2007年6月発売
諮問探偵業を引退後、ワトスンとともに、ニューヨークで静養中のホームズに、世界的な大事件が降りかかった!なんと高名な歴史学者であるニューヨーク大学の教授が「賢者の石」を発見し、ドイツ軍がその強奪を目論んでいるというのだ。そんな状況下で教授のひとり息子が姿を消す。ドイツ軍に誘拐されたに違いない、と教授は主張するのだが…。ラストシーンに胸が躍る!ホームズ・パスティーシュ史上に残る傑作「賢者の石」のほか三編と、「新訳シャーロック・ホームズ全集」(光文社文庫)の翻訳者・日暮雅通の「ホームズ・パロディ/パスティーシュの華麗なる世界」を収録。ファン必読の傑作集。
元大手外資系証券会社アナリストの七森恵子は、ある事件をきっかけにフリーの金融探偵に転身した。数々の潜入調査のなかで、次第にひとりの天才詐欺師の存在に気づく恵子。相棒の如月浩二郎とタッグを組み、次第に暴かれていくその詐欺の全容はー。
「そうーここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教”が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか?式部が最後に辿り着いた真実とは。
晴明の呪、博雅の笛が京の闇に響くときー若き陰陽師・安倍晴明と雅楽の名手・源博雅が龍神、幽鬼、獄卒、怨霊たちが引き起こす怪事件を鮮やかに解決する大人気シリーズ。全9篇を収録。
死んだはずの妻、張藍が生きている。その報を受けた林冲は、勝利を目前にしながら戦を放棄し、ひとり救出へと向かう。一方、呉用は攻守の要として、梁山泊の南西に「流花寨」を建設すると決断した。しかし、新寨に楊〓(せん)率いる三万の禁軍が迫る。周囲の反対を押し切って、晁蓋自らが迎撃に向かうが、禁軍の進攻には青蓮寺の巧みな戦略がこめられていた。北方水滸、激震の第九巻。
介護福祉士をめざすかれんは鴨川へ移住することをついに決意する。遠く離れてふたりの関係はどうなるのだろう。かれんを応援したいけれど、行って欲しくもない勝利の心は複雑だ。離れていても互いの思いは変わらない、彼女だって同じはず。それはふと触れ合う瞬間にだって、充分すぎるほど伝わってくる。でも確かめたい、彼女の言葉で、その胸の内を。シリーズ9弾。
旅をめぐる48のショートショート集 珍妙なステップを踏みながら〈刑罰としての旅〉を続けるならず者18号。「眉毛犬ログ」が世界中を旅したあと目指した先は? ユーモア溢れる、48の旅をめぐる小さな物語。(解説/いしいしんじ)
牧場主の娘バナーは、結婚式の最中、花婿となるはずのグレーディの裏切りを知る。結婚式がとりやめになったその夜、彼女は両親の幌馬車隊時代からの友人ジェイクに、抱いてほしいと迫った。それは悲しみのあまりの衝動だったのか、小さい頃から慕っていた彼への愛のためだったのか。けれど、彼にはほかに愛する人が…。『夕暮れに抱擁を』で大好評を博した主人公の娘バナーのひたむきな愛の物語。
堀口剛蔵の弟、参蔵は生来の嘘つき、それも他人のために虚言をはく、という性癖を持てあましながら、漂うように戦後を生きてきた。参蔵は剛蔵の妻・美那に思いをよせる。美那は自死した剛蔵を許さない気丈な女だが、やがて自らも悲劇的な末路をえらぶ。悲しみはどこまで続くのか。
大正十四年・上海。副領事に着任したばかりの花園伯爵家次男の麻尋は、ダンスホールでヤクザの幹部、陳に襲われかけたところを凄腕の殺し屋、紅仁に助けられる。日本で兄嫁との醜聞に傷つき、死ぬつもりで魔都・上海へとやってきた麻尋だったが、この闇色の瞳をもつ偉丈夫、紅仁との出会いが少しずつ彼を変えていく。そんな折、麻尋に執着する陳に再び囚われて…。危険に艶めく快楽の浪漫。書き下ろし。