2012年11月9日発売
琵琶湖の湖北、国友村。鉄炮を幕府に納めるこの村では扶持の半分を年寄四家が独占、平鍛冶の藤兵衛は、想いを寄せる人の身売りを止めることもできないほどの貧困に喘いでいたー時の将軍にも重用された伝説の鍛冶師、奇跡の人生を描く長編ロマン。第7回小説現代長編新人賞受賞作。
なぜ警察に追われるジャン・ヴァルジャンは、パリのその街区に身を隠したのか? 里親から虐待を受けるコゼットが、夜店でひとり見つめていた人形はどこでつくられたものなのか? 十九世紀の美麗な木版画二百三十葉を百六のシーンに分け、骨太なストーリーラインと、微に入り細を穿った鹿島茂先生の名解説で、〈みじめな人々:ルビ:レ・ミゼラブル〉の物語をあざやかに甦えります。ラッセル・クロウであのミュージカルが正月に映画公開される今、読み直しておきたい長大な古典の傑作。これ一冊で深く理解できます!
縮尻御家人・鏡三郎。人気シリーズ第六弾 米相場で大儲け、大金を隠し持っていると噂されるご隠居が、歳もはばからずに恋をした。金目当ての連中は、あれこれ詮索するが…
事件解決の鍵が一本の「道」にあると察した浅見光彦は、テレビ記者の松雪真弓とともに伊勢へと向かう。真相に近づき、淡路に戻った二人を出迎えたのは、新たな死体だった。民間信仰、政治家と大企業の癒着、新興宗教ー。すべてがひとつにつながったとき、戦慄の事実が浮かびあがる。巻末に著者による「自作解説」を付す。
七福神めぐりが流行る神楽坂で、寿老人役の爺さんが石像に頭をつぶされて亡くなった。近所ではずいぶん嫌われ者の老人だったのだが…。一方、奉行所が十年来追い続ける大泥棒・品川左衛門が久々に姿を現す。贋の恵比寿天から弁財天の口吸いまで、不可思議な事件が相次ぐ。根岸肥前が活躍する書き下ろし余話「虫一匹」を収録。
老スリに隠されていたアナザーフェイスとは? 町田の駅前、大友鉄は想定外の自殺騒ぎで現行犯の老スリを取り逃がしてしまう。その晩、死体が発見され……大人気シリーズ第4弾!
薬種問屋の主が斬殺され、娘が身投げをした。浪人に手篭めにされ、強請られていたのが原因だという。そこで浮かび上がった浪人・宗方慎之介は、元は直参旗本、そして秋山久蔵の幼馴染みだった。追い詰められ、「公儀に恨みを晴らす」と言い残して死んだ友の無念に、久蔵は隠された悪を暴くことを誓う。人気シリーズ新装版第7弾。
銅吹所からたれ流される鉱毒に汚された町・宝亀町。原因不明の病に苦しむ町人は、金と引き換えに引っ越しを持ちかけられる。「こんな雀の涙みたいな金で、故郷を捨てろというのか!」-情熱と情報力と権力を携えた若き町年寄・三四郎が大規模な問題に立ち向かう人気シリーズ第八弾。幼馴染の佳乃との仲もいよいよ進展!?
ヒット作『萩を揺らす雨』続編、待望の文庫化! 北関東の紅雲町でコーヒーと和食器の店を営むお草。詐欺まがいの不動産取引について調べ始めると、因縁の男の影が。シリーズ第2弾
京都市内を流れる琵琶湖疏水に浮かんだ、男の溺死体。親友の死に疑念を抱いた若き僧侶・蜷川賢了は、遺体から違法ドラッグが検出されたことを知り、調査に乗り出す。一方警察には、国宝級の仏像の不正売却を告発する怪文書が届いていたー。京都に君臨する巨大宗派の欺瞞を抉り出す、新・社会派ミステリー。