2009年発売
ある日、著名な作家のもとを妻が去った。作家はその後も成功を重ね、新しい恋愛も始めたが、当惑は止まない。彼女は誘拐されたのか、それとも単に結婚生活に飽きたのか。答えを求め、作家は旅に出る。フランスからスペイン、クロアチア。数々の不思議な出会いに導かれ、ついには中央アジアの平原へ。風吹きすさぶその地で、作家が触れる愛の真実と運命の力とはー。コエーリョの半自伝的小説。
姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、母さま、姉さまと3人でつつましく暮らしていました。姉さまは病弱でしたが、本当に美しい人でした。そして、不思議な能力をもっていました。人や物がもつ「記憶」を読み取ることができたのです。その力は、難しい事件を解決したこともありましたが…。今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさが胸を打つシリーズ第1作。
CIAから公安調査庁にもたらされた極秘情報。それは恐るべきものだった。「北」が空気感染する生物兵器の開発に成功、日本への持ち込みを図っているという。アメリカの怖れる最悪のシナリオは、在日米軍が無力化されたうえで、「北」が朝鮮半島を南進することだった。テロリストを殱滅せよ…。クアラルンプールでCIAに嵌められ、一度きりのミッションを背負わされた朝倉恭介は最強の敵と対峙する。シリーズ第5弾。
“48”番目の都道府県、萩原。そこは史上最大のIT企業が作りあげた最高の福祉都市だった。生活費まで支給される「ニート天国」。しかし、住民は悪夢にうなされる。炎、地獄の骸骨、金縛り。最先端都市の地底には、巨大な利権と陰謀が埋められていた!イラクから戻った岬美由紀に届く不可解な手紙。美由紀は再び飛び立つ!『蒼い瞳とニュアージュ』の一ノ瀬恵梨香との運命の出会いを描く、クラシックシリーズ第10弾。
一ノ瀬恵梨香は謎多き町でメフィスト・コンサルティング特別顧問のダビデと出会う。一方、IT産業の帝王・陣場輝義は、萩原県で埋蔵金発掘プロジェクトを推し進める。巨額のカネをめぐり、熾烈な利権争いが展開される。岬美由紀が地下200メートルで見た“真実”とは!?エンタテイメントの頂点を極めたシリーズ最高峰。手に汗を握らざるをえない、美由紀、恵梨香、ダビデの運命が交錯する最高傑作下巻。
美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた…平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。
「奴隷になるのは、窮屈な自分から自由になることだと、ご主人様は教えてくれました」…26歳の地味なOLだった繭子は、ご主人様に出会って、それまでとはまったく違うセックスを経験することにより、自分の中の何かが決定的に変わったことを知る(「わたし次第」)。非日常の世界で、われを忘れるほどに乱れる愛と歓びを描く6つのストーリー。ますます淫らになった、SM青春小説『私の奴隷になりなさい』シリーズ第4弾。
仲良しのまま破局してしまった真琴と哲、メタボな針谷にちょっかいを出す美少女の一紗、誰にも言えない思いを抱きしめる瑛子。真剣で意地っ張りで、でもたまにずるくもあって、でもやっぱり不器用で愛おしい。そんな、あなたに似た誰かさん達の物語です。いろいろままならないことはあるけれど、やっぱり恋したい、恋されたいー『ナラタージュ』の島本理生がおくる傑作恋愛小説集、待望の文庫化。
教育実習のため、とある小学校にやってきた晴香は、幽霊が見えるという寂しげな少年・真人に出会う。真人は晴香に「自分は呪われている」と告げるが…。一方八雲は、真人の通う小学校で起こった幽霊騒動を追ううちに、手首だけを残し、骨まで燃え尽きた謎の死体を発見する。人間業とは思えない超高温で焼かれた異常な状況。果たして犯人は人間か、それとも!?八雲の赤い左眼が再び煌めく、人気シリーズ第4弾。
電車で遭遇した目を見張るように美しい女。電話ボックスで見かけた甘い香りを残した女。職場で一緒に働く世間に馴染めない女。友人の紹介でなんとなく付き合った怠惰な女。嬉しくても悲しくてもよく泣く女。居酒屋から連れ帰った泥酔する女。バイト先で知り合った芸能界志望の女。そして、中学の時に初めて淡い恋心を抱いた女…。人生の中で繰り返す、出会いと別れ。ときに苦く、哀しい現代の男女をリアルに描く短編集。
元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。妻の織江を探しに江戸へ出てきたのだが、天体観測を付き合わされたり、巷で起きる事件の調査を頼まれたり。そのため彦馬の織江探しは、静山が綴る「甲子夜話」のようには着々と進まない。だが彦馬は知るよしもなかった。お庭番の密命を帯びた織江が、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していたことを。大好評のシリーズ第3弾。
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり。
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは序々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日ー。直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。
TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。時には生命の危険にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。
「泥棒?」アパートに入ると、仕事道具の紙や画材が散らばり、キッチンは卵の殻がへばりついている。自分でやったこととわかっているが、それにしても…。生理前に必ず陥るこのパターン。イライラしたり落ち込んだり。でもこれもやっぱり自分なのだー。彼や友人たちの理解を得ながら、生理を通して、自分を見つめなおしていく秀子。PMS(月経前症候群)と格闘する30代の女性を軽快に描く。
春まだ浅い青森は十和田。高校卒業三日目。肩を壊し野球選手の夢を閉ざされた“ぼく”は同級生の駆け落ちを手伝ううちに相撲取りにスカウトされ就職も取り消しに。初恋の人との再会、釣り仲間との密漁と童貞卒業計画、番長の喧嘩に乱入、米兵との諍いに巻き込まれたり、ドタバタでしょぼいけれど素敵な事件の数々。人生のターニングポイントになった24時間を描いた、青春の疾走感がまばゆい傑作。
行方不明者を捜す専門部署として、警視庁に設立された失踪人捜査課ー実態は厄介者が寄せ集められたお荷物部署。ある事件により全てを失い酒浸りになった刑事・高城賢吾が配属される。着任早々、結婚を間近に控え、なぜか失踪した青年の事件が持ちこまれるが…。待望の新シリーズ、書き下ろしで登場。
空で、地上で、海で。「彼ら」は「スカイ・クロラ」の世界で生き続ける。憧れ、望み、求め、諦めながらー。さまざまな登場人物によって織りなされる八つの物語は、この世界に満ちた謎を解く鍵となる。永遠の子供、クサナギ・スイトを巡る大人気シリーズ、最初で最後の短編集。
埼玉県北西部の田舎町。元警察官のマスターと寡黙な青年が切り盛りするスナック「ラザロ」の周辺で、ひと月に二度もバラバラ殺人事件が発生した。被害者は歯科医とラザロの女性ピアニストだと判明するが、捜査は難航し、三人目の犠牲者が。県警ベテラン刑事は被害者の右手にある特徴を発見するが…。