2008年11月25日発売
今、「バスジャック」がブームであるー。バスジャックが娯楽として認知されて、様式美を備えるようになった不条理な社会を描く表題作。回覧板で知らされた謎の設備「二階扉」を設置しようと奮闘する男を描く「二階扉をつけてください」、大切な存在との別れを抒情豊かに描く「送りの夏」など、著者の才能を証明する七つの物語。
大津波が日本を襲う! あなたは生き残れるか!? 東海・東南海・南海地震、連発の危機が迫る! 20mの津波が太平洋沿岸を襲う。そのとき都市は、港湾は、原発は。異常気象が続き、自然災害が大規模化する今、読んでおきたい、防災サスペンス大作。
青年外交官として華々しく活動したこともあった堀江亮介だが、年を経て在外勤務から帰国。待っていたのは社団法人への出向辞令だった。外務省からリストラされ、屈託した日々を過ごす亮介に、突如ウィーンへの出張という話が舞い込む。東西冷戦が終焉したばかりの「魔都」ウィーンには、いまや国際的な陰謀が渦巻いている。突然の展開をいぶかる亮介がさぐる「出張」の目的とは何か。
東西文化の交差点ウィーンでは、北朝鮮やCIA工作員をはじめとして、核兵器を入手する武器商人やテロリスト、さらに日本のカルト教団も進出して複雑にネットワークを張り巡らせていた。その網の中で、恋人シルビアを失った堀江亮介は一人もがきながらも、不穏な動きを見せるカルト教団に接触していく。だが、亮介の想像をはるかに超えた勢力が世界崩壊のハルマゲドンを計画していたー。
アメフトの人気選手だったグリフ。5年前、組織暴力団“ヴィスタ”の誘いに乗り、八百長試合と不法賭博の罪で逮捕され、富も名声も失った。今、出所してきた彼は「アメリカ中で最も嫌われている男」だ。しかもロダートという男が、未解決の殺人事件を追及して彼をつけまわしている。そんなグリフに、航空会社の社長フォスターが、自分の美しい妻ローラを妊娠させるように提案してきた…。
グリフはフォスターとの契約で大金を手にするものの、航空会社の副社長でもあるローラがなぜ夫の願いに従うのかが理解できないでいた。しかし、過去の衝撃的な事実を知り、彼はしだいに彼女に惹かれていく。一方、グリフを執拗に追うロダートはローラの存在まで突き止める。そして衝撃の事件が起きた!追いつめられたグリフが取った決死の行動とは?驚愕のラストへと運命は突き進む。
奥州平泉のさらに山奥深い糠部の地に育った馬の巧みな少女由衣は、従弟の八郎丸や兄弟達とささやかながらも、幸せに暮らしていた。しかし従弟だと思っていた八郎丸が実は義経の落胤であったことから、頼朝の奥州平定の戦に巻き込まれていくことになる…。
ジョウたちが発見した難破宇宙船には瀕死の老人が乗っていた。彼は「銀河系最後の秘宝」という謎の言葉を遣して息絶える。その直後〈ミネルバ〉は正体不明の円盤機群に襲撃された。老人から託された暗号データを解読すると、それは、銀河系最大の富豪、ドン・グレーブルからジョウへの仕事の依頼だった。彼はみずからが築きあげた巨万の富にかかわる秘密を明らかにし「銀河系最後の秘宝」の探索を依頼してきたのだった。
休暇中のジョウたちに緊急の依頼があった。誘拐されたとおぼしき、ある少年の捜索だった。少年の乗った客船は、本来の航路から行方不明になり、発見された時にはすべての乗客乗員が惨殺されていたのだが、その少年だけはついに見つからなかったという。彼の名はクリス。天使のように美しい絶世の美少年であった。ジョウは、クリスがノートに描き残した悪魔の紋章を手がかりに、暗黒邪神教という謎の組織にたどりつくのだが。
広告会社に勤めるOL、友香。父と和解はできるのか『清洲橋』、銀座でならしたバーテンダー、耕平。深川で自分の店を持つが『亥之堀橋』、進学校の秀才と不良少年の再会『大富橋』、バツイチの佳子は英会話教室の生徒との逢瀬をやめられない『八幡橋』、新居探しで足を棒にする美穂と哲也のカップル『まつぼっくり橋』、世田谷から来た千恵と、祖父エンジとの交流の物語『永代橋』。水の都・深川を舞台に描く六つの人生。