2011年発売
仕事もしない無責任な夫と身勝手な息子にストレスを抱えていた芳恵。ついに我慢の限界に達し、取った行動は…(「崩れる」)。30代独身を貫いていた翻訳家の聖美。ある日高校の同級生だった真砂子から結婚報告の電話があり、お祝いの食事会に招待されるが…(「憑かれる」)。家族崩壊、ストーカー、DV、公園デビューなど、現代の社会問題を「結婚」というテーマで描き出す、狂気と企みに満ちた8つの傑作ミステリ短編集。
皮を剥ぎ、肉を削り、骨を砕く。独自の倫理観で悪人たちに残虐な拷問を加える連続殺人鬼、玄田道生。そして霊能力を持った女子高生、神山美咲。ふたりの魂が交錯するとき、恐るべき惨劇の幕があがるー。怪しい新任教師の目的は?謎の霊能者、樹坂麿宮の正体は?絶対絶命の窮地に陥った同級生たちを、美咲は救出できるのか!すべての謎が解き明かされる、ジェットコースター・ホラー、最恐のシリーズ完結編。
生計を立てるためにやむなく始めた化け物退治で、図らずも有名になってしまった浪人“からす四十郎”。小料理屋“こねこ”で安酒を呑んでいると、友人の井田清蔵が新たな依頼を持って現れた。閻魔が毎夜そば屋にやってきて、そばを食べ終わると、近くの閻魔堂へと消えてゆくというのだ。しかもその閻魔は美しい女性だという。調べを進める四十郎は、騒動の裏に隠された、意外な真実を知ることとなる…。大人気シリーズ第2弾。
2025年。体内に埋め込む超小型記録メディア“ヴィジブル・ユニット”の定着とともに大成功を収めた映像プロデューサー・ナカジは、『エクサバイト商會』会長から新ビジネスを持ちかけられる。世界の著名人の“ユニット”を利用した壮大なプロジェクト。しかし、ある企業が突如ライバルとして介入してきて、事態は思わぬ展開にー。近未来を予見し、記録の本質と人間の欲望を鮮烈に描いた、衝撃のエンタメ長編。
ついに『ラプラスの箱』の最終座標が示された。行く手に立ち塞がるネオ・ジオンの大艦隊と、すべての抹消を目論む地球連邦政府。一縷の可能性に賭けて、バナージは“ユニコーンガンダム”を駆り約束の地を目指す。その仮面に人類史の諦念を宿し、バナージの前に立ちはだかるシャアの再来=フル・フロンタルの正体とは?いま、最後の戦いの幕が上がるー。混迷する現代社会を照射する“大人のためのガンダム”、衝撃の最終章。
借金を苦に自殺しようとしていたところ、カタリという謎の男に声をかけられた青年ミチヲ。聞けばある仕事を引き受ければ、借金を肩代わりしてくれるという。喜ぶミチヲだったが、その仕事とは、失意の果てに命を絶った女の幽霊を惚れさせ、財産を巻き上げることだった!かくして幽霊とのデートの日々が始まるが…はたして幽霊相手の結婚詐欺の結末は!?究極のウラ稼業“チーム・ミチヲ”が動き出す!痛快感動暗黒事件簿。
芸大に通う奈央の元に高校の同窓会の案内が届いた。久しぶりの地元で、奈央はテニス同好会のメンバー雅也と再会し胸をときめかせる。しかしその夜発生した同好会リーダーの死亡事件が、予想もできない恐怖へとメンバーを引きずり込む。その日以来、同窓会出席者が次々と不審な死を遂げていく。この謎の葬列の連鎖を食い止めることはできるのか?!そして、最後に残ったのは?疾走する最恐ジェットコースター青春ホラー。
クリスマス直前の気分に華やぐ聖マルグリット学園。だが、外の世界では「2度目の嵐」が迫りつつあった。父ブロワ侯爵によって首都ソヴレムに召喚されたヴィクトリカ、心配で後を追う一弥。ソヴュール王国最大のスキャンダルにして謎、王妃ココ=ローズの首なし死体事件に挑むふたりに侯爵の謀略が…。豪華劇場に過去と現在が交錯し、大いなる罪が暴かれたとき、世界はその様相を変える。ヴィクトリカと一弥の運命はー。
時は平安。稀代の陰陽師・安倍晴明の末の孫で、見習い陰陽師・昌浩は、異邦の大妖怪・窮奇を退治するため、毎夜都を見回っていた。そんなとき昌浩は貴船神社で鬼女が丑の刻参りをしているという噂を耳にする。一方、左大臣・藤原道長の姫で見鬼の力を持つ彰子に、妖に取り憑かれた遠縁の姫から魔の手がのびる。ところがそれらはすべて窮奇への贄として彰子を手に入れようとする妖異の企みでー!?新説・陰陽師物語第2弾登場。
2年前、元カノ・アカネの突然の死ー。それ以来、喪失感を抱えて生きてきた“僕”。「もし、あの時、無理やりにでも彼女を引き止めていたなら…2人の未来は違っていた?」心にぽっかり穴があいたままの僕に、18歳の失敗をもう一度やり直すチャンスが訪れてー。
永禄3年(1560年)、織田信長の急襲に遭って、今川義元は桶狭間に斃れた。義元に頤使されていた松平元康(家康)は父祖の地、西三河は岡崎城に戻り、悲願の独立を果たす。だが息継ぐ間もなく、一向一揆が勃発。血縁者が敵味方に分かれ、相争う国力消耗の未曾有の事態から家康を救ったのは大久保忠俊(常源)だった。忠俊率いる大久保一党の決死の進退が深く胸を打つ戦国歴史小説の巨編。
徳川の駿河以東への進撃は、武田の南進によって阻まれた。三方原合戦ー家康の前に信玄が立ちはだかる。潰滅的惨敗を喫した家康だったが、天祐ともいうべき信玄の死により再起する。武田勝頼との決戦、長篠合戦において大久保忠世・忠佐兄弟が見せた獅子奮迅の活躍は、信長を驚喜させ、家康の嫡子信康に両雄への憧憬をもたらせた。しかし、運命は極めて残酷な旋回を見せたのだった。
本能寺で信長が斃れ、天下は秀吉が簒奪した。大久保一族では彦左衛門が成長し、忠世・忠佐の奪戦を支え続けた。上田攻めでは真田昌幸、大坂の陣では幸村の深謀に苦戦しつつも彼らの忠義は一瞬たりとも揺るがなかった。やがて、家康は天下を掌握し、忠世・忠佐とも大名となるが…。大久保一族の衷心と、家康の絶望的な冷淡。主従の絆の彼方にある深い闇を描く歴史雄編堂々の完結。
身分階級、富者と貧者、主人と奴隷。当たり前のように不平等が存在した、近代ヨーロッパ。現代にも通じるこれらの問題はいつ、どのようにして起こり、正当化されていったのか…?専制政治の矛盾を考察し、本来の自由な存在としての、人間の不平等を解決するための社会の在り方を提唱した、政治哲学書を漫画化。
“薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ”阿良々木暦の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河。直江津高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、“願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった…。“物語”は、少しずつ深みへと堕ちていくー。
定年。老いてはいないが、現役ではなくなった毎日。定年退職した森谷浩平は夕刊紙の広告を頼りにアダルトDVDを買いにいく。そこで八十歳の橋詰老人と出会い、居酒屋へ。定年後、初めて得た友人であり人生の先輩だった。その居酒屋でバイトしていた二十歳の景子と知り合い、心の張りを取り戻してゆく。しかしかつての同期が自殺し、家族とカネをめぐる難題が森谷に降りかかってくる。
朝鮮戦争当時、十五歳だったイ・スーフンは北の故郷に父母と妹弟を残してひとり韓国へ逃れた。六十年後、スーフンは世界的な電子企業を率いる経済界の実力者となり、拉致問題で日本銀行を追われた大田原に接触する。一方、北の暗殺マシン、リ・ソンスが日本に潜入していた。スーフンは北の体制を内側から崩壊させるミッションの実行を命じた。