2011年5月10日発売
ひとけのない公園に落ちていた一枚の幻の金貨。それを手にした小学5年生の高坂健輔にオキシジェンと名乗る奇妙な男は語った。「もしも…力が欲しいのなら…それを探してみるといい…面白いところに、糸がつながっているー」と。男の言葉は未来への鍵か、それとも禁断の邪悪な扉か?秘宝を探し求めて、少年は不思議な冒険をはじめる。
警視庁のお膝元・新橋で、モルタルで固められた異様な惨殺死体が発見される。翌朝、特捜本部に掛かってきた犯人からの電話で事態は急転!毎回話し相手に指名される新人刑事・如月塔子は、犯人が巧みに計算した言葉から手掛かりを探ることに。だが、警察を嘲笑うかの如く魔の手は次の標的に迫る!大胆不敵な犯人の真の目的とは!?本格ミステリの緻密さと警察小説の迫力が融合!鮎川賞作家・麻見和史の新機軸。
いつか江戸で押しも押されもせぬ板木師になるという夢を抱き、裏長屋でつましい暮らしを送る清次の元に、かつての仕事仲間が訪ねてきた。平穏な日常は度重なる金の無心に脅かされ、やがて女房おたみは腹の痛みを訴えるようになる。道を踏みはずし、奈落の底へ墜ちていく男達の宿命を描いた表題作他四篇を収録。
20世紀初頭のロンドン。気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、アガサ叔母は次々面倒な縁談を持ってくる。だがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。どんな難帯もそつなく解決する彼の名は、ジーヴズ。世界的ユーモア小説の傑作選。
王子の扇屋で祝言をあげる直前の花嫁が失踪。しばらくして装束榎のそばで、狐面をつけて胸を血で染めた別の若い花嫁装束の女の死体が見つかる。ほどなく、江戸の各地でも同じような殺しがー。栗田と坂巻の名コンビが帰ってきた!南町奉行・根岸肥前守が江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ、いよいよ再開。
39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。
幼馴染の佳乃に誘われ人気芝居を観に行った三四郎。ところが、舞台に突然現れた狐面の男たちに芝居小屋がのっとられる。観客を人質にとり、「大岡奉行をここに呼べ!」と無茶な要求をする賊の本当の狙いとはー。江戸町人は俺が守る!若き町年寄・三四郎と影の町人集団・百眼が、情報と人情で事件を解決するシリーズ第三弾。
「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」。静人の問いかけは彼を巡る人々を変えていく。家族との確執、死別の葛藤、自らを縛りつける“亡霊”との対決、思いがけぬ愛。そして死の枕辺で、新たな命が…。静かな感動が心に満ちるラスト。
郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。