2010年7月発売
宇宙と地球の狭間に建設された首相官邸「ラプラス」。西暦を捨て、宇宙世紀に足を踏み入れた人類を祝福する場となるはずだったそこは、反動分子の爆破テロによって無残に破壊された。それから百年、「ラプラス」の残骸に秘められた「禁忌の力」をめぐり、赤い彗星シャアの再来が、伝説のマシーン「ガンダム」が翔ぶ。人は、宇宙にまで持ち越された己が原罪を贖うことができるのかー。文壇の気鋭が放つSF巨編、緊迫の第5弾。
素質だけは全国レベル、態度ならメジャーレベルの豪腕高校生ピッチャー・コーキは、強豪野球部K高にプライドを蹴散らされ、真剣に野球に取り組みはじめた。だが思ってもみなかった事件が降りかかる!!
浅草の蛇骨長屋に住む浪人・曾路里新兵衛は、酒がなくては生きてはゆけぬ、というほど無類の酒好き。仲間の不祥事により改易になって以来、何ものにも縛られない気ままな暮らしを楽しんでいた。だがある日、ついに生計が立たなくなり、やむなく岡っ引きの伝七に依頼された辻斬り事件の探索を引き受ける。実はこの新兵衛、酔うと剣技が冴え渡る「酔眼の剣」の使い手だった!人気著者が放つ、書き下ろし新シリーズ第1弾。
廃部寸前の弱小吹奏楽部で、吹奏楽の甲子園「普門館」を目指す、幼なじみ同士のチカとハルタ。だが、さまざまな謎が持ち上がり……各界の絶賛を浴びた青春ミステリの決定版、”ハルチカ”シリーズ第1弾!
奉太郎は千反田えるの頼みで、祭事「生き雛」へ参加するが、連絡の手違いで祭りの開催が危ぶまれる事態に。その「手違い」が気になる千反田は奉太郎とともに真相を推理する。〈古典部〉シリーズ第4弾!
“君は、わたしを捜せないかね…?”あの日の囁きが予告であったかのように、突然学園から消えたヴィクトリカ。遠くリトアニアの修道院“ベルゼブブの頭蓋”に幽閉され、ゆっくりと弱ってゆく彼女を救うため、一弥はひとり旅立った。豪華列車で出会った奇妙な客たち、遠い戦争の記憶。謎の夜会“ファンタスマゴリア”の血塗られたショー。かつてこの地で何が起こったのか。そして、一弥とヴィクトリカの運命はー。
ロズウェル・エイリアンそっくりの外見で生まれてきたアレグザンダーは、宇宙飛行士を志し、自らの故郷(?)火星を目指すようになる。有人火星探査と少年の成長物語を情感たっぷりに描き、星雲賞を受賞した表題作。巨匠アーサー・C・クラークの書籍初収録作「電送連続体」、ソ連の知られざる宇宙開発史を綴ったダンカンのスタージョン賞受賞作「主任設計者」ほか、人類永遠の夢である宇宙開発テーマの名品全7篇を収録。
内藤新宿開宿以来の老舗磐栄屋が窮地に陥っていた。不当に立ち退きを命じられた挙句、主天外と跡取り息子が何者かに襲われたのだ。そんな最中、風のように一人の男が現われる。“算盤侍”唐木市兵衛である。つぶさに現状を調べた市兵衛は、新宿進出を狙う豪商と鳴瀬藩の陰謀と看破する。主の娘とともに店を救う秘策とは?時代小説に新たな風が吹く、大好評の第二弾。
恋に破れ、ナンバー1からも転落し、夜の世界から身をひいたあたし。「お前が何よりも大事だから」過去を吹っ切るように、海との新しい恋や仕事に期待を膨らませ、全てがうまくいくと信じて疑わなかった。だけど、あたしを待っていたのはー残酷すぎる運命だった。iらんど大賞2009優秀賞受賞。
平凡な女子高生・千鶴子は、鶴岡八幡宮付近の神社の鳥居で不思議な声に呼ばれ、鎌倉時代にタイムスリップしてしまう。現代に帰りたいと望む千鶴子だったが、そこで護良親王と運命の出会いを果たしてしまう…。iらんど大賞2009最優秀賞受賞。
伍子胥は、父に向かってまっすぐに言う。「善をなすふりをして悪をなすことほど、悪いことはないとおもいます」父・伍奢は思った。「この子を教えるのは、人ではなく天だ」と。豊かな水をたたえる長大な江水の流域で、春秋時代後期に覇権を争う、楚、呉、越。楚の人、伍子胥は堂々たる体躯で将来を嘱望される青年である。父は、王に重用され要職をつとめる。伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚を助けるため船に乗り、江水を往く。強い信念をもち、父兄を尊敬する伍子胥は、地位や身分を越えてさまざまな人と出会い、歩むべき道を探していた。
命を賭して信じる道に突き進めぬ者が、どうして士族を名乗れようか。久保田宗八郎は、虚しさを感じていた。株式会社、開かれた言論、徴兵制度。西南戦争前夜、すべてが急速に欧米化してゆく。銀座煉瓦街で親しく交わる、若様、巡査、耶蘇教書店主。そして、深い縁で結ばれた元遊女比呂と、互いに恋情を確かめ合った可憐な綾ー。名手が、時代に翻弄される人びとの哀しみを描く。
裸一貫から財閥をつくった男の辛抱、先見の明、ここ一番の勝負勘!露天の銭両替屋から日本一の銀行家へ登りつめ、東大に安田講堂を寄付した男の、儲けて儲けて、儲けまくった生涯。
青葉樹は東京の下町にある松華学園高校の二年生。幼馴染の真夏にバカにされながらも、江戸文化研究会に所属している。その部長である高原明日奈と副部長の佐々木信幸が、夏休み、相次いで失踪した。それを聞いて乗り出してきたのが作家志望の元刑事である樹の父親。どうも、息子のクラブの事件以上に、顧問の美人教師・若宮先生に興味があるらしいのだが…。『ぼくと、ぼくらの夏』の著者が原点に帰って描き上げた、青春ミステリの新たなる名作。
FX会社で働く女性が襲われた。単純な強盗未遂事件かと思いきや、自首してきたのは被害者の証言とは似ても似つかぬ二人組。ところが被害者は証言を一転、その上、殺人事件まで起きて…丸岡高子と長嶋葵、最初の事件(『はじめてのダーティ・ママ』)。葵がやっと取り付けた恋人・卓也とのデート。ところが、その直前に高子に拉致(?)された葵は、殺人現場へ。事件の裏に見えてくる複雑な人間関係。刻々と過ぎる卓也との待ち合わせ時間。果たして葵は卓也と会えるか?(『ダーティ・ママは三度吐く』)。土曜日の郵便局で強盗事件が発生!大慌てで対応する葵だが、今度は刑事課に父親参観日の幼稚園を爆破する、という予告電話が。愛息・橋蔵の認知調停が一時間後に迫る中、人質となった高子がとった行動とは…(『父親参観日のダーティ・ママ』)。
「あれさえあれば、世界一の金持ちになれる」そう言い残して、渋谷モヤイ像の前で、1人の老人が昏倒した。偶然そこに居合わせた5人の男女は色めきたった。リストラ男、借金地獄夫婦、スキャンダル政治家秘書など、負け組人生一直線のワケアリ連中。行き詰まった人生を打開するチャンスとばかりにお宝探しに乗り出した。しかし、搬送中のトラックから闘牛15頭が脱走し、東京の街は大混乱の真っ最中。5人はそれぞれお宝を独り占めしようと、あの手この手を繰り出すが、“金のなる木”への道のりは激しく険しく遠かった!?果たしてお宝にたどりつけるのは誰?そしてお宝の正体って。