2008年8月11日発売
OL奈美江は我が道を行く、強面のポッチャリさん。三十路を目前に、“太っているのは美しい”を標榜する会へ入会し、人生は急展開。本気の恋に悩み、さらには事件に巻き込まれ、最高体重を更新中。彼女の明日はどっちだ!?反感、嫌悪、のち共感。思わず応援したくなるダイエット・エンタテインメント。
“君はひとりでは生きていけないとぼくに言ったね。でもきっと生きていけるよ、ホリー。ぼくは君の人生の中の一章にすぎない。これからいくつもの章が続くはずだ…”夫の死を受け入れられず、絶望にくれるホリーに届いた、亡き夫からの手紙。それが、すべての始まりだった。本作は著者の処女作ながら、全世界で五〇〇万部以上のベストセラーとなり数々の賞を受賞し、ヒラリー・スワンク主演で映画も大ヒットした。家族と友に見守られながら生きる力を取り戻していくホリーを通し、愛する人との永遠の別れと人生の再出発を描いた感動作を林真理子が翻訳。
さえない、しつこい、思いこみ激しい。そんな三重苦男たなだ君が、いつものように情けない面持ちで愛車・ろんぽう君を運転しているうち、変な看板を掲げた店ばかりの妙な町にやってきてしまう。冷蔵庫型の噴水のある駅前のロータリー。そこで、目の前をよぎった髪の長い女性・まばさんに一目惚れをしたことから、とんでもない災難に巻き込まれる。巨大な金の布袋像が鎮座する謎の「ホテイホテル」を主な舞台に展開する「不思議の国のアリス」のような、どこか奇妙なのにラブリーな目くるめく想像世界!よしもとばなな氏推薦の奇想天外なラブストーリー。
高校進学と同時に大和圭介は水泳部に入部。そこで再会した二ノ宮亜美は圭介のことを「ひと殺し」と呼んだー。同じ寮で過ごすことになったふたりは、いがみ合いながらも、どこかで惹かれ合い、そしてまたすれ違う。不器用でもどかしく、思うようにいかない青春のとき。素直な気持ちはなかなか伝えられない。涙と笑い、挫折と情熱。友情、恋、夢…まぶしい想いをつめこんで、未完成なふたりが三年目の熱い夏をむかえる。今もなおファンの支持を集める、あだち充の傑作『ラフ』が小説に。映画「ラフ」の脚本をもとに描いた、夏がくれた爽やかな青春ラブストーリー。
終戦間もない混乱の東京。十六歳で雀ゴロとして生きる“私”は、一つ年上のボッチと出会う。一匹狼ながら人恋しい妙な感情に見舞われた“私”は、ボッチを相棒にするべく麻雀の“通し”を仕込むが、うまくいかない。やがて、ひとり地方へ流れていくが…(『雀師流転』)。未完ながらも、戦後の匂いを濃く残す“もうひとつの『麻雀放浪記』”。長編小説に加え、著者が出会ったギャンブルの“職人”たちや、勝負の思い出を綴った文庫未収録エッセイ『麻雀師渡世』から精選した二十三編も併載。
都会から高知にやってきた大学生・篤史は、従兄弟から強引に本場・よさこい祭りに誘われる。衣装、振り付け、地方車、鳴子。六年ぶりに復活する町内会チームは、どこよりも熱い。南国高知、真夏の風は、空から海へと吹き抜ける。一途な思いを秘めて、踊る青春群像。