた。彼女は元ハリウッド女優の老婦人で、最近事故で弟を亡くしており、遺された甥と共に映画館を造るという。その舞台に地元の名士クィラランの飼い猫ココの出演が決まり、住民たちは興味津々。だが、セルマの周囲でペット誘拐など不審な出来事が相次ぎ、さらに、セルマの弟が殺害されたのではという疑惑が浮かぶ。ココは無事舞台を成功させ、なおかつ真実を突きとめられるのか。
文学の本質を探求する作家の業を描き、欧米の読書界騒然、ノーベル賞作家の問題作。オーストラリア生まれのエリザベス・コステロは、『ユリシーズ』に着想を得た『エクルズ通りの家』で世界的に知られる作家だ。六十も半ばを過ぎてなお、彼女は先鋭的な発言をし、行く先々で物議を醸す。ある文学賞授賞式のためにはるばる渡米したときは、スピーチやインタビューで棘のある言葉を吐き、付き添い役の息子とも意見を闘わせる。また文学講師を務める世界周遊の船では、旧知の作家と再会しても、彼の作家としての姿勢、文学論に異論を唱えてしまう。人道活動家の姉ブランチが住むアフリカでは神と文学まで話が及び、さらに神話やエロスについて考察を深める。文学シンポジウムに出向けば、批判的に取り上げようとした作家本人が出席することが判明し、角を立てまいとスピーチを書き直すべく徹夜するはめに…。『恥辱』で二度目のブッカー賞を受賞した著者が、架空の作家エリザベス・コステロを通して小説とは何か、作家とは人間とは何かを問う、審判の書。
アストラギウス銀河を二分する、ギルガメスとバララントの百年戦争末期ー。幾多の死線を常に生存して乗り越える、異能のボトムズ乗りがいた。キリコ・キュービィー。吸血部隊と恐れられた、特殊任務班レッドショルダー部隊最後の兵士。愛も、憎しみも、全てはレッドショルダーとの出会いから始まった…。アニメ史上に燦然と輝く不朽の名作『装甲騎兵ボトムズ』の核心に迫るふたつの物語、「野望のルーツ」と「ザ・ラストレッドショルダー」を小説化、一挙に収録した愛蔵版登場。
食品会社のOL大山田マリモは時々記憶を失う。つい酒でウサを晴らし、飲み過ぎてしまうからだ。立派な人になろうと思って、商品企画もがんばっているのに。気がつけば上司に見てられダメOLの仲間入り。ああ先生、私の居場所はどこにあるんでしょう…。高校時代の恩師、奈良原先生の言葉だけが心の支えである。いつも一所懸命だけどへこみやすく純情な、酒漬けOLマリモの「魂の物語」。
出会ったばかりのカップル、倦怠期の中年夫婦、退廃的に生きるロック歌手、学生時代の恋を引きずる男、思わぬ躓きに悩む営業マン…。現代のパリに暮らす様々な男と女。彼らの人生の断片を、軽妙なタッチで描く。カフェで、地下鉄で、そして一人ぼっちの部屋で、きっと誰もが思い当たるあの感情がこぼれる瞬間。せつなさと温かさがじわりと身に沁みる、12のショート・ストーリー。
“私生児”と蔑まれながらも才能に恵まれ、美しい少年に成長したロニー。豊かな幼少期を過ごしたものの、母親の再婚とともに不穏な世界へと突き落とされたスーザン。多感な年頃に出会ったふたりは、待ちに待っていたかのように惹かれあう。だが、ロニーがスーザンに打ち明けた秘密は恐るべきものだった…。愛情を憎悪に変え、悲劇の連鎖を引き起こす戦慄の少年少女を冷徹に描く力作。
巳佐都はVIP警護専門の敏腕ボディガード。大企業KATAGIRIからの依頼で、社長就任を目前に控えた副社長、隼人の警護をすることになったのだが…。隼人から、カムフラージュのために恋人同士という設定にしろ…というありえない要望が…。見惚れるほどの男前なのにセクハラ三昧の隼人に、巳佐都は振り回される毎日。そんな折、隼人が襲撃され…。男のプライドが激突するハイテンション・ラブ。書き下ろし。
家の事情で、愛器のヴァイオリンを手放すことになった音大生の星野。オークションでそれを4億近い価格で落札したのは、若き大富豪、黒須だった。家に来て一曲弾いてくれないかという黒須の申し出に、愛器への未練から喜んで応じてしまった星野…だが、黒須の本当の狙いは、手に入れた芸術品とともに星野の体を堪能することで…。名器を巡り二転三転するハラハラのLOVEオークション。書き下ろし。