2007年1月16日発売
響きと怒り 上響きと怒り 上
斬新な語りの手法と構成で、新しい文学表現に挑んだフォークナー(一八九七ー一九六二)の最初の代表作。語り手たちの内的世界のかなたに、アメリカ南部を舞台とした兄弟たちの愛と喪失の物語が浮かびあがる。フォークナー自身この作品をもっとも深く愛した。
響きと怒り 下響きと怒り 下
コンプソン家の現在を描き、物語にいっそうの奥行きを与える後半。「奇蹟が起きた」と言われるこの作品の成立によって、フォークナー独自の創造世界は大きく開花し、世界の文学に幅広く影響を与えた。のちに書かれた「付録」も収録。
M/Tと森のフシギの物語M/Tと森のフシギの物語
祖母から聞いた、四国の森の奥深くに伝わる「壊す人」と「オシコメ」の創造の物語を、MとTという記号を用いて書き記す。時の権力から独立した、一つのユートピアがつくり出される奇想天外の物語は、いつしか二十世紀末の作家が生きる世界、われわれの時代に照応していく。海外で最も読まれている大江作品。
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