2009年11月13日発売
『スケッチ・ブック』『アルハンブラ物語』とならぶ、W・アーヴィング(1783-1859)の傑作。ブレイスブリッジ邸での婚儀に招かれた語り手が、邸に集う人びとの様々な姿や悲喜こもごもの出来事を丹念に見聞きして語る。英国の牧歌的な風景と伝統的な風俗風習を背景に展開する秀逸な作品。本邦初訳。(イラスト=R・コールデコット) ブレイスブリッジ邸へ 忙しい男 邸宅の召使い 未亡人 恋人たち 家に伝わるもの 老兵 未亡人のお供 即金ジャック 独身男 文学の好古家 農家 馬術 愛の兆し 鷹の訓練 鷹狩り 占い 恋の呪い 独身男の告白 ジプシー 村の名士たち 校長先生 村の学校 村の政治屋 ミヤマガラスの巣所 五月祭 罪人 恋人たちの悩み 婚礼 訳注 解説 口絵・挿絵=ランドルフ・コールデコット
『モモ』『はてしない物語』など数々の名作児童文学で知られるミヒャエル・エンデが、自らの人生、作品、思索について、翻訳者で友人の田村都志夫氏に亡くなる直前まで語った談話。作品の構想のもととなった、現代の物質文明の行きつく先を見通し、精神世界の重要性を訴えたエンデの深い思想が、語りを通して伝わってくる。各章冒頭、巻末に田村都志夫氏の解説付き。
高校三年になった山神大地。始業式の日にやってきた新しい保健の先生と、初日から親しくなる予感が。その一方で深く情を交わした前任の水沢先生は一言もなく去っていってしまうー寂しい。さらなる濃密な時間を求めて大地は自転車を走らせる。青春官能ロマンの大作。
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた4人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった! 周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作! 密室と化した地下迷宮で繰り広げられる連続「見立て殺人」!
爆弾を仕掛けられたバスは死に向かって疾走する。 Gシリーズ、緊迫の第4作。 山吹早月と加部谷恵美が乗り込んだ中部国際空港行きの高速バスが、ジャックされてしまった。犯人グループからは都市部とバスに爆弾をしかけたという声明が出される。乗客名簿にあった「ε(イプシロン)に誓って」という団体客名は、「φ(ファイ)は壊れたね」から続く事件と関係があるのか。西之園たちが見守る中、バスは疾走する。 プロローグ 第1章 悲しみの始まり 第2章 悲しみの連なり 第3章 悲しみの広がり 第4章 悲しみの高まり 第5章 悲しみの静まり エピローグ
江戸中を震撼させた連続辻斬り事件の探索で、中山道倉賀野宿へと出張った逸馬は、『阿弥陀湯』の三助巳代吉に疑いを抱く。あえて大火傷を負い顔を変えて逃げ続けた巳代吉は、真犯人の顔を見たと訴え出る。一方で信三郎と真琴は、事件の背後にある八州廻り畠山と両替商絡みの不正をつかむ。
かりん、という琺瑯の響き。温泉につかったあと、すっぴん風に描く眉。立ち飲みで味わう「今日のサービス珈琲」。 48歳、既婚者で「中途半端」な私が夢中になった深い愛ーー。さりげない日常、男と女の心のふれあいやすれ違いなど、著者独自の空気が穏やかに立ち上がる。虚と実のあわいを描いた掌篇小説集。
山の民ー。特殊防諜班・真田は、誇り高きその血を受け継いでいた。雷光教団を急速に掌握した、二代目夢妙斎と名乗る男を探る真田は、彼の技に同族の印を見出す。一方、モサドのザミルは中東戦争阻止に忙殺。だが芳賀一族抹殺の新たな陰謀がまた動き出していた。
谷中感応寺。江戸の三富のひとつが行われている最中に、男が殺された。身元不明である。かたや、どこかの藩の船が忽然と消えてしまったという。この二つの事件、どうやら過去の北前船の出来事に関わりがあるらしい…探っていく新八郎だったが、なんと女中・お鯉がさらわれてしまう。人気シリーズ第四作。
江戸から明治へ。時代の節目に、男が変わる、女が変わる…。「牡丹燈籠」や「真景累ヶ淵」などの怪談噺をはじめ、「文七元結」「塩原多助」など数々の創作落語を残し、近代落語の祖と言われる落語界のスーパースター、三遊亭円朝。江戸から明治へ、幕府の崩壊によりすべての価値観が揺らいだ歴史の転換期に生きた大名人と、彼を愛した五人の女たちの物語。