2011年発売
「将門の椅子」に坐る者には死が訪れるー。ある巨大銀行でささやかれていた迷信は現実となり、エリート銀行員が相次いで不審な突然死を遂げる。そして国際部に勤める阿部奈緒美の上司も犠牲となり、死体が八幡不知薮から発見された。これは本当に平将門の崇りなのか?大学の同期である奈緒美から依頼を受けた浅見光彦は、人智を超えた謎に挑むべく調査を始める。だが、将門伝説をめぐる奇妙な符合が見つかり…。
平将門の崇りにまつわる巨大銀行員の怪死事件を調べる浅見光彦は「将門の椅子」の後任者である川本と知り合う。彼と協力しながら、導かれるように将門ゆかりの地を踏破していくが、それは奇しくも日本列島を貫く中央構造線上に重なっていた。浅見が追う謎はやがて、日本経済の暗部、太平洋戦争以来の歴史の闇につながってゆく。これは偶然か、それとも…。世紀を超えた壮大な謎の果てに浅見光彦が見つけた真相とは!?-。
盛岡市にある喫茶店・ドールズ。経営者の月岡真司の一人娘・怜の身体の中には、過去の事故をきっかけに江戸の天才人形師・目吉が棲んでいる。このドールズのアルバイトに聖夜という女性が加わった。明朗快活、警察学校で剣道を教えるほどの腕前という彼女の胸のうちに密やかに渦巻くのは悲壮な決意だった。彼女との出逢いが目吉たち一行を恐るべき魔物「箱神」との対決へ導く。稀代の名キャラクター・目吉を襲う最大の危機。
梅雨明け迫る豪雨の夜、都内で轢き逃げと女性の絞殺事件が発生した。手がかりが少なく暗礁に乗り上げた捜査陣に追い打ちをかけたのは、近くの新興宗教の元本部施設で絞殺死体が発見されたとの情報だったー。3つの事件を結ぶ見えない糸を手繰るほどに、人間の欲望のすべてを包む巨大な器・東京の構造悪が浮かび上がる。悪の狩人・棟居刑事は、いかにして「悪の器」を踏まえて笑う犯人を追い詰めるのか?傑作長編。
百合子。城山。林。互いに惹かれ合うも添い遂げることができない三人の恋情は、城山組と館岡組の抗争で引き裂かれていく。一度は、共通の敵・利根川を倒すために手を結んだ城山と林だが、二人は百合子を巡って闘わねばならぬ運命にあった。館岡組を継承し、母となった百合子がその時とった行動とは…。三人の抑え切れぬ情愛の果てにあるものは何か。人間の本性を極限までに描いた大河小説、堂堂の完結。
終戦直後の新宿。街の殆どが瓦礫と化し、明日の行方も見えぬ混乱の中、三人の男女は出逢う。僅かな金と煙草で組事務所の襲撃を請け負った特攻崩れの城山龍治。朝鮮人であることを隠しながら頭脳と美貌でのしあがろうとする林敬元。疎開先で強姦されそうになり東京へ流れてきた天涯孤独の生娘・岡崎百合子。苛酷な運命に抗いながら見えない糸で絡まり合っていく三人の壮絶な人生を描破した、昭和スペクタクル小説、ここに開幕。
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが…(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾。
私立探偵サム元警視を訪れた奇妙な七色の髭の男。何百万ドルもの価値がある秘密に繋がる手がかりの入った封筒を預かってほしいというその依頼が、一同をかつてない悲劇へと導いていく。消えた警備員の謎、シェイクスピアの貴重な稀覯本すりかえ事件、不審な愛書家、そしてサムの美貌の娘ペイシェンスに危機が迫る時、元俳優のレーンの推理は…?!いよいよクライマックスを迎えるドルリー・レーン四部作、新訳完結編。
「わたしの宝石を担して貰いたいの」刑事を辞め私立探偵として独立した麻生龍太郎に、奇妙な依頼が舞い込んだ。東京地検の元検事で弁護士を営む早坂絹子とは旧知の仲だったが、叔母から譲り受けた指輪が盗まれたという。唯一の手がかりである叔母のかつての婚約者を訪ねた麻生は、やがて予想外の事実に突き当たり…(「CARRY ON」より)。麻生龍太郎と山内練の宿命ー「RIKO」シリーズへと連なる魂を揺さぶる連作ミステリ。
謎の組織MESSIAHのもと生み出された超人クローンたちとの死闘を続けるヴォルフ。闘いに巻き込まれてしまった女子大生、ひとみと共に死線をかいくぐり、ついに組織の研究所へと潜入する。だが、そこには新たな実験計画で作り出された強敵の姿が…!明されるヴォルフの過去、そして因縁の“あの男”との対決。ヴォルフは遺伝子の呪縛を乗り越え、真の英雄となれるのか!?未曾有のダーク・オペラシリーズ、堂々完結。
人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。固い絆で結ばれた2人の前に現れた謎の女は、鈴音と同じ力を悪用して他人の過去を暴き立てていた。女の名は御堂吹雪ーその冷たい怒りと霜しみに満ちたまなざしが鈴音に向けられるとき、何かが起こる…。昭和30年代を舞台に、人の優しさと生きる哀しみをノスタルジックに描く“昭和事件簿”「わくらば」シリーズ第2弾。
ルーマニアの山奥で、中世の城が発見された。300年以上も土に埋もれていたはずなのに、昨日まで誰かが住んでいたかのように美しい城。その壁にかけられていたのは、日本人らしい女性の肖像画だった。絵の噂は日本にも伝わり、松橋美奈の周囲に波紋を呼ぶ。なぜなら、肖像画の女性は美奈に瓜二つだったからー。運命に導かれようにルーマニアを訪れた美奈を待ち受けていたものは?「百年の迷宮」シリーズ第2弾。
フリージャーナリストとなった加藤の誘いで沖縄に向かった達也。だが、そこには返還直後の沖縄が抱えた様々な問題と、メギドを狙う米軍が待ち構えていた! 著者の本領が発揮された好評シリーズ第2弾!
岩手県の太平洋岸にある小金牛村から盛岡市に行くにはいくつか峠を越えなければならない。その峠の一つ、雲上峠の展望台に、男性の生首が置かれていた。被害者は年商30億に上る食品加工会社などを経営する実業家。地元の名士を残忍なやり方で殺害したのは誰か。村が騒然とするなか、さらには岩手県選出の国会議員への殺害予告が。全国へ厳戒態勢が広がる劇場型犯罪に、殺しの根が見える藤田警部補と、若手新聞記者の一方井が迫る。
ジャンク屋のロウ・ギュールの前に現れた新たな敵『ライブラリアン』。彼らは、世界中のあらゆるデータを集めていた。独自の強化改造を施したモビルスーツを駆る組織のパイロットたちは、かつてアストレイと関わり死んでいった者たちであった。ギナ、蘊奥、ヴェイア、そしてプレア。コズミック・イラの世界の裏で新たに広がる戦いの渦。ミナの依頼を受けた傭兵部隊サーペントテールの叢雲劾も参戦、戦いは加速する!シリーズに登場したキャラクターが総出演し、これまでにない壮大なドラマが繰り広げられる。追加エピソードとして、ときた洸一による描き下ろしコミックを特別収録。さらに表題作に加え、単行本未収録作品の『ファントムペインレポート』と『オーブの女神』、未発表作品だった『天空の宣言』を、それぞれ初収録。
今坂一族の卜師梅香林は、鳶沢一族に張り巡らされた闇祈祷を看破した六義園を拠点とした闇四神の結界は富沢町、さらに駿府鳶沢村をも包囲していた。幾重にも仕掛けられた柳沢吉保の百年の呪いに十代目総兵衛勝臣は敢然と立ち向かう。一方、闇祈祷の術者の一人李黒は、鳶沢一族と一心同体であるはずの影・本郷康秀の元に去ったという…。壮大な物語が動き始めた。渾身の第二巻。
ある殺人事件の陪審員を務めるネフリュードフ公爵は、被告の女囚人を見て愕然とする。かつて自分が弄んで捨てた、下女のカチューシャだったのである。手違いでシベリア徒刑の宣告をされる彼女に罪の意識が芽生えたネフリュードフは、彼女を救うべく奔走しはじめるー。欺瞞に満ちたロシア社会への批判を織りこんだトルストイ最後の長編小説を漫画化。
絶対嗅覚をもつ調香師の小歌は、国王のためだけの特別な香水のコンペで、はるばる砂漠の小国ミシャリエまでやってきた。ところが、謁見の間には国王の他に白衣を着た謎の日本人が…。理知的な眼鏡の美丈夫、雅はこの国に暮らすフェロモン研究家。偶然にも他社の香水を浴びてしまった小歌は、幻の催淫花「千夜一夜の結花」に酷似した匂いを発したことで雅の実験材料にされてしまい…。禁断のパフュームラブ。